【中学受験】の「時事問題」いつ勉強? 6年生の直前対策と低学年のニュース習慣

中学受験専門塾ジーニアス・松本亘正先生に聞く 時事問題の学習方法 ~前編~ (3/3) 1ページ目に戻る

教育ジャーナリスト:佐野 倫子

教材は1冊に絞る 読みやすいものを買えばOK

――では具体的に、どの教材を使ってどのように勉強すればよいのでしょうか?

松本先生:教材選びに迷ったら、秋に刊行される市販の時事問題対策本から、本人が読みやすいものを一冊選んで読めばOKです。本によって大きな差があるわけではないので、中学受験学習参考書コーナーに並ぶ最新のものから読みやすいものを選びましょう。

複数の本を買い足して網羅しようとするより、選んだ一冊の解説を読み、巻末や冊子の後ろに付いている問題を時間があれば解く、くらいの方が効率的です。

対策本は「載っていなかった」と言われないよう、細かなニュースまで広く収録しがちです。聞いたことのない用語まで、すべて同じ熱量で覚えようとしなくて大丈夫。重要な話題と基本用語を押さえ、深掘りしすぎないことも、直前期の勉強では大切です。

すべての画像を見る(全5枚)

1〜5年生は毎日10分のニュース習慣を 学年別・家庭学習の土台作り

――6年生より前に時事問題に対して取り組んでおくといいことはありますか? 

松本先生:知識の詰め込みではなく、世の中のニュースに触れる習慣をつくることです。NHKの19時または21時のニュースを最初の10分だけ見ることを強く勧めます。

この時間は塾中であれば、22時ごろの『報道ステーション』の冒頭でもかまいません。短い時間でも、その日の大きな話題に継続して触れることができます。

ニュースを見ている子は、見ていない子に比べて「世の中の話題への感度」が違うと講師として感じています。ありていに言えば、成績の上位の子はやはり新聞やニュースを見ている子が多いです。

ニュースで聞いた言葉が授業や会話に出てきたとき、「あの話だ」と気づけることは、知識を覚えるときの助けにもなります。親子で感想を一言ずつ話すだけでも、記憶の助けになりますよね。

もちろん新聞もよりよい教材です。こども新聞もよいのですが、6年生なら一般紙の一面を読むのも選択肢になりますよ。反対に、ニュースサイトのトップ記事やSNSで流れてきた話題を眺めることは、世の中の主要なニュースに継続して触れることとは違う。

たまたま流れてきたものを目にして受け身で見るのと、ニュースや新聞を能動的に毎日見たり読んだりするのは大きく異なります。
まずは決まった番組や新聞を、毎日少しずつ観ることから始めましょう。

――親も一緒に観て会話をしたり、親子で質問をし合ったりすれば、ニュースを自分の頭で考えて、言葉で説明するきっかけになりそうですね。

松本先生:1〜2年生なら、短い映像や写真を観て「こんなことがあったんだ」と知るところから。3〜5年生なら、ニュースに出た場所を地図で探したり、授業で習った仕組みとつなげたりできます。学年に合わせて入口を変えれば、無理なく社会への関心を育てる習慣になります。

地震や戦争などに関して、報道で写真や映像に触れると、文字だけではつかみにくい被害の大きさが伝わってきますよね。例えば、私たちの世代では記憶に刻まれている、阪神・淡路大震災の高速道路が倒壊した写真は、今の小学生には目にする機会が少ないものです。

資料集の文章だけで終わらせず、当時の映像や写真を一緒に見ると、真剣に考えるきっかけになりますね。

───◆───◆───


時事問題は、学年によって取り組み方を変えられるということ。低学年から5年生までは10分のニュースで関心の土台をつくり、6年生は要点を絞って確認するのが有効というのがわかりました。

低学年のうちは、印象に残りやすい写真や映像から入る方法もあります。家庭で無理なく続けられる仕組みをつくることが、時事問題に対しての焦りを減らす第一歩になりそうですね。

後編では、ずばり、2027年入試で狙われるトピックを松本先生に解説していただきます。

取材・文/佐野倫子

後編を読む※2026年10月22日よりリンク有効

*****

「中学受験」が気になるけど、何から調べればいいの?

どの塾がうちの子に合うの? やっぱり大手がいいの?

算数は得意だけど、国語の記述問題が苦手。どうすればいい?

志望校選びは? 学校説明会は全部行ったほうがいいの?

子どもへの勉強の声かけの仕方がわからない!

6年生になったらやることばかり! 復習に手がまわらない!


