クリスマスプレゼントにおすすめの“幼児向け絵本”3選[絵本の専門家が選出]

子どもの本のプロが選ぶギフト絵本 #6~幼児へのクリスマスプレゼント~ (3/4) 1ページ目に戻る

絵本コーディネーター:東條 知美

サンタクロースと小人の1年に密着!

次にご紹介するのは、『サンタクロースと小人たち』(偕成社)。昔も今も、子どもたちに夢を与えてくれるサンタクロース。わが家には50冊ほどサンタクロースを描いた絵本があるのですが、中でも私のお気に入りの1冊です。

『サンタクロースと小人たち』(作:マウリ゠クンナス、訳:いながきみはる/偕成社)
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大いなる謎“サンタクロースの日常”をドキュメンタリータッチに描き出すこの絵本。サンタさんはフィンランドの遠い北のはずれにある村に、妻と、何百人もの小人やトナカイと一緒に暮らしています。

小人たちは、世界中の子どもたちへプレゼントを用意するのが仕事。機械の熟練工や画家、布を織る人など、あらゆる職人がいるのだとか。お願いしたものを何でもそろえられるのは、そういうわけだったのですね!

小人たちがそれぞれの工場で仕事を分担し、働くようすも細やかに描かれています。夏休みだって、もちろん取ります。休むこと、遊ぶことは、とても大事なのです。ちなみに、小人の子どもたちは学校に通っています。お勉強も、やはりとても大事です。

さあ、いよいよクリスマスイブが近づいてきました。プレゼントを用意する小人たちは、最終チェックも怠りません。

「どの子にも、サンタクロースから プレゼントが とどきます。サンタは、けっして だれのことも わすれたりしません。」

大仕事を終えたサンタさん、小人たち、トナカイのようすも紹介されています。小人たちはみんな、サウナで長旅の疲れを取るのだとか。いかにもフィンランドらしい描写ですね。

サンタクロースの1年を、私生活も含めて、ここまで詳細に楽しく描いた絵本はほかにないと思います。お子さんが読めば、クリスマスを待つ楽しみが倍増するのではないでしょうか。

漢字もあり文字の量も多めですので、小さいお子さんには、最初は一緒に読んであげるのがおすすめです。お子さんが大きくなってからも、長く楽しんでいただける1冊ですよ。

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