『ウルトラセブン』にはかくれた名作がある! 厳選4話

傑作の陰にまた傑作あり! 観てないなんて、もったいない!

テレビマガジン編集部

月世界で繰り広げられる復讐劇&友情譚!

月怪獣ペテロの溶解液がウルトラセブンを襲う!  ©円谷プロ PHOTO/講談社
3作目は、第35話「月世界の戦慄」です。

セミレギュラーであり、登場するたびにいいところをもっていく“V3から来た男”ことクラタ隊長が活躍するエピソードです。

月面の防衛軍基地の爆発事故を調査するために地球からはキリヤマ隊長とダンが、そしてステーションV3からはクラタとその部下のシラハマが月へと向かっていました。

キリヤマたちは次々と異変に襲われながらも、なんとかクラタたちと合流することに成功します。

キリヤマの周囲に異変を起こし、さらにクラタの命も狙っていたのは、3年前にこの2人によって船団を全滅させられていたザンパ星人の生き残りでした。

殺害したシラハマに成り替わったザンパ星人は、2人が作戦行動で組むのを待って、復讐を実行しようとしたのです。

さらにその後に、初期ウルトラ怪獣の中でも、姿かたちの謎っぽさではあのブルトンと並ぶくらいの月怪獣 ペテロも現れ、月面の零下180度の寒さに苦しむウルトラセブンを追い込みます。

そしてついに反撃に出るウルトラセブン!

というバトルも盛り上がるのですが、ここはやはりキリヤマとクラタの会話に注目です。

最終話2部作でも名ゼリフを残した2人ですが、ここでもいちいちかっこいいやり取りを聞かせてくれます。それは、ぜひ本編でご鑑賞ください。

あなたはだぁれ? 俳優たちの怪演が心地いい!

集団宇宙人フック星人は、多人数で攻撃してウルトラセブンを幻惑する。  ©円谷プロ PHOTO/講談社
そして最後にご紹介するのは、第47話「あなたはだぁれ?」です。

酔っぱらって深夜に帰宅したサラリーマンの佐藤さんが団地の我が家のドアを開けると、出てきた妻子は自分のことを知らないと突っぱねます。

ここまでは、まあ、あるかもしれない光景かもしれませんが、佐藤さんは警官にもご近所さんにも同じような態度を取られてしまいます。

次の日、佐藤さんから前日に通報を受けていたウルトラ警備隊から、ダンとフルハシが調査に向かいます。

佐藤さんは行方不明になり、奥さんにも警官にもご近所さんにも、姿を見ていないと心配されていました。

このときの奥さんが心配する感じや、警官やご近所さんのいい人っぷりの、昨日との落差!

そして深夜、ダンの目に、人間には見えない侵略基地として地下に造られた偽の団地が、本物の団地と入れ替わる様子が写ります。

集団宇宙人フック星人の大規模な侵略計画が進んでいたのです。

佐藤さんを演じるのは『ウルトラマン』のムラマツ隊長でもおなじみ、小林昭二さん。

その周りの住人たちはフック星人の化けた姿との2役を演じるわけですが、そのうさん臭さが心地いいのです。

佐藤さんの奥さんは、ヒロインとして映画出演も多い三條美紀さんで、かわいい奥さんぶりはさすがですが、それだけに偽者役の無表情さが怖く感じられます。

ウルトラセブンとフック星人の戦いはアクロバティックな処理で、そこも見どころとなっていますが、俳優たちの表と裏の演技を見るだけでも、価値ありの一作です。

ウルトラセブンのすべてをここに凝縮!

2023年4月26日発売の『講談社MOOK テレビマガジン特別編集 ウルトラセブン EPISODE No.1~No.49』(税込み定価:2970円)は、『ウルトラセブン』のヒーロー、ウルトラ警備隊、メカ、宇宙人、怪獣、ストーリーなどなどのすべてを128ページに閉じ込めた、完全版です。作品を観るときのガイドにも、本だけ読んで楽しむのにも、ぴったりの一冊です。
※本書に第12話は掲載されておりません。
「講談社MOOK テレビマガジン特別編集 ウルトラセブン EPISODE No.1~No.49」定価:2970円(税込み)  ©︎円谷プロ
『ウルトラセブン』各話は、ウルトラサブスク「TSUBURAYA IMAGINATION」で配信中。ウルトラマンシリーズが見放題になる動画配信サービスです。
TSUBURAYA IMAGINATION

今回紹介した作品のうち、第28話「700キロを突っ走れ!」は、2023年4月30日(日)までは無料(お試し)会員でもご覧いただけます。YouTubeで配信中の「予告編<55周年バージョン>」とあわせてお楽しみください。
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テレビマガジン編集部

日本初の児童向けテレビ情報誌。1971年11月創刊で、仮面ライダーとともに誕生しました。 SNS:テレビマガジンX(旧Twitter) @tele_maga  SNS:テレビマガジンLINE@ @tvmg  記事情報と付録の詳細は、YouTubeの『ボンボンアカデミー』で配信中。講談社発行の幼年・児童・少年・少女向け雑誌の中では、『なかよし』『たのしい幼稚園』『週刊少年マガジン』『別冊フレンド』に次いで歴史が長い雑誌です。

日本初の児童向けテレビ情報誌。1971年11月創刊で、仮面ライダーとともに誕生しました。 SNS:テレビマガジンX(旧Twitter) @tele_maga  SNS:テレビマガジンLINE@ @tvmg  記事情報と付録の詳細は、YouTubeの『ボンボンアカデミー』で配信中。講談社発行の幼年・児童・少年・少女向け雑誌の中では、『なかよし』『たのしい幼稚園』『週刊少年マガジン』『別冊フレンド』に次いで歴史が長い雑誌です。