
8児を育てる小児科医ゆび先生が “パパの産後うつ”に助言 「パパはこうすべきと考えると子育ては苦しくなる」
#2 ゆび先生インタビュー ~パパの産後うつ~
2025.07.30
小児科専門医・インフルエンサー:ゆび先生
普段から会話して意思疎通を大事にする
──とくに産前産後は父親も母親もメンタルが不安定になることが多いと思います。8児のパパの立場から、ママが不安定なときにどうすればよいか、アドバイスをお願いします。
いま妻は9人目を妊娠中ですが、やはり不安定なんです。お腹に赤ちゃんがいて大変だろうから、ある程度気をつけてはあげますが、あれもこれもと気張って構えているわけではありません。そうするとパパもまいっちゃいますからね。


妻の気分が沈んでいるときは仕方ないですから、「今は不安定だからダメだな。明日しゃべろう」と割り切るようにしています。感情には波があって、時間が経てば気分は上がってきます。
イライラをぶつけてきたら、黙ってがまんすることはしないです。それこそこっちのストレスにもなってしまうので。「イライラするのはわかるけどさ、そう言われたらこっちだってイライラするぜ」と伝えるようにしています。
──著書にはパパの育児参加に関するお悩みがママたちから寄せられています。パパに上手に育児に参加してもらうためにはどうしたらよいでしょうか。
夫婦でよく話し合うことだと思います。得意不得意、興味があることないこと、それぞれあると思うんです。無理がないよう、2人でよく話し合って理解しておいたほうがいいです。
そのためには普段から面と向かって話す習慣があるといいですね。うちの場合、常にしゃべっています。普段は東京出張が多いですから、自宅に戻っているときはできるだけ妻としゃべっていたいんです。だから塾の送り迎えも妻と一緒に行きますよ。車内のおしゃべりは子どもにジャマされることが少なくゆっくり話せる貴重な時間です。
妻は僕に引っ張り回されるので、「夕飯作る時間がない」とか言っていますけどね(笑)。でも作れないときはUberでも宅配ピザでもコンビニでもいいと思っています。
好きで結婚したママと過ごす時間のほうが大事。こうやって子育てしながらも、自分が大切だと思うこと、自分が楽しいと思うことを守ることで、育児も楽しくなるのではないでしょうか。
取材・文/大楽眞衣子
〈参照〉
産後、同時期にメンタルヘルスの不調で苦しんでいる夫婦は年間約3万組!?~母子だけでなく、父親も含め世帯単位での支援やアセスメントが必要~/国立成育医療研究センター
https://www.ncchd.go.jp/press/2020/pr_20200827.html?utm_source=chatgpt.com

連載は全3回 (※公開時よりリンク有効)

大楽 眞衣子
社会派子育てライター。全国紙記者を経てフリーに。3人の育児で培った生活者目線を活かし、現在は雑誌やWEBで子育てや女性の生き方に関わる社会派記事を執筆している。大学で児童学を専攻中で、保育士資格を取得。2歳差3兄弟の母。昆虫好き。イラストは三男による「ママ」 ●公式HP「my luck」
社会派子育てライター。全国紙記者を経てフリーに。3人の育児で培った生活者目線を活かし、現在は雑誌やWEBで子育てや女性の生き方に関わる社会派記事を執筆している。大学で児童学を専攻中で、保育士資格を取得。2歳差3兄弟の母。昆虫好き。イラストは三男による「ママ」 ●公式HP「my luck」
ゆび先生
田本 直弘(たもと・なおひろ) 。鳥取県米子市生まれ。2012年「医療法人田本会 米子こどもクリニック」開院。加えて内科や美容クリニック、訪問看護ステーション、保育園、介護事業、エステティックサロン運営にも携わり、全国を飛び回る。 8児のパパでもあり、子育て経験をいかしたYouTubeチャンネル「ゆび先生&ひかちゃんねる」は登録者数8.6万人、TikTokのフォロワーは17万人超え(2025年7月現在)。 長女(2008年生まれ)、長男(2011年生まれ)、次女(2013年生まれ)、三女(2017年生まれ)、四女(2019年生まれ)、次男(2021年生まれ)、三男(2022年生まれ)、四男(2024年生まれ)。 2025年6月には初の著書『誰かに教えてほしかった! ゆび先生のこんな時怒ったら子育てダメ? vs イイ? 』(今井出版)を上梓。リアルな子育ての悩みに、ユーモアと優しさで寄り添っている。 ●米子こどもクリニック
田本 直弘(たもと・なおひろ) 。鳥取県米子市生まれ。2012年「医療法人田本会 米子こどもクリニック」開院。加えて内科や美容クリニック、訪問看護ステーション、保育園、介護事業、エステティックサロン運営にも携わり、全国を飛び回る。 8児のパパでもあり、子育て経験をいかしたYouTubeチャンネル「ゆび先生&ひかちゃんねる」は登録者数8.6万人、TikTokのフォロワーは17万人超え(2025年7月現在)。 長女(2008年生まれ)、長男(2011年生まれ)、次女(2013年生まれ)、三女(2017年生まれ)、四女(2019年生まれ)、次男(2021年生まれ)、三男(2022年生まれ)、四男(2024年生まれ)。 2025年6月には初の著書『誰かに教えてほしかった! ゆび先生のこんな時怒ったら子育てダメ? vs イイ? 』(今井出版)を上梓。リアルな子育ての悩みに、ユーモアと優しさで寄り添っている。 ●米子こどもクリニック