「転がり」の難しさ
もともと強いモチベーションがあって仮面ライダーになったわけではなくて、元はただの20代の学生。なので、彼が急に謎だらけの存在と戦うことになってしまうという戸惑いや、戦わざるを得なくなったときの決意まで表現しないとならない。なので、変身ポーズも最初のうちのぎこちないものから、成長を遂げた彼自身の内面が感じ取れるようなものになっていくんです。
桜井景和もだんだんたくましくなっていくとは思うんですけど、最初のほうはやっぱり弱々しいキャラクターなので、相手にやられるシーンが多いんですよね。僕は小さいころから空手をやっていたので、戦うための演技はできるんですけど、戦闘能力のないキャラクターの身体の動きがよくわからなかったですし、やられる演技というのも難しかった。なかでも、相手にやられて転がるのが一番難しかったですね。
実際に演技に入る前は、ただ転がればいいのかなと思っていたんですけど、相手の攻撃の力を受けての「転がり」だったり、時には、やられたふりをして「転がり」をすることもあるんです。一つ一つの「転がり」に、どんな気持ちを込めて表現するのか。本当に奥が深い。「転がり」って侮れないなと思いました。
【佐藤瑠雅(さとう・りゅうが)】
2001年生まれ。千葉県出身。『仮面ライダーギーツ』(2022年)の仮面ライダータイクーン/桜井景和役は連続テレビドラマデビュー作となる。
テレビマガジン編集部
日本初の児童向けテレビ情報誌。1971年11月創刊で、仮面ライダーとともに誕生しました。 記事情報と付録の詳細は、YouTubeの『テレビマガジン 公式動画チャンネル』で配信中。講談社発行の幼年・児童・少年・少女向け雑誌の中では、『なかよし』『たのしい幼稚園』『週刊少年マガジン』『別冊フレンド』に次いで歴史が長い雑誌です。 【SNS】 X(旧Twitter):@tele_maga Instagram:@tele_maga
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