子育てのイライラに効く「アンガーマネジメント」 3大ルールと6大テクニックを専門家が解説

子育てのイライラに役立つ「アンガーマネジメント」 #1 (4/4) 1ページ目に戻る

育児で怒りが生まれる原因

もう怒りたくないと思っていても、つい我が子を怒ってしまう……。そんな経験は、多くのママパパにあるはずです。そもそもなぜ怒りの感情が生まれてしまうのでしょうか。

「根本のところには、親御さんが子どもを大切に思う気持ちや、『こうなってほしい』という期待があるからだと思います。

子育てをしていると、『それをやるとケガしちゃうな』などと、先のことを思ってつい口を出してしまうこともあります。それは、親御さんのほうが長く生きていて、子どもの先を見通せるからこそ起こることなんです。

結局のところ、子どものことを思うからこそ怒ってしまうんですよね。だからこそ、“怒りっぽい自分”を否定せず、受け入れてあげてほしいと思います」(野村先生)

専門家がすすめる3つのセルフケア

根本的な心理的要因のほかにも、そのときの親御さん自身の心身の状態によって、イライラしやすくなることもあると野村先生は続けます。

「『寝不足でつらい』など、ネガティブな感情が溜まっているときもイライラしやすくなります。そのために、行ってほしいセルフケアが3つあります」(野村先生)

1.自分の感情を受け入れる
まずは、自分を責めず『つらいよね』と自分の感情を受け入れることです。自分の中に溜まった感情を言語化し、認めることで、心が少し軽くなります。

2.ネガティブな気持ちをこまめにデトックスする
5分あるならストレッチ、30分あるなら読書など、子育ての合間にできた短い時間で、気持ちをリフレッシュできる自分に合った方法をいくつか持っておくのがおすすめです。

3.『べき』にこだわらない
べき思考とは、『上の子はしっかりする“べき”』など、その人の欲求や願望、理想を総称する言葉です。『べき』は誰もが持っている価値観で、正解はありません。しかし、自分自身を苦しくしてしまうのであれば、『べき』の基準を少し緩めたり、手放してみてください。

感情のコントロールができたら、次に行うのが子どもに「親の気持ちを伝えること」。しかし、その伝え方を間違えてしまうと、さらに子どもは反発して、親はイライラが募ってしまうことがあります。

次回は、アンガーマネジメントを活かした具体的な𠮟り方や子どもに伝わる声かけのポイントについて解説します。

取材・文/阿部雅美

参考書籍:
『とっさの怒りに負けない!子育て』野村恵里(著)/すばる舎
『イライラを爆発させない!パパ・ママが楽になる子どもの𠮟り方:子育てにいかすアンガーマネジメント』野村恵里(著)/中央法規出版

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◆野村 恵里(のむら えり)
日本アンガーマネジメント協会アンガーマネジメントコンサルタント®。保育講座専門会社「感情保育学研修所」代表。
20年間、岡山市の公立保育園で保育士として勤務。子どもの心に寄り添う保育を実践してきた経験をもとに、2014年4月「カラフルコミュニケーションズ」を設立し、講師活動をスタート。2025年に「感情保育学研修所」を立ち上げ、「ココロ力を育む気持ちコミュニケーションで保育改革」を理念に掲げ、保育・教育・子育ての現場で役立つ“感情保育学”を全国各地で伝えている。

カラフルコミュニケーションズ:https://cxcs.jp/index.html

【子育てのイライラに役立つ「アンガーマネジメント」】の連載は、全2回。
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※11月28日よりリンク有効

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あべ まさみ

阿部 雅美

Masami Abe
ライター

タイ・バンコクの日本人向け情報誌・WEBメディア、東京の編集プロダクションを経て、フリーランスの編集・ライターに。そのなかで保育雑誌や書籍、企業誌、食メディアなど様々な媒体を経験。 現在は、育児・教育や占い、グルメなどさまざまなジャンルの記事を編集・執筆している。

タイ・バンコクの日本人向け情報誌・WEBメディア、東京の編集プロダクションを経て、フリーランスの編集・ライターに。そのなかで保育雑誌や書籍、企業誌、食メディアなど様々な媒体を経験。 現在は、育児・教育や占い、グルメなどさまざまなジャンルの記事を編集・執筆している。