天才双子の小説教室 出張版 L+R☆ちゃんねる 【第9回】
テーマ:小説を最後まで書き上げられない! 「作家になりたい!」シリーズ(作・小林深雪:青い鳥文庫)より
2024.11.04
第9回 小説を最後まで書き上げられない!
小説や文章にかんするあらゆる質問、疑問、なやみに、天才双子の礼央&理央(と「作家になりたい!」ファミリー)が答えます!
礼央
礼央です。9月! 読書の秋! たくさん本を読むぞ!
理央
理央です。九月! 芸術の秋! たくさん絵を描くわ!
未央
未央です。9月! 食欲の秋! たくさん秋の味覚を食べるぞ!
礼央
……。わかりやすいオチだったね。
理央
おねえちゃん、そんなことより、原稿は進んでるの?
未央
それがさ〜、スランプなんだ! しくしく。
礼央
じつは、第1回から、毎回、必ず、みんなからきている「おなやみ」があるんだよ。
未央
へえ? なんなの?
理央
これよ!
【おなやみ☆その1】
どうやったら最後まで書けますか?
(東京都 中1 ノンさん)
【おなやみ☆その2】
プロの作家さんはこんなことないのでしょうか?
小説を書くのは大好きなんです。
どうしたら、最後まで書き続けられますか?
(東京都 小5 抹茶オレさん)
【おなやみ☆その3】
どうしたらいい?
(神奈川県 中2 ユッキーナさん)
礼央
ほかにもたくさんの人から、同じようななやみが、よせられているんだ!
理央
実際に書いてみると思ったように進まない。
書いてるうちにあきてくる。
書いてみるとその小説がつまんないように思えてきて、手が止まる。
そういうなやみが本当に多いんです。
未央
気持ち、わかるう〜。わかりみが〜、ふかい〜。
礼央
長い小説を書くには、気力、体力が必要だよね。
だから、いきなり長編を書くのではなく、まずは短編小説や
ショートショートを書いてみるといいんじゃないかな?
起承転結を意識して短く書いて、それをふくらませていく方法だってあるよ。
理央
そうね。まずは、短編小説から!
そして、「プロの作家さんはそんなことないの?」という、
抹茶オレさんからの質問があるので、今回は、真しろ先生を
お呼びしています!
真しろ
はい! 呼ばれて、飛び出て、じゃじゃじゃじゃ〜ん。
作家の柊真しろでえす!
未央
あいかわらず、テ、テンション高いですね……。
真しろ先生でも、最後まで書けないことってあるんですか?
真しろ
あったりまえよう。そんなのしょっちゅうよ!
礼央
それは、意外です。
真しろ
しめきりがあるから、なんとか書けるのよ! もう必死よ!
しめきりがなかったら、えんえん原稿をなおしちゃうわよ。
理央
じゃあ、自分でしめきりを決めるのも手ですね。
真しろ
でも、みんなは、ふだんは学校も部活あるし、宿題もあるから大変よね。
だから、無理のない範囲で、あまりハードルを上げずに、
1日に原稿用紙に半分だけ書く。とか決めたらどうかしら?
一日1行だっていいのよ。
少しずつでも、コツコツ着実に書いていけば、かならず原稿は終わるのよ!
未央
でも、なやんじゃって、1行も書けない日もあるんです〜。
真しろ
書いているうちに別のアイディアがわいてきて、最初の設計図から、どんどんストーリーが変わっていってしまうこともあるわよね。
そうなったら、オチも変わってきちゃう。
そんなときは、もう一度、プロットと起承転結を見直してみて!
未央
わかりました!
真しろ
あと、書けなくなる人は、理想が高すぎるんじゃないかしら?
未央
理想ですか?
そう。最初から、完成度を求めないことも大事よ。
そして、自分の原稿が、どんなにつまらなく思えても、
どんなに下手に思えても、とりあえず最後まで書いてみることって、
ものすご〜く大事なの。
未央
え? そうなんですか?
そうよ。そこまで、どんなすばらしい文章が書けても、完成していなければ、新人賞にも応募もできないわよね。
どんなにつたない文章でも、「最後まで書けた」「作品を完成させた」ことで、やっとスタートラインに立てるのよ。
そして、それを、一回クリアすると「終わらせられる力」を確実に身につけることができるわよ。
礼央
なるほど。そして、そこから、全体を改めて見直して、推敲していけばいいんですよね。
真しろ
そうそう。最初は下手でいいの。それがあたりまえよ!
未央
下手でいい。完成度は低くていい。なんだか気持ちが楽になりました!
礼央
真しろ先生、ありがとうございました!
真しろ
ふふふ。また、いつでも呼んでちょうだい!
理央
はい。そして、お知らせです!
10月中旬には、ついに『作家になりたい!⑥恋のなやみは詩集で解決!』が発売になります!
礼央
どうぞお楽しみに!
では、また来月、このコーナーでお会いしましょう!