
0・1歳児「赤ちゃんの鼻水・鼻づまり」5段階の受診の目安と7つのケア方法 小児科医が解説
「0・1歳児の赤ちゃんのホームケア」#5「鼻水・鼻づまり」
2025.04.17
小児科専門医・アレルギー専門医:岡本 光宏
7つのケアと注意点
赤ちゃんに鼻水・鼻づまりの症状があるときに、家庭でできるケアの方法を紹介します。
【1】鼻水をふき取る
出ている鼻水をぬるま湯で濡らしてから絞ったガーゼやティッシュなどでやさしくふきます。ふいたあとは、ワセリンを塗って肌を保護しましょう
【2】鼻吸い器でこまめに鼻水を吸う
0~1歳の赤ちゃんは鼻をかめないので、1日4回を目安に吸引をして鼻の中にたまった鼻水を取ります。うまくできないときは、小児科を受診するといいでしょう
<鼻吸い器の使い方>
2人で行う場合は、1人が赤ちゃんの頭と体を固定して、もう1人が吸引します。1人のときは、両足の間で赤ちゃんを仰向けに寝かせましょう。鼻吸い器のノズルは顔に対して垂直に当てるのがポイントです。手動の場合、強く吸いすぎないよう注意しましょう。
鼻水を取るタイミングは、起床時、授乳・離乳食前、お風呂上がり、就寝前、せきで起きてしまったとき、登園前などがよいでしょう

【3】上体を起こして寝かせる
鼻水が喉の奥に行くのを避けるために、丸めたタオルやクッションなどを背中の下に置き、上体を起こして寝かせます。ゆっくり休めるように、静かで快適な環境を整えましょう。ただし、長時間眠り続けている場合は、たまに起こして水分を与えます
【4】水分補給をする
離乳食前は母乳・ミルクでOK。離乳食以降なら、経口補水液や乳児用のイオン飲料などを少しずつ飲ませます。ただし、子どもが嫌がるときは無理に飲ませないようにしましょう
【5】短時間の入浴(※ただし、症状が軽く、機嫌がいいとき)
汗を流すために短時間入浴をして、体を清潔にします。湯気で鼻の通りもよくなります
【6】消化にいいものを食べさせる(※ただし、症状が軽く、食欲があるとき)
消化がよく、のど越しのいいものを食べさせます。食欲がなければ無理に食べさせる必要はありませんが、水分はこまめに与えましょう
【7】室内環境を改善する
室内のほこりや乾燥も鼻水・鼻づまりを引き起こしやすくなります。掃除機をかけたり、換気をしたりして部屋を清潔にすることが肝心です。また、部屋の湿度が50~60%になるように加湿器などを使って調整しましょう

注意したいポイント
「赤ちゃんはよく鼻水を出すので、自宅に電動の鼻吸い器があると便利です。ただ、鼻吸いを頻繁にやりすぎると鼻の粘膜を傷つけてしまう可能性があるので、1日の使用回数には注意するようにしましょう」(岡本先生)
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赤ちゃんの鼻がつまって苦しそうにしているとママパパも心配になってしまいますが、ケアや受診の目安がわかっていると、不安に押しつぶされずにすみそうです。ただし、「様子見でOK」に当てはまる場合でも、「なんとなくいつもと様子が違う」のようにママパパから見て気がかりなこともあるかもしれません。少しでも気になることがあれば、早めに小児科を受診することをおすすめします。
赤ちゃんのホームケア次回6回目は、「嘔吐」についてお届けします。
取材・文/畑菜穂子

畑 菜穂子
1979年生まれ。編集プロダクション勤務を経てフリーに。主にWEBメディアで活動中。子育て、性教育、グルメ、企業の採用案件などの取材・執筆を行う。多摩地域で、小学生の娘(2012年生まれ)、夫と暮らす。 Twitter @haricona
1979年生まれ。編集プロダクション勤務を経てフリーに。主にWEBメディアで活動中。子育て、性教育、グルメ、企業の採用案件などの取材・執筆を行う。多摩地域で、小学生の娘(2012年生まれ)、夫と暮らす。 Twitter @haricona
岡本 光宏
おかもと小児科・アレルギー科院長。日本小児科学会小児科専門医、認定小児科指導医、日本アレルギー学会アレルギー専門医、臨床研修指導医、日本周産期・新生児医学会新生児蘇生法インストラクター、アメリカ心臓協会小児二次救命処置法インストラクター。 2009年奈良県立医科大学部卒業。同年神戸大学大学院医学研究科小児科学分野に入局。姫路赤十字病院、明石医療センターを経て、2019年より兵庫県立丹波医療センター 小児科医長。 2023年7月、兵庫県三田市で「おかもと小児科・アレルギー科」を開院。新生児から思春期の心の疾患まで幅広く診察している。3児の父として、子育てにも積極的に関わる。 著書に『研修医24人が選ぶ小児科ベストクエスチョン』(中外医学社)、『小児科ファーストタッチ』(じほう)など。 サイト「笑顔が好き」 https://pediatrics.bz/
おかもと小児科・アレルギー科院長。日本小児科学会小児科専門医、認定小児科指導医、日本アレルギー学会アレルギー専門医、臨床研修指導医、日本周産期・新生児医学会新生児蘇生法インストラクター、アメリカ心臓協会小児二次救命処置法インストラクター。 2009年奈良県立医科大学部卒業。同年神戸大学大学院医学研究科小児科学分野に入局。姫路赤十字病院、明石医療センターを経て、2019年より兵庫県立丹波医療センター 小児科医長。 2023年7月、兵庫県三田市で「おかもと小児科・アレルギー科」を開院。新生児から思春期の心の疾患まで幅広く診察している。3児の父として、子育てにも積極的に関わる。 著書に『研修医24人が選ぶ小児科ベストクエスチョン』(中外医学社)、『小児科ファーストタッチ』(じほう)など。 サイト「笑顔が好き」 https://pediatrics.bz/