尊い!「初産の出産祝い」に贈りたい絵本 おすすめ3冊[子どもの本専門書店・店長]が選んだワケ

#1 子どもの本のプロが選ぶギフト絵本~初産の出産祝い~

ブックハウスカフェ店長:茅野 由紀

親子で肩の力を抜いて楽しめる赤ちゃん絵本

次にご紹介するのは、人気イラストレーターの100%オレンジ(及川賢治と竹内繭子のユニット)による赤ちゃん絵本『まるさんかくぞう』(文渓堂)。

『まるさんかくぞう』(作・及川賢治、竹内繭子/文渓堂)
すべての画像を見る(全5枚)

まる、さんかく、ぞう。シンプルな形と色、言葉の繰り返しで展開される、ユニークでおしゃれな絵本です。

脳科学の先生にお話を伺ったことがあるのですが、人間の脳、特に赤ちゃんの脳は人道的な視点からもなかなか研究が進まず、解明されていない部分が圧倒的に多いのだそうです。そのため、「赤ちゃんはどんな本を好むのか」「売れている赤ちゃん絵本にはどんな要因があるのか」など、正直よくわかっていないのだとか。

この絵本は2008年に発売されたベストセラー。私のお店では「赤ちゃん絵本」というコーナーに置いていますが、「赤ちゃんにおすすめの絵本」というよりも「赤ちゃんが好きな本」といったほうがしっくりくるほど、ジャンルを超えた不思議な魅力で多くの方の支持を集めている一冊です。

赤ちゃんはまだ視力が安定していないため、よく「はっきりとした形や色使いの絵本がいい」「抽象的な絵本は赤ちゃん向きではない」などと言われますが、赤ちゃんのうちからデザイン性に優れた本物に触れる。そうした素晴らしい体験をプレゼントするのも素敵だと思います。

赤ちゃんは文字が読めませんが、親御さんが読み聞かせるうち、少しずつものと言葉の対比を感じ取るようになるでしょうし、言葉を覚えるフックにもなると思います。繰り返される言葉の心地よいリズムに、大人もすーっと肩の力が抜けるようです。親子で過ごすお楽しみの時間のために贈ってはいかがでしょうか。

最後はママにも特別な1冊を!

28 件