天才双子の小説教室　出張版　Ｌ＋Ｒ☆ちゃんねる　【第８回】

テーマ：小説が「会話文」ばかりになってしまう　「作家になりたい！」シリーズ（作・小林深雪：青い鳥文庫）より

2024.11.04

第８回　小説が「会話文」ばかりになってしまう

小説や文章にかんするあらゆる質問、疑問、なやみに、天才双子の礼央＆理央（と「作家になりたい！」ファミリー）が答えます！

第９回をみる

礼央

礼央です！
みんな、夏休みは楽しんでるかな？

理央

理央です。
毎日暑いから、熱中症には注意してね！

未央

未央で〜す！
今年も青い鳥文庫小説賞の応募受け付けが始まったね！
10月31日（木）の消印有効よ。
みんな、それまで、いっしょにがんばろうね！

礼央

な、なんと、今回は、東京都の高校２年生の雪人さんからメールが届いています！

未央

ええ！　なんですと！　雪人さんから！　

理央

「未央ちゃんへ。ぼくは、本当にたまたま、この小説に出てくる男の子、池沢雪人くんと同じ名前だったんだ！　うれしい！　ぼくは、由里亜ちゃんや小桜さんよりも、がんばり屋で弟と妹に優しくて、努力家な未央ちゃんが好きだよ！」

東京都の高校生、雪人さんより。

未央

きゃあああ。ありがとうございます！
「好きだよ」って、こ、これは、もはやラブレターでは！
わ、わたしも雪人さんにお返しのラブレターを書かなくちゃ！

礼央

おねえちゃん、興奮しすぎです！

未央

ねえ、ねえ。これって、ほんとうは、雪人さんからなんでしょ？　ねえねえねえ。

理央

別の雪人さんからよ！　そう興奮しないで！　
メールをくれた雪人さん、ありがとうございます！

それに、『ラブレターの正しい書きかた』は、ちゃんと別の本で教えてあげるから、少し待っててよ。

未央

ん？　それ、どういうこと？

礼央

冬に「作家になりたい！」の番外編が……。

理央

礼央！　それ、まだいっちゃダメでしょ！

礼央

そうだった！　秋、冬の情報解禁は、もう少し待ってね。
では、今回もたくさんの「おなやみ」が届いてまーす！

【おなやみ☆その１】

小説が、ほぼ会話だけの状態になってしまうことが、よくあります。どうしたらいいんでしょうか。

（静岡県　中２　未来彩子さん）

理央

小説を書いたけど、会話だけになっちゃうというなやみが、
けっこう多いんです。

未央

わかる〜！　会話文は、話し言葉だから、むずかしく考えないで楽しくかけるもんね！

礼央

でも、たとえば、こんな会話の場合。

「ふふふ。あるある。」
「う〜ん、おいし〜い！」
「おねえちゃん、ダイエット中じゃなかったの？」
「ぎゃああああ。」
「な、なんで、そこにいるのよ！」

この会話だけだと、主人公たちの置かれている状況も、誰がどのセリフを話しているのかも、よくわからないよね？

理央

そこで、会話の前後や間に「地の文」を入れてみます。
「地の文」とは、小説の会話以外の文章のことよ。

　夏休みの深夜、おなかがすいた未央は、キッチンに入り冷蔵庫の扉を開けた。
「ふふふ。あるある。」
　そして、夕食の残りのローストチキンを取りだし、立ったままかぶりついた。
「う〜ん、おいし〜い！」　
「おねえちゃん、ダイエット中じゃなかったの？」
　背後から、弟の礼央の声がした。
「ぎゃあああ！」
　おどろいた未央の叫びが、静かな家中に響いた。
「な、なんで、そこにいるのよ！」

未央

なに、その例文！　やめてよ！

礼央

真夏のホラーだよ。「大食い妖怪、あらわる！」

理央

こんなふうに、季節や時間、場所、人物などを「地の文」で、書きたしてみるといいわよ！

では、会話文にかんする、おなやみをもうひとつ！