中学受験生の親として実際に体験したリアルな情報や驚きの真実、お子さんの成績アップに直結する塾では教えてくれない&巷の受験本やサイトには書かれていないお役立ち情報・裏ワザが満載の、面白くてやる気が出る作品です。
コラボ企画としてアンケートで集めた、中学受験経験のある東大生35人のフレッシュな情報とともに、これから中学受験を考えている方、今まさに通塾や勉強法で悩んでる方、みなさんのヒントになるコラムをお届けします。
第7回:中学受験 ~勉強法ヒント・ケアレスミス編~
実力でできないのならともかく、問題文の読み違えや、転記ミス……本当にもったいない! さて現役東大生はどうだったのでしょうか?
臨床心理士の立場から言わせていただいてもケアレスミスというのは、人間の脳の情報処理のエラーなので、残念ながらゼロにはなりません。
「この2問のミスさえなければクラス落ちしなかったのに」「ケアレスミスさえなければ、16点も上がったのに」などと、悔しい思いをしたことは誰でもありますよね。
一方でこれはただのケアレスミスで、理解はできているから大丈夫と少し安心してはいませんか?
でも1点に何名もひしめく本番でこれをやってしまったら致命的です。
先程、ケアレスミスはゼロにはならないと書きました。でも減らすことはできます。
まず時間がない状況ですと、処理速度を上げようとするため、ケアレスミスが発生しやすくなります。車もスピードが上がると事故に繫がりやすくなるのと同じです。計算問題や漢字こそ、ゆっくり解くことがポイントになります。
最初のほうは難易度が低めな問題が多いので、答案用紙に名前を書く際に、ゆっくりていねいに書くことで、易しい問題にもスピード超過で入らず、安全運転で取りかかることができます。
我が子もケアレスミスが多かったので、毎朝算数の計算問題を解く際に、まずはていねいに名前を書かせて1回深呼吸してから、取り組ませていました。本番でいきなり気をつけるということはなかなか難しいので、毎日毎日習慣づけて行うことが大切です。
どんなに緊張していても、外に行くときに靴を履くように、毎日ルーティンとして無意識レベルで行えるようにすることです。名前を丁寧に書くことで、ケアレスミスを限りなくゼロに近付けるねらいがあるのです。
また、ケアレスミスには、人それぞれのクセがあります。「周りの長さをきかれていたのに、面積を答えてしまった」「自分の字が汚すぎて、0と6とを見間違えた」「計算用紙には3268と書いたのに、答案用紙に3628と書いてしまった」など、その人ごとに陥りやすいミスのパターンがあります。
我が子もケアレスミスが非常に多かったので、「たらればノート」を作りました。ケアレスミスをした問題をコピーしてノートを作り、こういうミスをして、何点失ったということを書きこんでいました。こうすることで自分のケアレスミスのパターンを知ることができ、ミスが大幅に減りました。
新たな知識を入れて、10点多く取れるようにするのはとても大変ですが、ケアレスによる10失点を防ぐことは意外と簡単です!
ケアレス対策~指差しぺったんこ~
普段、利き手(右手)にばかり働かせて、左手はだらーんと下がって、サボっていたら仕事を紹介してあげましょう(笑)。
小説『受験精が来た!』(第3話)で主人公・希望(のぞみ)も行っていますが、利き手(右手)と反対の手(左手)の人差し指で、ミスがないか確認をする「指差しぺったんこ」がおすすめです。受験の妖精・受験精が希望に教えるシーンをご紹介しましょう。
「おススメの方法がある。算数で面積を聞かれているのに、まわりの長さを答えたり、アイウの記号で答えるべきところをうっかり数字で答えたりするミスをうそみたいに減らす方法だ。題して『指差しぺったんこ』だ!」
指差しぺったんこ?
「受憲法第13条! 指差しぺったんこ! 鉛筆を持っていないほうの手こそ重要。問題文を読むときかならず鉛筆を持っていないほうの人差し指で、問題文の文字を差しながら読む!」
「鉛筆を持ってないほうの手? 試験中はほとんど紙を押さえるぐらいにしか使ってなかったけど……」
そういうと、精はオーマイガッ! と言って、肩をすくめた。
「鉛筆を持ってるほうの手で、問題に線を引きながら解くのもいいんだけど、ケアレスミスをする人は、線を引いた瞬間に思考が次の内容に移って、注意がそれちゃうんだよね。それなら鉛筆を持ってないほうの手で、問題の指示を指でぺったんこ、差しっぱなしにしながら解くほうが、より意識が残るんだ!」
たしかに。ほんとうだ!
「カンニングとカン違いされないようにしたほうがいいけど、より左手を意識するために、最初は左手の人差し指の爪に黒く点を打っておいてもいいよ!」
あらためて、テストを見直してみると、県庁所在地を記号で答えればいいのに、都市名で答えていたり、立体の残った部分を切り取ったほうで答えていたりしていた。
もったいない!
「指差しぺったんこ」で解いていれば、まちがわなくて済んだかもしれない。
みなさんもぜひ試してみてください!
①安全運転
②ミスのパターンを把握
③指差し確認 の3点で、ケアレスミスは限りなくゼロに近づきます!
今回も実際の現役東大生が体験した中学受験のデータ、私が親として見聞きした肌感覚の体験や臨床心理士としての知識などを元に、ケアレスミスの減らし方の注意点についてお伝えしてきましたが、いかがだったでしょうか?
指差しぺったんこなど、ケアレスミスの具体的な対処法については、小説「受験精が来た!」第3話に掲載されていますので、ぜひ読んでみてください。
小説『受験精が来た!』はこれまで全く受験に興味のなかった小6の女の子が、いきなり現れた毒舌のイケメン妖精・受験精の助けを借りながら第一志望校合格を目指すお話です。
小学生が読んでも笑って楽しめる内容ですが、ここに書いた超リアルな中学受験は、本当の情報が満載です。そしてちょっとした気づきでグッとケアレスミスが減る方法や各科目をできるだけ無駄を省いて楽しく効果的に勉強するヒントなどを『26条の受憲法』としてまとめてあります。
今回のコラムでいくつかご紹介しましたが、さらに多くのノウハウをくわしく紹介しています。
親子で夫婦でお子さん自身で、これから受験を考えている人も、いま受験でくたびれ気味だよって人も、受験をするか迷っている人も、ぜひ楽しんでいただけたらと思います。
次回は、いよいよ、みなさんの関心の高い勉強法ヒント・過去問編です!
東大生はいつから過去問に着手したのでしょうか? 合否の決め手になるとも言われている『過去問』の効果的な活用方法についてもお伝えしていきます。お役に立てる情報がたくさんありますのでお楽しみに♪
真田 涼
小説家、臨床心理士・公認心理師 公認心理師協会 理事 RinDa臨床心理士ルーム 代表 長男長女2児の親 HP:https://rindashinri.wixsite.com/mysite Instagram : https://instagram.com/rinda_shinri
小説家、臨床心理士・公認心理師 公認心理師協会 理事 RinDa臨床心理士ルーム 代表 長男長女2児の親 HP:https://rindashinri.wixsite.com/mysite Instagram : https://instagram.com/rinda_shinri