小島よしお「子どもを変えるワクワク言葉」の秘密「ブレイクして陥った自己啓発沼」と「スベっても立て直す能力が大事」と教えてくれた両親
小学生の悩みに答える本『小島よしおのボクといっしょに考えよう』発売記念インタビュー
2024.01.09
ライター:山口 真央
またYouTubeチャンネル「小島よしおのおっぱっぴー小学校」では、子どもが楽しく学べる九九や時計の読み方の動画をアップし、「楽しく覚えられる!」「わかりやすい!」と話題です。
そんな小島さんの新刊『小島よしおのボクといっしょに考えよう』では、小島さんが小学生の悩みに真摯に答えています。インタビューでは、子どもの悩みに答える秘訣や、ご自身の失敗から学んだこと、小島さんのご両親のお話など、小学生の心を鷲摑みにする小島さんの秘密に迫りました。
「お前とは縁を切る」と言われた日から学んだこと
小島:子どもたちの悩みには「有名人になるにはどうしたらいい?」という軽めの悩みから、「仲間外れにされてかなしい」といったディープな悩みまでさまざまでした。
なかには「天国と地獄は本当にある?」といった難しい質問もあって、僕もその都度勉強して、考えを深めていきましたね。また意見が偏ってしまわないように、仲良しの放送作家さんや後輩とディスカッションを重ねて、答えを見つけるようにしました。
──確かに大人でも考え込んでしまう悩みがたくさんありました。アドバイスするうえで、気をつけたことはありますか。
小島:僕の答えで、子どもたちの行動を縛らないようにすることです。何がいい、何がダメと伝えるのは簡単だけど、それが子どもの負担になってはいけない。なるべく、子どもたちの視野を広げてあげることを意識しました。
たとえば「隣の席の子がいじめられている」という悩みには、世界でおこなわれているいじめ対策を紹介しました。「世界中でいじめは問題になっているんだ」、「悩んでいるのは私だけじゃないんだ」と視野が広がるでしょ?
それから、いじめられている友達にできることと、質問してくれた子自身のためにできることを寄り添って考えました。いじめをなくすことは大切だけど、その子が頑張りすぎて疲れないように、声をかけてあげたかったんです。
小島:いえ、僕が子どもに寄り添うのは、自分の失敗から学んだことなんです。ブレイクしてから少し経って、まわりから一発屋と呼ばれはじめたころ、自己啓発本の影響で「タイムイズマネー」の考えにハマった時期がありました。
もともと「こう!」と思ったら一直線な性格なのですが、まわりの芸人と雑談する時間ももったいないと考えるようになってしまって。挙げ句の果てに、自分のために芸人仲間が開いてくれた誕生日会を、1時間で切り上げてしまったこともありました。今思うと、みんなに失礼なことをしたなと反省しています。
ある日、同居していた先輩に「お前とは縁を切る」と言われました。僕の極端な行動に、耐えられなくなってしまったそうです。そこでやっと、自分の身勝手な行動に気づきました。
自分でも「このままだと危ない」とどこかでわかっていたのに、仕事がなくなる焦りから、やめることができなかった。あのとき腹を割って話してくれた先輩には、頭が上がりません。
子どもを変えたいと思ったら「ワクワク言葉」でコーティングして
小島:学級委員長や運動会の応援団長をやる、目立ちたがり屋でした。みんなの前でギャグをやっていた記憶もあります。今とあまり変わっていませんね(笑)。
親父は当時、政治家を目指していて選挙活動で忙しく、母は中国語講座やママさんバレーなど、いろんなことに挑戦して楽しんでいました。僕自身も、好きなことにのびのびと打ち込んでこれたと思います。
この前とある本で、バランス能力とは、バランスを崩さないようにする能力ではなく、バランスを崩したときに立て直す能力だと学びました。
うちの親父は、まさにこれだなと。親父は何度も選挙に失敗したけど、すぐに立ち直るんです。泣き言も聞いたことがありません。紆余曲折あって、今は語学学校の学長を立派に務めています。僕はそんな親父の姿をずっと見ていたから、スベっても「大丈夫」って強い心でいられるんだと思います。
──素敵なお父様ですね。そんな小島さんに、悩みをひとつ相談させてください! 子どもに「勉強しなさい」と言っては、反抗される毎日です。どのように接したらいいか、アドバイスをいただけますか。
小島:僕も天邪鬼なタイプなので、親から「やりなさい」という言葉には「え~」と反抗したくなる子どもでした。「やりなさい」って言葉には、親の怒りの気持ちものっかっていますよね。そういう言葉って子どもからすると、ぷいっと顔を背けたくなるんです。
「こうしなさい!」って豪速球だとキャッチできない子もいるから、ワクワクする言葉でコーティングしてあげるといいと思います。下から投げたり、転がしてみたりするのもいいかもしれません。
たとえば勉強してほしいと思ったら、面白いと人気の偉人漫画を渡してみたり、勉強を楽しく教えてくれるテレビや動画を見せてあげると、子どもは受け取りやすいです。水泳教室に通ってほしいなと思ったら、テレビで水泳選手がかっこいい泳ぎをしているところを一緒に見て、盛り上がるといいかもしれません。
遠回りなようだけど、子どもの気持ちが楽しく前向きに行動できたほうが、うまく物事が進むはず。子どもに変わってほしい気持ちが空回りしていると思ったときは、ぜひ試してみてほしいです。
小島よしお
1980年、沖縄県生まれ。千葉市で育ち、高校時代は野球部に所属。1年間の浪人生活を経て、早稲田大教育学部国語国文学科に入学し、在学中からコントなど芸人としての活動を開始。大学卒業後の2007年、「そんなの関係ねぇ!」で大ブレイクする。
2020年からはYouTubeチャンネル「小島よしおのおっぱっぴー小学校」で、小学生の算数を題材にした動画を配信中。新刊に『小島よしおのボクといっしょに考えよう』(朝日新聞出版)、『最強無敵の雑草たち』(家の光協会)。
山口 真央
幼児雑誌「げんき」「NHKのおかあさんといっしょ」「おともだち」「たのしい幼稚園」「テレビマガジン」の編集者兼ライター。2018年生まれの男子を育てる母。趣味はドラマとお笑いを観ること。
幼児雑誌「げんき」「NHKのおかあさんといっしょ」「おともだち」「たのしい幼稚園」「テレビマガジン」の編集者兼ライター。2018年生まれの男子を育てる母。趣味はドラマとお笑いを観ること。