発達障害かどうか気になります【発達障害・発達特性のある子のお悩みに専門家が答えます】
#1 発達障害かどうか気になります 〔言語聴覚士/社会福祉士:原哲也先生からの回答〕
2023.07.27
一般社団法人WAKUWAKU PROJECT JAPAN代表・言語聴覚士・社会福祉士:原 哲也
専門家に相談を
このご質問をされた保護者は、お子さんの行動がいわゆる発達障害の子どもの行動と似ていると感じておられ、発達障害なら相談や支援先を探そう、発達障害でなさそうなら様子をみよう、ということなのかなと想像します。
ただ、前述したように、発達障害の診断と支援の必要性は別の話です。
発達障害の支援の必要性は「生活のしにくさ」が基準です。そして支援の目標は「生活のしにくさ」を軽減する、そのために周囲が子どもを理解し対応を工夫することです。
子どもや保護者が生活のしにくさを感じており、保護者としてどう理解し、どう対応したらよいかわからないようでしたら、たとえ発達障害と診断されていなくても、できるだけ早く発達障害の専門家に相談されるのがいいと思います。
どこに相談するのか?
ADHD、ASD、LDなどの診断は、児童精神科医、発達障害の診療を標榜する小児科医、心療内科医が行います。医師に相談するのはためわれる場合は、保健センター(乳幼児健診をおこなう)の保健師、行政のおこなう発達相談やことばの相談、市区町村の担当課(児童福祉関係課、障害者福祉課)に問い合わせると適切な相談機関を案内してくれます。
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今回は、「発達障害かどうか気になります」というお悩みに、「診断がつくこと」と「支援が必要かどうか」は別であるというお話をうかがいました。保護者の方の育てにくさ、お子さんの生活のしにくさがある場合、専門家に相談することを考えてみてもよいのかもしれません。
第2回は、「2歳になっても、ことばが遅くて心配です」というお悩みを取り上げる予定です。
第2回 2歳ですが言葉が遅く心配【発達障害・発達特性のある子】の育児の悩みに専門家が回答
原哲也
一般社団法人WAKUWAKU PROJECT JAPAN代表理事・言語聴覚士・社会福祉士。
1966年生まれ、明治学院大学社会学部福祉学科卒業後、国立身体障害者リハビリテーションセンター学院・聴能言語専門職員養成課程修了。カナダ、東京、長野の障害児施設などで勤務。
2015年10月に、「発達障害のある子の家族を幸せにする」ことを志し、長野県諏訪市に、一般社団法人WAKUWAKU PROJECT JAPAN、児童発達支援事業所WAKUWAKUすたじおを設立。幼児期の療育、家族の相談に携わり、これまでに5000件以上の相談に対応。
著書に『発達障害の子の療育が全部わかる本』(講談社)、『発達障害のある子と家族が幸せになる方法~コミュニケーションが変わると子どもが育つ』(学苑社)などがある。
わが子が発達障害かもしれないと知ったとき、多くの方は「何をどうしたらいいのかわからない」と戸惑います。この本は、そうした保護者に向けて、18歳までの療育期を中心に、乳幼児期から生涯にわたって発達障害のある子に必要な情報を掲載しています。必要な支援を受けるためにも参考になる一冊です。
原 哲也
1966年生まれ、明治学院大学社会学部福祉学科卒業後、国立身体障害者リハビリテーションセンター学院・聴能言語専門職員養成課程修了。カナダ、東京、長野の障害児施設などで勤務。 2015年10月に、「発達障害のある子の家族を幸せにする」ことを志し、長野県諏訪市に、一般社団法人WAKUWAKU PROJECT JAPAN、児童発達支援事業所WAKUWAKUすたじおを設立。幼児期の療育、家族の相談に携わり、これまでに5000件以上の相談に対応。 著書に『発達障害の子の療育が全部わかる本』(講談社)、『発達障害のある子と家族が幸せになる方法~コミュニケーションが変わると子どもが育つ』(学苑社)などがある。 ●児童発達支援事業「WAKUWAKUすたじお」
1966年生まれ、明治学院大学社会学部福祉学科卒業後、国立身体障害者リハビリテーションセンター学院・聴能言語専門職員養成課程修了。カナダ、東京、長野の障害児施設などで勤務。 2015年10月に、「発達障害のある子の家族を幸せにする」ことを志し、長野県諏訪市に、一般社団法人WAKUWAKU PROJECT JAPAN、児童発達支援事業所WAKUWAKUすたじおを設立。幼児期の療育、家族の相談に携わり、これまでに5000件以上の相談に対応。 著書に『発達障害の子の療育が全部わかる本』(講談社)、『発達障害のある子と家族が幸せになる方法~コミュニケーションが変わると子どもが育つ』(学苑社)などがある。 ●児童発達支援事業「WAKUWAKUすたじお」