「泣き虫パパ」の子育ての日々はやっぱり泣いてばかり!? コミックエッセイ「センチメンタルおとうたん」作者インタビュー
コミックエッセイ「センチメンタルおとうたん」 #1 作者・えちがわのりゆきさんインタビュー
2024.09.17
絵本作家・まんが家:えちがわ のりゆき
漫画家・絵本作家のえちがわのりゆきさんが、第1子である長女“にちちゃん”との日常を切り取ったエッセイ漫画「センチメンタルおとうたん」。
にちちゃんが生まれてから、小学校に上がるまでの日々をパパ目線で描いた、愛情たっぷりの一冊です。
イラストエッセイ誕生の背景や、「センチメンタル」の意味、またえちがわさんが特に思い入れのある一コマについてなどを伺いました。
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【えちがわ のりゆき】
まんが家・絵本作家。1980年、島根県在住。2008年より、絵と漫画の制作をはじめる。主な著書に、まんが『センチメンタルおとうたん』(講談社)、絵本『おやすみ ほわころちゃん』(ポプラ社)、『うんころもち れっしゃ』(リトルモア)など。
目次
「今の一瞬」を忘れたくないから
──まずは、『センチメンタルおとうたん』が誕生した背景を教えてください。
えちがわのりゆきさん(以下、えちがわさん):にちちゃんという赤ちゃんが生まれて、その仕草、表情が何から何まで本当にかわいくて仕方がなかったんです。
同時に、日々の急成長ぶりにも驚かされました。どんどん変わっていく。いや、どんどん変わってしまう、といったほうがいいかもしれません。
そんな喜びと切なさが混ざった感情を持ちながら、今のこの一瞬を「忘れたくない!!」と強く思い、ノートににちちゃんの絵を描き始めたのがきっかけでした。
えちがわさん:最初は、ラフスケッチのような簡単なものをノートにささっと描いていました。
それをときどきSNSにアップしたら、見てくれていた編集の方から「WEBで連載しませんか?」とお声をかけていただいて。それならば! ときちんと色をつけ、4コマ漫画にしました。
この本は、その連載を中心に、いくつかの書き下ろしを加えて出来上がりました。
僕が泣き虫ですぐ泣いちゃうから
──SNSの連載時からこのタイトルだったのですか?
えちがわさん:娘のにちちゃんが「おとうたん」という言葉を発したのは、11ヵ月のとき。そこから連載のタイトルも『センチメンタルおとうたん』になっています。
なぜ「センチメンタル」なんていうちょっぴり憂いた言葉をつけたかというと、僕が本当に泣き虫だから。すぐ泣いちゃうんです。にちちゃんの成長を振り返っては、「こんな幸せなときはもう戻っては来ないんだ」と今も涙してしまうぐらいです。
センチメンタルマックスは卒園のころ
えちがわさん:特に連載を終えた卒園のころは、センチメンタル感情がマックスでした。一日の終わりににちちゃんの寝顔を見て、成長の喜びや、一緒に過ごせている嬉しさを嚙み締める。それと同時に、こうした時期はいずれ去っていってしまう。
今のままでいてほしいけれど、そうもいかない。そんな切なさを感じながら、毎晩、涙がボロボロとこぼれてきちゃうんです。毎日がセンチメンタルで、自然とこのタイトルになりました。