大人気童話作家・あんびるやすこの「秘密」「欲しいものは自分でつくると決めた」幼少期

「たのしい幼稚園」で連載 「あこがれのおしごとレポート」特別編

ライター:山口 真央

書斎で挿絵を描く、あんびるやすこさん。
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あんびるやすこさんは、女の子が大好きな物語を、30年以上描いている童話作家。「なんでも魔女商会」、「ルルとララ」、「ムーンヒルズ魔法宝石店」、「魔法の庭」などなど、かわいらしい世界観で女の子が成長するお話を書き続けています。

そんなあんびる先生に、挿絵を描くためにつかっている道具や、物語をつくるときに考えていること、童話作家になるための秘訣など、10の質問を聞いてみました。

素敵な仕事場や、愛猫の写真は必見! また2025年3月に刊行する「ムーンヒルズ魔法宝石店」シリーズ待望の新刊『ムーンヒルズ魔法宝石店7 しっぱい魔女と2つのアミュレット』の見どころも、教えちゃいます。
あんびるやすこ プロフィール
群馬県生まれ。東海大学文学部日本文学科卒業。テレビアニメーションの美術設定を担当。その後、玩具の企画デザインの仕事に携わり、絵本・児童書の創作活動に入る。主な作品に、「ルルとララ」シリーズ、「なんでも魔女商会」シリーズ、「アンティークFUGA」シリーズ(以上、岩崎書店)、「魔法の庭ものがたり」シリーズ(ポプラ社)、『せかいいちおいしいレストラン』、「こじまのもり」シリーズ(ともにひさかたチャイルド)、『妖精の家具、おつくりします。』『妖精のぼうし、おゆずりします。』(ともにPHP研究所)などがある。
公式ホームページ「ちいさなしっぽ協会」

飽きずに読んでもらうため「表」をつかって物語を考えています

Q1.どのような順番でお話をつくっていますか?

あんびる:まずプロットと呼ばれる、物語の全体像をつくります。ページ数で区切られた表をあらかじめつくって、そこにエピソードを書いたポストイットを貼って、組み立てます。マスを埋めたら、全体のバランスを見てエピソードを増やしたり、入れ替えたりしています。
オリジナルのプロット表は、シリーズごとにつくられている。
大事なのは、1つの章が長くなりすぎないようにすること。子どもたちが最後まで読み切れるよう、テンポよくお話が進んでいくように心がけています。

文章ができたら、イラストを描きます。すべての見開きに挿絵を入れているのも、子どもたちに飽きずに読んでもらうための工夫です。

Q2.どんな道具を使って、イラストを描いていますか?

あんびる:最初に鉛筆と色鉛筆をつかって、挿絵の下書きをします。本のデザイナーさんに文字を並べてもらい、空いたスペースにどのような挿絵を入れるか考えます。
「ムーンヒルズ魔法宝石店」シリーズの挿絵。
イラストが決まったら、スケールペンとインク、水性クレヨンをつかって描いていきます。水性クレヨンを水で溶き、細い筆を使って色をつけるのが私のやり方です。
あんびるさんの使用する水性クレヨン。発色の良さが気に入っているという。
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