「中学受験」伴走中の保護者の方の悩みはつきないもの。しかし、この1冊を読めば、全教科&学年別の伴走方法の仕方がわかります。

中学受験伴走力 親がすべきこと、知るべきこと

中学受験伴走力 親がすべきこと、知るべきこと

佐野 倫子(著)

発売日:2026/09/03

価格:定価:本体1200円(税別)

年々、過熱し続ける中学受験。本書『中学受験伴走力 親がすべきこと、知るべきこと』は、自身も中学受験伴走経験者である教育ジャーナリスト・佐野倫子が、令和の中学受験に本当に必要な「親の伴走力」について徹底取材。

中学受験のメリット・デメリット、志望校の選び方、大手塾のカリスマ講師が語る科目・学年別の学習の取り組み方、声のかけ方、親のお悩み解決方法、当日のタイムスケジュールや持ち物リスト、伴走を終えたリアルな体験談まで。伴走を後悔なく「完走」する方法をお届けします。

『中学受験伴走力 親がすべきこと、知るべきこと』の特色

①著者は「中学受験」も「中受伴走」も経験済み
自身も12歳のときに「中学受験」経験。また長男でしっかり「中学受験伴走」の「沼ハマり」も経験したママ教育ジャーナリストが執筆。各大手塾や、100以上の伴走済み家庭にリアル取材した結果、「伴走に本当に必要なもの」だけを誠実にお伝えします。

②「伴走」のキホンから教えます
情報が溢れる中学受験界。すべての家庭がいわゆる御三家や難関校を受験するわけではありません。我が家に合った「塾えらび」「志望校選び」「入塾後のサポート」を正しく知ることで、我が子に合った「中学受験」をすることができます。

③学年別・教科別に家庭学習の取り組み方がわかる
教科別に各大手・注目塾の専門講師の方々に学年別勉強法をリアル取材。「うちの子は算数が苦手」「社会のラストスパートはいつから?」など、教科・学年別に取り組み方を紹介。各家庭の得意・不得意に応じて、家庭学習の取り組み方がわかります。

④勉強だけじゃない! 親子のマインドセット術
「中学受験」は何年もかかって取り組む親子のチーム戦です。実際に勉強に取り組むのは子どもですが、なかには子どもの成績に親が切羽詰まり、チーム戦に綻びが出る家庭も……。そうならないためのマインドセット術や親に必要な「視点」を、大手カリスマ塾・人気家庭教師の講師の方々がお教えします。

⑤6年生のラストスパート! 直前期だけの特別な「伴走方法」を伝授
受験本番2ヵ月前。出願スケジュール、出願、子ども・親の持ち物、当日のタイムスケジュールなど、申し込みや準備しておくことは山ほどあります。そこで落ち着いて受験本番を迎えるために、著者から「直前期の伴走方法」をお伝えします。

中学受験伴走力 親がすべきこと、知るべきこと
〔目次〕 


はじめに

第1章    中受の「本当のメリット」と沼にはまりすぎない方法

中学受験には「親の伴走力」が不可欠 
お金の問題なしに中受は語れない 
少子化なのに受験率が上昇するカラクリ 
偏差値だけではない学校選び 
第一志望校に合格しなくてもメリットがある!?
深みにはまる!? 中学受験「沼」の実態 
「最後まで伸びる子」の親の特徴 
「沼」にはまりすぎないための方法 
  
第2章    伴走前に知っておきたい「キホンのキ」 
  
情報収集の基本は「塾選び」「伴走ハウツー」「学校選び」 
【塾選び】大手塾と中規模塾、どう違う?
【塾選び】首都圏大手4大塾の特徴と通塾の頻度 
【塾選び】今勢いのある首都圏中規模塾&人気の個別指導・算数塾 
【伴走ハウツー】低学年/ご家庭でやっておきたい5つのこと 
【伴走ハウツー】高学年/入塾後の親のサポート方法 
【学校選び】志望校を選ぶときの検討材料 
【学校選び】学校説明会で見るべきポイント4
  
第3章    カリスマ講師に聞く! 科目別勉強法 
  
【国語】小4からでも間に合う国語が得意になる方法
早稲田アカデミー 本多弘篤先生 
低学年/会話や読書で言葉の下地を作っておく 
4年生/「苦手はニセモノ?」4年生からでも得意に 
5年生/記述問題、選択問題のトレーニング法 
6年生/自分の持てる力を出すための時間配分を意識 
  
【算数】センスよりも1日10分を続ける努力が勝つ
フォトン算数クラブ 武井信達先生 
低学年/算数を得意にするためにご家庭でできること 
低学年・4年生/「1日1問ノート」で記憶力を伸ばす 
5年生/難しい問題よりも地道に解ける問題を増やす 
5年生/「割合」「旅人算」「場合の数」「立体」の攻略法 
6年生/復習と過去問の繰り返しで最後まで伸びる 
  
【理科】知らないことを恥ずかしがらない子どもに育てる
グノーブル 上原佑先生、永井裕康先生、細川晃伸先生 
低学年/「自然&体験」で器を広げておく 
4年生/間違えることへのハードルを下げる 
5年生/4分野、50単元の「バラバラ感」をイメージで克服する 
6年生/復習半分・初見問題半分の「二刀流」で 
6年生/第一志望の「枝葉」の前に「幹」を作る 
  
【社会】日々の暮らし、マンガ、動画を入り口にする
ジーニアス 松本亘正先生 
低学年/我が家のお米の銘柄が地理の学びに 
低学年/歴史の入り口は、マンガでも動画でもよい 
4~5年生/まず地理を学ぶことが歴史の手助けになる 
4~5年生/社会が苦手な子は1.5倍速で復習動画を観る 
6年生/基礎が定着していなくて焦ったときは? 
6年生/ラストスパートはいつからかける? 
6年生/過去問に取り組むのに最適な時期は? 
  
