
中高生が「小説以外に読む本」ランキング “リアルな生き方”を求める「韓国エッセイ」が人気
出版ジャーナリスト・飯田一史この本おススメ! 第14回 「中高生向け 理科・歴史・エッセイ・学習本」 (3/4) 1ページ目に戻る
2026.07.14
出版ジャーナリスト:飯田 一史
高校生編1位『聖域』
それでは高校生編をみていきましょう。
●高校生編●
1位 『聖域』…36票
2位 『スマホ脳』…20票
3位 『私は私のままで生きることにした』…16票
4位 『空想科学読本』シリーズ…14票
4位 『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』…14票
高校生編でも『聖域』『空想科学読本』シリーズは強いですね。しかし、2位にはスマホがいかに脳によくないのかを警告する2021年のベストセラー『スマホ脳』が入っているのが高校生らしい。きっと「こんなに使っていて大丈夫なのか?」という不安があるのでしょう。
3位の『私は私のままで生きることにした』は、他人と自分を比べ、人からどう見られるのかを気にするのはやめよう、と優しく綴った韓国のエッセイです。
(※ちなみに同4位の『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』は、ある年に1校のみから大量得票されたため、その学校で課題図書とされたのだと思われます)
男子編『1%の努力』『「のび太」という生きかた』
では次に、中高生の男女別に調べた場合の傾向の違いはあるのかをみていきましょう。中高生を合算した性別ごとの順位を出してみました。
●男子中高生編●
1位 『空想科学読本』シリーズ…174票
2位 『ざんねんないきもの事典』シリーズ…138票
3位 『聖域』…22票
4位 『スマホ脳』…20票
5位 『講談社 学習まんが 日本の歴史』シリーズ…19票
6位 『科学漫画サバイバル』シリーズ…18票
7位 『ミッケ!』シリーズ…14票
8位 『1%の努力』…13票
9位 『「のび太」という生きかた』…9票
『1%の努力』はYouTubeなどで人気のひろゆきさんが「生き方」について説いた本ですね。
中高生は進路についてや、「努力は意味があるのか?」など、いろいろと悩む年ごろですが、誰を身近に感じるか、あるいはどういう人の意見を知りたいかというときに、YouTuberやインフルエンサーが真っ先に挙がるのが、2020年代らしいという印象を受けました。
『「のび太」という生きかた』も、やはり生き方や人間関係の悩みについての本です。
『1%の努力』『「のび太」という生きかた』はいずれもちょっと邪道で、学校や親がよく言いそうなこととは少し異なる内容の本です。
中高生は大人の建て前っぽいことは聞き飽きているでしょうから、これらの本の違う言葉をきっと求めているのでしょう。あるいは「正攻法で突破するのは大変だから、ほかにうまくいく方法はないのか」と探している部分もあるかもしれません。
また、『私は私のままで生きることにした』と『「のび太」という生きかた』の共通点ですが、どちらも「自信がない私」「だめな自分」に寄り添って肯定してくれる生き方の本です。
こういった寛容な本のほうが好まれていて、「努力して目標を達成しよう!」「これをやらないと生き残れない!」というガツガツした内容だと、今の中高生にはあまり受け入れてもらえないように思います。
































