日本最年少メダリスト「スケートボード・開心那選手の成長法」とは

スケートボード銀メダリスト・開心那選手のマインドを、子どもの「好き」を伸ばすヒントに

ライター:小渕 早紀

開選手の種目は「パーク」。複雑な形のくぼ地状のコースで技を決め、点数を競います。
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2020年東京オリンピックで、世界中に興奮と感動を巻き起こしたスケートボード。

当時12歳11ヵ月だった開心那(ひらき・ここな)選手が銀メダルを獲得し、日本選手史上最年少メダリストとなりました。

開選手は、現在中学2年生。日々どんな気持ちでスケートボードに向き合っているのか、お話をうかがいました。

子育て中の親御さんが我が子の将来を考えたとき、「何か好きなことを見つけて輝いてほしい」と願う方は多いと思います。

開選手の姿勢が、子どもの「大好き」が花開くヒントとなるのではないでしょうか。

発見! 開選手の逸材たるゆえん

①スケートボードが好きな気持ちと、チャレンジを楽しむ力

できない技にチャレンジするには、「スケートボードが楽しくて大好き!」という気持ちはもちろん、「強い精神力」も必要。できないことにストイックに向き合い続ける姿勢が凄まじい。

②大きな目標の過程に小さなステップを自分で設定し、コツコツと努力

「この技ができるようになってから、次のことを練習する」と、自分の中で明確にステップ(段階)を作り、クリアしていく。着実に成長するために強い意志をもって取り組んでいる。

→→自分のスタイルを極め、 世界一を見据える開選手


人のやり方には左右されず、まっすぐ「心那スタイル」で突き進む。世界のトップスケーターになっても成長は止まらない!

活躍が止まらない! 2022年4月のX Gamesでも銀メダルを獲得

2022年4月に日本で初開催されたX Games(エックスゲームズ)は、世界最大のアクションスポーツの国際競技会。開選手はスケートボード・パーク女子で銀メダルを獲得しました。

ーーオリンピック、X Gamesを経験して、スケートボードに対する考えや姿勢に変化はありましたか?


開選手 「特に今までと変わることはありません。好きな技をかっこよく決めたい、という気持ちが大きいです。やっぱり、楽しみながら滑ることが何より大事なんだと再確認しました!」

スケートボードで自分の個性を表現

ーーオリンピックでスケートボードの競技を初めて知った人も多いと思いますが、魅力を教えてください。

開選手 「スケートボードの好きなところは、個性を表現できるところです! あとは、とにかく楽しいところ。

ジャンプ、空中動作、回転などの技はトリックといって、その数は無限にあるので、いろんなトリックにチャレンジし続けることができるのも魅力です。

自分の好きな技を練習して、それをかっこいいスタイルで決められるように練習します。

海外にはかっこよくて目標にしたい選手がたくさんいるので、よくSNSや動画をチェックしています。特にアメリカのCJ・コリンズ選手が好きです。」

ーーオリンピックを機に、スケートボードが習いごととしても注目されています。スケートボートをする人が増えたのではないでしょうか? また、どんな子がスケートボードに向いていると思いますか?

開選手 「はい、競技人口はとても多くなりました。特に小学校低学年の子など、小さい子が増えているなと感じます。

スケートボードに向いているのは、チャレンジ精神があって、あきらめない子かな。あと、怖がらない子もいいと思います。

新しい技に挑戦するときは勇気が必要です。スピードや高さが少し怖いと感じることもあるかもしれませんが、乗り続けることで怖さはなくなります!」
練習拠点は札幌のスケートボウルパーク。

高いモチベーションを保ち続けるには…?

ーー習いごとに途中で飽きたり、嫌になってしまう子もいますが、開選手のスケートボードが続いている理由はありますか?

開選手 「今まで、スケートボードが辛くて辞めたいと思ったことはありません。技が思うようにできなくて、イライラしてしまうこともあるのですが、やっぱり楽しいんですよね。

モチベーションを保つには、常に目標を持ち続けることが大事だと思います。

私はいつも、次に出場する大会で表彰台に乗ることが目標で、それに向けて毎日がんばることができています。

まわりのことはあまり気にならない性格なので、ほかの選手がどんなトリックができた、とかは気にせず、焦らずにやっています。」
スケートボードを始めた幼いころの開選手。

頑固な性格!? 技ができるまでストイックに練習し続ける

板の裏側のアートは、トリックでこすれて次第に薄くなっていきます。
開選手のサポートをしているWhydah Groupのマイルズさんが、彼女のすごいところについて話してくれました。

マイルズさん  「開選手は本当にストイックです。『まずこの技ができるようになってから次の技へ行く』というステップが、自分の中でしっかり決まっています。

この年齢でそれができるのはすごいことだと思います。まずひとつクリアするという強い意志を持っていて、確実にクリアしていく。できるようになるまで練習を続けるんです。」

ーーできないことにチャレンジすることは、難しくて辛いことも多いはず。どのように取り組んでいるのでしょうか?

開選手 「その技ができるようになるまで他には何もやらないぐらい、ずーっと練習します。なので、両親からは頑固な性格と言われることもあります(笑)

心がけているのは、できなくてもあきらめないで、何度も繰り返しコツコツ練習することです。」
得意技は、板の前側の車軸が付いているトラックという部分のみでコース上部のふちをゴリゴリとこすりながら滑る「ノーズグラインド」。

子育て真っ最中のママから質問 ここが知りたい!!

ーー習いごとは、ほかにも何かしていましたか?

開選手 「小学1年生のときに、スノーボードを習いました。足が板に固定されているので、スケートボードとはまったく違う感覚です。

スノーボードも楽しいけれど、やっぱりスケートボードのほうが好きで、がんばりたいと思ったのでスケートボードを選び、続けています。」

ーー勉強とスケートボードの両立はどうしていますか?

開選手 「空いている時間は勉強するようにしています。わからない問題があったら、そのままにせず、必ず先生に聞いて解決するようにしています。

海外での大会も多いので特に英語には力を入れていて、毎日英語を勉強するようにしています。」
自分で目標設定をして確実にクリアしていく、開選手の活躍にこれからも大注目です!!
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こぶち さき

小渕 早紀

Saki Kobuchi
ライター

東京都出身・川崎市在住。講談社の幼児誌「たのしい幼稚園」「おともだち」「いないいないばあっ!」の構成・ライティングを担当。キャラクター絵本・シールブック・知育ドリルなども手がける。現在小学生の娘2人の子育てに奮闘中。お笑い系の動画視聴が息抜き。

東京都出身・川崎市在住。講談社の幼児誌「たのしい幼稚園」「おともだち」「いないいないばあっ!」の構成・ライティングを担当。キャラクター絵本・シールブック・知育ドリルなども手がける。現在小学生の娘2人の子育てに奮闘中。お笑い系の動画視聴が息抜き。