危機の現場に立つ

著:中満 泉  

発売日 2017/07/14
価格 定価:1,540円(本体1,400円)
ISBN-13 9784062206297
判型 四六
ページ数 260ページ

クローズアップ現代+に著者出演で話題!国連軍縮担当事務次長であり、二人の女の子の母親である中満泉さんは、世界中の紛争地で平和活動に奮闘しています。本書は、その生々しい交渉現場から、目の当たりにした不正義への憤りと国連で働く意義、グローバルに子育てと両立して働く方法まで、これから国際協力の現場を目指す人に有意義なメッセ―ジが詰まった1冊です!


NHKクローズアップ現代+に著者出演で話題の本! 死と隣り合わせの現場で不条理な現実と、どう闘ってきたのか。国連軍縮担当事務次長であり、二人の女の子の母親である中満泉さんの初の著書。その生々しい交渉現場から、不正義への憤りと国連で働く意義、子育てとの両立まで、国際協力の現場を目指す人に有意義なメッセ―ジが詰まった一冊!
<本文より抜粋>
・私の仕事に日常をお伝えすることによって、みなさんが将来どのような仕事をしたいのか考える一助になればと願っています。世界のなかの日本について考え、みなさん自身がどう世界と関わっていくのかを考えてもらえば、こんなにうれしいことはありません。

・国連の仕事では、人間の最も恐ろしく汚い罪深いところを見せつけられることもしばしばあります。世界の多くの場所で「平和」というものは苦労して作り出し大切に守らなくてはならないものであって、自然と存在するものではないのです。

・ボスニア内戦では、暴行やレイプが横行。 避難民をトラックで安全な場所に誘導していると、ボスニア軍兵士に銃口を向けられました。「避難民は戻りなさい」私は怒りで体が震えてました。

・国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の入社試験の話です。「君ね、難民にいきなり刃物で脅されたらどうするかね?」「は?」私は質問の意味がわかりませんでした。「仕事の上でなにか予期しない状況に出くわしたらどう対応するのか、を聞きたいんだ。」これに似た状況が、初めての任地トルコのアンカラで、数カ月後に現実のものになったのでした。

・私が思い描く将来の日本は、平和を守りつなげていくと同時に、平和を作り出す努力に参加する国。紛争や迫害を逃れる難民たちをもっと受け入れるオープンな社会です。
<書店員さんからのコメント>平和を勝ちとり維持するために、私たちももっと行動をおこせるんじゃないかと素直に感じました。子どもにも大人にもたくさんの方に読んでほしいです。(ジュンク堂書店藤沢店 鈴木さん)本書はぜひとも十代~の学生さんたちに手にとって頂きたいです。著者の現場に立つ姿勢が冷静に語られている本だからです。(宮脇書店本店 藤村さん)世界を知ることは日本を知ること。今世界で起きている出来事は、決して他人事ではありません。(三省堂書店 内田さん)

パート1 夢が現実に 1 初めての海外生活 2 大学院から国連へ 3 初任地トルコへ! 4 第一次湾岸戦争とクルド難民危機の勃発 5 緒方貞子国連難民高等弁務官との出会い 6 軍事基地への赴任 パート2 危機の現場に立つ 1 戦地サラエボに降り立つ 2 激戦地での人道支援活動 3 スレブレニツァ危機 4 ボスニア軍将軍との対決 5 分断された恐怖の街モスタル 6 戦火のなかに暮らす人々の勇気、戦争指導者たちの罪 7 国連保護軍事務総長特別代表事務所に出向 パート3 組織全体を見る仕事 1 再びジュネーブに、そしてニューヨークへ 2 ニューヨーク国連本部の改革チームに出向 パート4 家族と仕事 ―国連を離れてみて― 1 国連の名刺なしで仕事ができる?-国連から離れて民主化支援を仕事に 2 結婚と子育てースウェーデンで暮らした5年間 3 みんなが政治に参加するスウェーデン 4 17年ぶりの日本での生活 5 日本での出産と子育て 6 大学教授になる パート5 国連復帰 1 国連ポストに応募 2 国連平和維持活動(PKO) 3 国連PKO政策部長の仕事 4 アジア・中東部長になる 5 シリア内戦 6 ゴラン高原 7 アフガニスタン 8 UNDPへの異動 9 開発機関が危機対応? 10 世界人道サミットと「新しいアプローチ」 結びにかえて 未来を創るみなさんへ 1 国際協力の舞台で働くということ 2 過渡期にある世界と日本 3 守るべきもの、つなげていくもの、変えていくこと、そして創り出すもの

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角野 栄子
児童文学作家
1935年東京・深川生まれ。大学卒業後、出版社勤務を経て24歳からブラジルに2年滞在。その体験をもとに描いた『ルイジンニョ少年 ブラジルをたずねて』で、1970年作家デビュー。 代表作『魔女の宅急便』は舞台化、アニメーション・実写映画化された。産経児童出版文化賞、野間児童文芸賞、小学館文学賞等受賞多数。その他、「アッチ、コッチ、ソッチの小さなおばけ」シリーズ、『リンゴちゃん』『ズボン船長さんの話』。紫綬褒章、旭日小綬章を受章。2016年『トンネルの森 1945』で産経児童出版文化賞ニッポン放送賞、18年3月に児童文学の「小さなノーベル賞」といわれる国際アンデルセン賞作家賞を、日本人として3人目に受賞。 2023年には、江戸川区に「魔法の文学館」がオープンした。 写真提供:魔法の文学館 童話作家・角野栄子のオフィシャルサイト 魔法の文学館オフィシャルサイト
ナコ
イラストレーター
宮城県仙台市在住。イラストレーター。アパレル・キャラクターのデザイン会社にてグラフィックデザイナー・イラストレーターとして活躍後に、フリーに転身。現在は、書籍や雑誌、広告のイラストから企業キャラクターデザイン、エッセイ漫画執筆、雑貨やテキスタイルデザインも手がけている。ブログ、SNSでもエッセイ漫画を公開中。 【著書】「ナコさんちの頑張らない家事」(KADOKAWA) ▼webサイト▼ https://nfsn66.net/ ▼ブログ▼ https://ameblo.jp/nacomusud/ ▼instagram▼ naco.nfsn66 ▼Twitter▼ @nfsn66
佐野 洋子
絵本作家・エッセイスト
1938年6月28日中国・北京生まれ。武蔵野美術大学デザイン科卒業。 主な作品に『100万回生きたねこ』(講談社)、『おじさんのかさ』『おばけサーカス』(講談社・サンケイ児童出版文化賞推薦)、『すーちゃんとねこ』(こぐま社)、『わたしのぼうし』(ポプラ社・講談社出版文化賞絵本賞)、『だってだっての おばあさん』(フレーベル館)、『ねえ とうさん』(小学館・日本絵本賞/小学館児童出版文化賞)などの絵本や、童話『わたしが妹だったとき』(偕成社・新美南吉児童文学賞)、さらに『神も仏もありませぬ』(筑摩書房・小林秀雄賞)、『役にたたない日々』(朝日新聞出版)、『シズコさん』(新潮社)、『死ぬ気まんまん』(光文社)、『佐野洋子対談集 人生のきほん』(西原理恵子/リリー・フランキー 講談社) などのエッセイ、対談集も多数。 2003年紫綬褒章受章、2008年巌谷小波文芸賞受賞。2010年11月5日72歳で逝去。 ©︎ JIROCHO, Inc.               
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