「不登校の出席扱いや成績は?」 「フリースクール」の費用と知っておきたい法律・制度[教育ジャーナリストが解説]

特別公開『フリースクールという選択』おおたとしまさ著 2/4(全4回) (2/3) 1ページ目に戻る

教育ジャーナリスト:おおたとしまさ

半数近くは児童生徒数が10人以下

現在全国に500以上のフリースクールがあると推測されていますが、その実態はほとんど謎です。

公的な制度に基づいた機関ではありませんからしかたありません。特定非営利活動法人フリースクール全国ネットワークがまとめた『フリースクール白書2022』(学びリンク)には、フリースクールに関する貴重なデータが満載です。

それによれば、半数近くのフリースクールが児童生徒数10人以下です。逆に51人以上はたった2.1%しかありません。一般的な学校における1クラスにもならないような人数のフリースクールがほとんどなのです。

また、約4分の3が年間1000万円以下で運営されています。家賃、光熱費、教材費はもちろん、ここからスタッフの給料も支払われています。

現在の日本の平均年収が約500万円であることを考えると、非常に厳しい財政状況であることがわかると思います。運営母体にはNPO法人や株式会社が目立ちますが、個人や任意団体が法人格を取得しているケースが多いのが実状です。

一方で、約7割が月会費を3万円以下に設定しています。財政状況は厳しいけれど、ただでさえ不登校の状況に困っている家庭から多額をもらうわけにもいかないというジレンマのなかでぎりぎりに設定されている金額であることが想像できます。

ただしここ数年、各自治体においてフリースクール利用料を助成する制度をつくる動きが盛んです。

たとえば東京都では月額2万円まで、滋賀県草津市では月額4万円まで助成されます。お住まいの都道府県、市町村に同様の制度がないか、調べてみましょう。

出席認定や成績評価の代行業者には要注意

さらに、フリースクールを検討するうえで知っておいたほうがいい法律や制度を、最低限だけ押さえておきましょう。

まずは出席認定。現状の法律では、義務教育段階の子どもは一条校に籍を置かなければなりません。

フリースクールに通うときは、たとえば居住地域にある公立小中学校または受験して入った私立小中学校に籍を置きながら、そこを欠席している状態になります。

しかし、定期的に学校と学習状況を共有し相談を受けるなど、いくつかの条件を満たしていると在籍校の校長が認めれば、子ども個人の書類上は出席扱いにしてもらえます。オンライン教材を使った学習でも一定の条件を満たせば出席と認められます。

次に成績評価。フリースクールでの学習履歴をもとに、学校の通知表に評価をつけてもらうことです。

ただしフリースクールでの学びは在籍校のカリキュラムとは考え方からして大きく違いますから、評価のしようがないのが実状です。出席扱いにはなっても成績まではつけられないケースが多いようです。

出席認定や成績評価をもらう交渉を代行してくれるかのような業者には注意してください。

特別なノウハウなんてありませんから、お金を支払うほどのことではありません。ましてや出席認定や成績評価は、見方を変えればフリースクールを在籍校の下請けのようにみなす制度です。

出席日数が少なくても、成績がついていなくても、小中学校を卒業することはできます。高校受験の内申書には影響する可能性がありますが、上位進学校を目指すというのでなければ、不登校経験者でも進路は見つかります。

むしろ、出席や成績という“形式”にこだわる社会の空気こそが子どもたちを苦しめているのではないでしょうか。

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