『ウルトラマンガイア』コッヴ・ガンQ SFへの回帰

『講談社MOOK ウルトラ怪獣・宇宙人150 研究序説』よりぬきコラム【第11回】

テレビマガジン編集部

©円谷プロ PHOTO/講談社
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ウルトラマンシリーズに登場する怪獣・宇宙人の誕生物語やストーリー中での活躍を追跡して、解読するムック『ウルトラ怪獣・宇宙人150 研究序説』から、作品に登場する怪獣や宇宙人がなぜこれほど魅力的なのかをお伝えしましょう。

今回は、根源的破滅招来体という敵を創造した『ウルトラマンガイア』(1998年)から、宇宙戦闘獣コッヴ・奇獣ガンQを紹介しましょう。

その名もCOV(コッヴ)=前衛宇宙生物!

宇宙戦闘獣コッヴと戦うウルトラマンガイア
人類に悪意を持つ根源的破滅招来体の尖兵として、防衛隊の戦闘機部隊を全滅させるなど、破壊の限りを尽くしました。  ©円谷プロ PHOTO/講談社
宇宙戦闘獣コッヴは『ウルトラマンガイア』第1話「光をつかめ!」、第2話「勇者立つ」に登場する怪獣です。

『ウルトラマンガイア』では人類を敵視する敵、根源的破滅招来体は概念に近く、その見え方や手先の怪獣にも決め事は課されていません(『ウルトラマンA』の異次元人ヤプールとは大きく違っています)。

シリーズを始めるにあたってシリーズ構成も務めた脚本家、小中千昭が送り込んだ最初の怪獣は、格上感があり、人為的でもあり、平成の超獣と呼んでもいい宇宙戦闘獣でした。

そもそもコッヴという名まえも、地球人が名付けた「Cosmic Organism Vanguard」(前衛宇宙生物)の略で、その目的の一つは地球の怪獣の活動を活性化させることだったともいわれています。

第10話では惑星破壊機ヴァーサイトの中で育ちつつあった多くの幼体の宇宙戦闘獣コッヴⅡ(うち1体が巨大化)、第44話では外宇宙から強制的に送り込まれたらしい宇宙戦闘獣超(スーパー)コッヴが登場しました。

まさに「奇」獣! 強烈インパクト第1位!

「不条理のかたまり」である「奇獣ガンQ」

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