“芸術の秋”に親子で読みたい「アートな絵本」3選! 子どもの感性にぐんぐん響く![絵本の専門家が選出]

子どもの本のプロが選ぶギフト絵本 #28~アートな絵本~ (2/4) 1ページ目に戻る

絵本コーディネーター:東條 知美

青色のグラデーションに圧倒される一冊

秋といえば、「食欲の秋」「読書の秋」、そして「芸術の秋」。

「子どもを芸術に触れさせたいけれど、さわぐから美術館はハードルが高い……」と思っていませんか? そんなときこそ、親子で「アートな絵本」がおすすめです。

すべての絵本は、絵と言葉で作られた「アート」ではありますが、なかでも、芸術の秋に特におすすめしたい3冊をご紹介します。

最初にご紹介するのは、『あおのじかん』(岩波書店)。作者はフランス生まれの絵本作家で、アーティスティックな美しい世界を紡ぎ出す名手、イザベル・シムレールです。

イラストレーターでもある彼女の洗練された絵に、絵本作家で詩人の石津ちひろさんが言葉を添えています。

『あおのじかん』(文・絵:イザベル・シムレール、訳:石津ちひろ/岩波書店)
すべての画像を見る(全5枚)

物語が描くのは、太陽が沈んで、暗闇に包まれるまでのひととき。これこそが“あおのじかん”です。

空の色が水色から濃紺へ刻一刻と深まり、あたりも青く染まっていきます。同時にさまざまな“青い生きもの”が夜を迎える準備をしています。

“あおのじかん”の始まりを告げるのは、美しいブルーの羽を持つ鳥・アオカケス。同じころ、青灰色のホッキョクギツネは雪の中をとことこと歩き、スイレンの池では鮮やかな青い体のコバルトヤドクガエルが秘密の会議を開いています。

モルフォチョウはメタリックブルーの羽を振るわせ、シロナガスクジラは青のベールに覆われた海で、ほわーっと大きく深呼吸──。

地球にはこんなにもたくさんの青色があり、ほんのわずかな時間に“青い生きもの”たちが無数のドラマを繰り広げている。そんな神秘の世界を美しい画で感じ取ることができます。

アートには、何を感じるかの気づきの楽しさもあります。親子で読むときは、「この動物は今、何をしているのかな?」「どんな話をしているのかな?」などとお子さんに問いかけて、対話しながらドラマを膨らませるのもいいですね。

見返しには32種類の青の色見本が並んだ、芸術性の高い構成も魅力。一枚の絵のようにずっと部屋に飾っておきたい、プレゼントにぴったりの一冊です。

*読み聞かせ 2さいくらいから
*ひとり読み 5さいくらいから

“一生モノ”になる特別な絵本とは?

29 件