理科・社会の受験勉強をラクにしてくれる著者オススメマンガ 
理科が自然と好きになるオススメ3作 
社会が自然と理解できるオススメ3作 
  
第4章    合格する親子のマインドセット

【夏休み】つらいと言われる夏休み、親はどう乗り越える?
サピックス小学部 竹浪和伸先生 
4年生/初めての夏期講習、親はどうサポート?
4年生/1学期の復習・積み残しはどうする?
4年生/体験させることを重視して 
5年生/伸びる子に共通の特徴とは 
5年生/切羽詰まりすぎの親が続出。まずは落ち着いて 
5年生/ゲームとの付き合い方は?
6年生/勝負の夏に忘れてはいけないことは?
6年生/スケジュールは睡眠優先・翌朝に前日の復習を 
6年生/夏休み後は子どもが別人のように変わる!
6年生/直前に伸びる子の特徴とは?

【個別学習塾】「個別指導塾」に学習設計をサポートしてもらう
個別指導・進学塾TOMAS 扇谷洋平先生 
習い事と両立OKは「個別指導塾」ならではの強み 
御三家狙い層の「集団塾の先取り学習」 
「先取り学習」で目指す「焦らない受験」 
個別指導では「生徒と先生の相性」が大切 
中学受験は家族戦、親ができることは? 
親に必要なのは「見守る勇気」と「策士の視点」 
  
【家庭教師】1対1で相談できる家庭教師は親子の味方
オンライン家庭教師 小堀正博先生 
「伴走の伴走」をしてくれる家庭教師 
「ここが分からない」と伝えられる子は家庭教師向き 
家庭教師は意外にお金がかからない?
オンラインの魅力は、リラックスして自宅で受けられること 
大手塾との併用のポイントは「塾」優先 
保護者のサポートの極意とは?
親がなんでもやりすぎない! 
「中学受験に挑戦」自体が子どもの成功体験

【Q&A】保護者の“伴走あるある”
グノーブル 山下倫央先生 

第5章    残り2ヵ月! 直前期の伴走方法は?

「これだけはやってほしい」塾講師が望むこと 
中受伴走保護者が6年生後半時にやったこと 
出願スケジュールを組むときのポイント 
入試前の準備 受験当日の服装は? 
入試前の準備 子どもの持ち物チェックリスト 
入試前の準備 親の持ち物チェックリスト 
前泊は子どものタイプを見極めて判断 
受験当日に気を付けること 
受験当日のハプニング 
実録! 我が家の受験当日タイムスケジュール

第6章    中受伴走経験者たちのリアル体験談 
  
強気すぎた併願戦略 3回連続不合格の顚末
第一志望が初戦になった悲劇 
私立中高に6年間通うコストを考えて、都立を第一志望にしたけれど…… 
顔面蒼白!? 試験当日のやらかしエピソード 
不合格だったとき、頭に浮かんだことは?
それでも親子で「これから」に目を向けよう

おわりに

佐野倫子さん出演【中学受験の塾選び】

THINKpod by KODANSHA

佐野倫子さん出演【中学受験の誰にも聞けない体験談】

THINKpod by KODANSHA
この記事の画像をもっと見る(全5枚)

前へ

3/3

次へ

37 件
佐野 倫子
さの みちこ

佐野 倫子

Michiko Sano
教育ジャーナリスト

東京生まれ、早稲田大学卒。2025年4月から東京大学大学院情報学環教育部在学中。英国ロンドン大学ロイヤルホロウェイ留学。航空業界・出版社勤務を経て、作家・教育ジャーナリストに。 講談社mi-mollet、漫画雑誌Kiss(原作)、ダイヤモンド・オンライン、幻冬舎ゴールドオンライン、東京カレンダーWEB、月刊[エアステージ]などで小説・コラムを多数執筆。2人の男の子の母。 主な著書:『天現寺ウォーズ』、『中学受験ウォーズ 君と私が選んだ未来』(イカロス出版)、『知られざる空港のプロフェッショナル』(交通新聞社)。 Instagram @michikosano57 X @michikosano57

東京生まれ、早稲田大学卒。2025年4月から東京大学大学院情報学環教育部在学中。英国ロンドン大学ロイヤルホロウェイ留学。航空業界・出版社勤務を経て、作家・教育ジャーナリストに。 講談社mi-mollet、漫画雑誌Kiss(原作)、ダイヤモンド・オンライン、幻冬舎ゴールドオンライン、東京カレンダーWEB、月刊[エアステージ]などで小説・コラムを多数執筆。2人の男の子の母。 主な著書:『天現寺ウォーズ』、『中学受験ウォーズ 君と私が選んだ未来』(イカロス出版)、『知られざる空港のプロフェッショナル』(交通新聞社)。 Instagram @michikosano57 X @michikosano57