カーアクション+恐竜戦車に燃えろ! 「700キロを突っ走れ!」
しかも、モロボシ・ダンがアンヌとのデートで観たレース映画に感激したのが理由で、ウルトラ警備隊の高性能火薬スパイナーの極秘輸送作戦遂行のためにラリーレースに参戦するのだから、びっくりです。
さらに極秘だったわりに、スパイナーを狙うキル星人はすでにこの計画を察知しており、スタート直後からダンたちの運転するラリーカーに、さまざまな攻撃を仕掛けてきます。
ダンといっしょにラリー車に同乗していたアマギ隊員のトラウマ克服のドラマもあり、スパイナーは無事に実験場に届けられます。
そしてガラッと雰囲気を変えて、スパイナーの実験が開始されようとしたそのときに現れたのが、戦車の走行メカに恐竜がまたがったような、その名も戦車怪獣 恐竜戦車!
恐竜も戦車もそれぞれの見た目はオーソドックスですが、合体したときのパンチ力は強烈です。
しかも、大砲を撃ったり、目から光線を出したりと、武装も充実しているので、ウルトラセブンも左腕を轢かれたりと大苦戦に追い込まれます。
という、エンタ味山盛りのエピソードなのに、恐竜戦車がウルトラ怪獣としてはおとなしめだから、観のがすのはもったいないというほかありません。
怪獣も宇宙人も出なくても、ここまで面白い話ができる!
地球防衛軍の基地に、次々と運びこまれてくる死体。
いきなり防衛軍の車の前に飛び出してきた男たちは、すでに死んでいて、ホルマリン漬けにされていたのです。
それらはすべて病院から盗み出されたものでしたが、侵略用に改造された痕跡もない、ただの死体でした。
しかし、基地の中では心霊現象にも似た不審な事件が続発し、ついには厳重に保管されていたはずの各国の防衛軍基地の秘密をあつめたデータが盗まれてしまいます。
ウルトラセブンも基地内で人間サイズに変身して対抗するものの、なんとミクロ化され、さらに伏せられたコップの中からなぜか抜け出すことができないという、まさに悪夢のような目にあわされます。
そこから脱出するために、人間の手を借りるという、なんという無力感!
この後、侵略者は宇宙から死体を念力で操っていたことが判明、ウルトラセブンとウルトラ警備隊によるデータを取り戻すための戦いが繰り広げられます。
しかしなんといっても、基地の中のホラー展開が怖いのです。
ホラー演出で盛り上げるエピソードはほかにもありますが、深夜の基地をうろつきまわる物言わぬ死者の影の恐ろしさは、ぜひ観ていただきたいものです。