梶裕貴がXで歓喜! 『NO.6』続編がいよいよ発売 梶が父親になって共感したまさかの「登場人物」にあさのあつこが驚愕

作家・あさのあつこ×声優・梶裕貴 『NO.6[ナンバーシックス]再会#1』刊行記念スペシャル対談 前編

ライター:山口 真央

梶「14年経って、子を思う親の気持ちがわかるようになりました」

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:よろしければ『NO.6[ナンバーシックス]再会#1』の感想をお伝えしてもいいですか。思いが溢れてしまって……。

あさの:もちろんです!

:まず冒頭で紫苑と再会できて、僕のなかの紫苑の時計も動き出した感じがして、それだけでエモかったです。しかも「NO.6」の再建委員長として働いている姿を見ることができて、成長を感じて嬉しくなりました。

あまりネタバレにならないようにしたいですが、僕の好きな西ブロックに住むイヌカシにも変化があって。でも、変わらない部分ももちろんあって、紫苑との相変わらずのやりとりが見れて、ホッとしました。

あさの:ありがとうございます。私もイヌカシには思い入れがあります。

:あと、久しぶりに『NO.6』に触れて、これは親子の物語でもあるんだと気づかされました。『#1』には紫苑の母、火藍(からん)の紫苑に対する愛情が綴られています。いまでは僕にも子どもがいるので、火藍の言葉が深く刺さったと言いますか。

あさの:本当ですか! まさか、梶さんが火藍の気持ちを理解してくださるなんて。びっくりしましたが、とても喜ばしい気持ちです。子育てって、子どもをなんとしても守らなければいけない時期もあれば、手放して見守ることが大切な時期もあるんですよね。

私は梶さんの親世代なので、子どもたちはそれぞれの人生を歩いています。最終的に親がたどり着く感情を、火藍の言葉に託しました。

:その言葉に、僕は深く共感しました。うちの子は2歳半ぐらいで、まだ小学生に通う姿も想像できないんですけれど、きっといつか自分にもおとずれる感情なんだろうなと思ったら、あらためて親の愛って究極なんだなと思ってしまって。

僕が『NO.6』と出会ったころは、当たり前のように自分を紫苑に重ねて読んでいたのに、いつの間にか火藍にも共感できるようになっている。不思議な驚きと同時に、時代に残る作品の偉大さを感じています。

あさのあつこ
岡山県生まれ、在住。大学在学中より児童文学を書き始め、小学校講師ののち、1991年『ほたる館物語』で作家デビュー。97年『バッテリー』で第35回野間児童文芸賞、2005年『バッテリーⅠ~Ⅵ』で第54回小学館児童出版文化賞を受賞。『NO.6』シリーズは、コミカライズ、アニメ化された。児童文学から時代小説までさまざまなジャンルの作品を執筆し、幅広い世代に親しまれている。

梶裕貴
東京都生まれ。中学のころから声優を目指し、2004年より活動開始。2011年「NO.6」にて主演の紫苑役をつとめ、注目を集める。「進撃の巨人」エレン・イェーガー役、「七つの大罪」メリオダス役、「僕のヒーローアカデミア」轟焦凍役、「鬼滅の刃」錆兎役などの役でアニメ出演するほか、吹き替え、ラジオ、ナレーション、映像、舞台など幅広く活躍。2024年より、梶の声をもとにした音声合成ソフトのプロジェクト「そよぎフラクタル」を始動。自身で企画を立案するなど、精力的に活動する。

アニメ化、漫画化され150万部超えのベストセラー『NO.6』が、14年ぶりに『NO.6[ナンバーシックス]再会』シリーズとしてスタート!

二人は、再び、誰もが虐げられない世界をつくることができるのか──?
罠だらけの現実に二人は「希望」を見つけることができるのか──?

紫苑とネズミのかけがえのない「結びつき」と「戦い」を見届けてください!

●「NO.6」シリーズ読者からの感想
「たくさん本は読んできたけれど、これ以上面白い本に出合ったことがない」
「呼吸を楽にしてくれた本」
「死にたくなったらネズミの言葉を思い出します。逃げずに前へ進め! 現実を見ろ!
どんなに現実が辛くても光を見いだせる人になりたいと思います」
「泣きたくなった夜に読みます。おまえはどうありたいんだ? いつでも自分にできることを問いかけ、動きつづけたいと思います」

●あさのあつこさんからのメッセージ
声を聞きました。ネズミの声です。
「生きる場所も死ぬ場所も自分で決める。あんたじゃなくおれが決める。余計なお節介は止めてもらおうか」と。
そうか、彼らはすでに出逢い、運命を紡ぎ始めているのか。
だとしたら、わたしも、もう一度だけ、本当にもう一度だけ、彼らに手を伸ばそう。この手で彼らの生に触れてみよう。
『NO.6』の作者として戦ってみよう。あれほど恋い焦がれた少年たちに挑んでみよう。
今はただ、それだけを考えています。
14年の時を経て、あなたに再び『NO.6』を届けます。

人物撮影/日下部真紀
書籍撮影/安田光優

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やまぐち まお

山口 真央

編集者・ライター

幼児雑誌「げんき」「NHKのおかあさんといっしょ」「おともだち」「たのしい幼稚園」「テレビマガジン」の編集者兼ライター。2018年生まれの男子を育てる母。趣味はドラマとお笑いを観ること。

幼児雑誌「げんき」「NHKのおかあさんといっしょ」「おともだち」「たのしい幼稚園」「テレビマガジン」の編集者兼ライター。2018年生まれの男子を育てる母。趣味はドラマとお笑いを観ること。

あさの あつこ

Atsuko Asano
作家

岡山県生まれ、在住。大学在学中より児童文学を書き始め、小学校講師ののち、1991 年『ほたる館物語』で作家デビュー。97 年『バッテリー』で第35 回野間児童文芸賞、2005 年『バッテリーI~VI 』で第54回小学館児童出版文化賞を受賞。『NO.6』シリーズは、コミカライズ、アニメ化された。児童文学から時代小説まで様々なジャンルの作品を執筆し、幅広い世代に親しまれている。

岡山県生まれ、在住。大学在学中より児童文学を書き始め、小学校講師ののち、1991 年『ほたる館物語』で作家デビュー。97 年『バッテリー』で第35 回野間児童文芸賞、2005 年『バッテリーI~VI 』で第54回小学館児童出版文化賞を受賞。『NO.6』シリーズは、コミカライズ、アニメ化された。児童文学から時代小説まで様々なジャンルの作品を執筆し、幅広い世代に親しまれている。