
【不登校】フリースクール探し「すぐ学校に戻れる!」の強い宣伝文句は要注意![教育ジャーナリストが解説]
「フリースクール」のいま~#1基礎知識編~教育ジャーナリストおおたとしまさ氏 (3/3) 1ページ目に戻る
2026.05.09
教育ジャーナリスト:おおたとしまさ
──「こんなフリースクールには気をつけたほうがいい」「こういうフリースクールは信用できる」というポイントはありますか。
まず気をつけたほうがいいのは、わかりやすい成果を強調するところですね。「○ヵ月で学校に戻れる」とか「○週間で勉強の遅れを取り戻せる」とか。
ところが、我が子が不登校になって一種のパニック状態にある親は、つい強い言葉に惹かれてしまう。多くの場合、傷ついている子どもをさらに痛めつけることにしかなりません。
義務教育段階の子どもはフリースクールに通うにしても、居住地の「一条校」(※学校教育法第一条に規定する一般的な学校)に籍をおく必要があります。
「ウチが『出席認定』や『成績評価』をもらう代行をします」と言ってくる業者にも注意してください。特別なノウハウなんてないのに、わざわざお金をはらう必要なんてありません。
信用できるフリースクールは、ヘンな言い方ですが、はっきりした答えが返ってこないところでしょうか。「どうしてなんでしょう」「どうしたらいいんでしょう」と聞いても、「うーん」と考え込んでしまう。子育てにせよ子どもの気持ちにせよ、バシッと言い切れる答えなんて簡単には見つかりません。悩んでくれるのは誠実である証です。
そのうえで、設立者が「達観」した人生哲学を持っていて、「なんとかなりますから、一緒に悩みましょう」という姿勢で不安な親の気持ちに寄り添ってくれたら、なお理想的ですね。ただ、個人商店的なフリースクールの中には、基本的なノウハウや知識が不足していて、理念が空回りしているところもなくはありません。そこも含めて“相性”ではあるんですけど。
フリースクールが果たす大きな役割
──「フリースクールのいいところ」「フリースクールならではの魅力」というのは、どういう点でしょうか。
学校に行けなくなった子どもは、自分自身に無力感を覚えています。大人や社会に対する不信感も抱いているでしょう。競争したり比較されたりすることにも、とことん疲れている。
フリースクールで「ありのままの自分」を受け止めてもらうことによって、自信を回復したり、次への一歩を踏み出すエネルギーを蓄えたりすることができます。
フリースクールに携わっている人は、かつて自分も不登校の当事者だったり、困難を乗り越えた経験があったりする人が少なくありません。子どもが「自分をジャッジしない」という今まで見たことがないタイプの大人と出会うことは、大人や社会への信頼を取り戻すきっかけにもなります。
たくさんのフリースクールを取材して感じたのは、そこにいる子どもたちが「人としてやさしい」ということ。もしかしたら、思い悩んでいる雰囲気の子どもが多いというステレオタイプなイメージを抱いている人もいるかもしれない。ぜんぜんそんなことはありません。よく笑うし、友だち同士でふざけ合ったり自然に助け合ったりしてるんですよね。
苦しんでいる子どもたちにとって、そして親にとって、「フリースクールにしか果たせない役割」は、間違いなくあります。まずは、知ることから始めてみてください。
──インタビュー後編では、親としてフリースクールとどう付き合うか、子どものために、そして親自身のために、フリースクールをどう活用するかをお聞きしました。
取材・文/石原壮一郎
全2回の1回目
2回目を読む※2026年5月10日公開より公開
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『フリースクールという選択』(講談社+α新書)刊行。
お子さんの「学び」「居場所」の新しい選択肢。多様化するフリースクールの理想と現実をルポしました。


石原 壮一郎
コラムニスト。1963年三重県生まれ。月刊誌の編集者を経て、1993年に『大人養成講座』でデビュー。以来、数多くの著作や各種メディアでの発信を通して、大人としてのコミュニケーションのあり方や、その重要性と素晴らしさと実践的な知恵を日本に根付かせている。女児(2019年生まれ)の現役ジイジ。 おもな著書に『大人力検定』『大人の超ネットマナー講座』『昭和だョ!全員集合』『大人の言葉の選び方』『失礼な一言』など。故郷の名物を応援する「伊勢うどん大使」「松阪市ブランド大使」も務める。 萩本欽一がマヌケの素晴らしさを伝える『マヌケのすすめ』(ダイヤモンド社)、林家木久扇がバカの素晴らしさを伝える『バカのすすめ』(ダイヤモンド社)、毒蝮三太夫が高齢者にまつわる悩みに答える『70歳からの人生相談』(文藝春秋)では構成を担当。 2024年秋には、何かと厄介な周囲の「昭和人間」、そして「昭和人間」である自分自身との付き合い方を考察した『昭和人間のトリセツ』(日経プレミアシリーズ)が話題を呼んだ。 写真:いしはらなつか
コラムニスト。1963年三重県生まれ。月刊誌の編集者を経て、1993年に『大人養成講座』でデビュー。以来、数多くの著作や各種メディアでの発信を通して、大人としてのコミュニケーションのあり方や、その重要性と素晴らしさと実践的な知恵を日本に根付かせている。女児(2019年生まれ)の現役ジイジ。 おもな著書に『大人力検定』『大人の超ネットマナー講座』『昭和だョ!全員集合』『大人の言葉の選び方』『失礼な一言』など。故郷の名物を応援する「伊勢うどん大使」「松阪市ブランド大使」も務める。 萩本欽一がマヌケの素晴らしさを伝える『マヌケのすすめ』(ダイヤモンド社)、林家木久扇がバカの素晴らしさを伝える『バカのすすめ』(ダイヤモンド社)、毒蝮三太夫が高齢者にまつわる悩みに答える『70歳からの人生相談』(文藝春秋)では構成を担当。 2024年秋には、何かと厄介な周囲の「昭和人間」、そして「昭和人間」である自分自身との付き合い方を考察した『昭和人間のトリセツ』(日経プレミアシリーズ)が話題を呼んだ。 写真:いしはらなつか


































おおたとしまさ
1973年、東京都出身。教育ジャーナリスト。麻布中学・高校卒業。東京外国語大学英米語学科中退。上智大学英語学科卒業。97年、リクルート入社。雑誌編集に携わり2005年に独立後、教育をテーマにさまざまな取材・執筆を続けている。中高の教員免許、小学校での教員経験、心理カウンセラーとしての活動経験もある。 主な著書に『勇者たちの中学受験』、『子育ての「選択」大全』、『不登校でも学べる』、『ルポ名門校―「進学校」との違いは何か?』、『なぜ中学受験するのか?』など80冊以上。
1973年、東京都出身。教育ジャーナリスト。麻布中学・高校卒業。東京外国語大学英米語学科中退。上智大学英語学科卒業。97年、リクルート入社。雑誌編集に携わり2005年に独立後、教育をテーマにさまざまな取材・執筆を続けている。中高の教員免許、小学校での教員経験、心理カウンセラーとしての活動経験もある。 主な著書に『勇者たちの中学受験』、『子育ての「選択」大全』、『不登校でも学べる』、『ルポ名門校―「進学校」との違いは何か?』、『なぜ中学受験するのか?』など80冊以上。