子どもの「繊細な味覚」は何歳までに決まる? 今すぐ食生活改善スタート!

人気食育講師・とけいじ千絵先生「子どもの“繊細な味覚”の育て方」#1

フードアナリスト:とけいじ 千絵

味覚だけではなく、食品添加物などが及ぼす身体への悪影響も気をつけなければなりません。

たとえば、リン酸化合物という食品添加物。ハムやソーセージなどに含まれますが、これは、亜鉛などのミネラルを吸着し、排出してしまう作用を持ちます。亜鉛は成長ホルモンの分泌や、骨の成長に必要な栄養素ですから、成長期の子どもには必要不可欠です。

また、亜鉛は味蕾の新陳代謝に必要な栄養素でもあります。リン酸化合物が含まれる食品を食べていると、いくら亜鉛を摂っても、体内に蓄積されないことになり、子どもの発達に影響を及ぼすばかりか、味覚オンチになるのを助長してしまうのです。

食が豊かになったことは非常に良い点ですが、現代では、より意識的に食事を選ぶ必要があるといえます。

味覚を育てるためには「鈍らせない×経験させる」

子どもの味覚を育てるために、親が持っておきたい意識としては、「味覚を鈍らせないこと」と「さまざまな食体験をさせてあげること」の2つです。

たとえば、同じ食材でも、ただ「甘い」と感じる人と、「舌に絡みつくようなまったりとした甘さ」と感じる人では、舌の感度がまったく違いますよね。こうした繊細な味覚を保つためには、味覚を鈍らせないことが大切です。

そのためには、薄味を心がけて、食材本来の味を隠してしまうような、ケチャップやマヨネーズ、ソース、ドレッシングはなるべく控えてください。

「さまざまな食体験をさせてあげること」も、味覚の幅を広げる点では重要です。いろいろな食材や料理を食べさせてあげたり、「甘味」「塩味」「うま味」「酸味」「苦味」を意識した食事をつくるようにしましょう。さまざまな味を感じとるには、やはり経験をして、鍛えていくしかないからです。ぜひ、小さな頃からいろんな味を経験させてあげて、味覚の幅を広げていっていただきたいですね。

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幼少期の食事が、いかにその後の人生に影響を与えるかがわかると、身の引き締まる思いがしますね。第2回目以降では、実際にどのような食事を作ったら良いのか、そのポイントを紹介していきます。

取材・文:阿部雅美

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とけいじ ちえ

とけいじ 千絵

Chie Tokeiji
フードアナリスト

「審食美眼(=食に対する審美眼)を磨き、彩りある食生活を」をモットーに、『審食美眼塾』を主宰する食のスペシャリスト。企業のコンサル業務、セミナー講師、給食監修をはじめ、各種メディアで活躍中。離乳期・幼児期の子どもを持つ親向けの食育講座「子どもの味覚の育て方」は、予約が取れないほどの人気を博している。

「審食美眼(=食に対する審美眼)を磨き、彩りある食生活を」をモットーに、『審食美眼塾』を主宰する食のスペシャリスト。企業のコンサル業務、セミナー講師、給食監修をはじめ、各種メディアで活躍中。離乳期・幼児期の子どもを持つ親向けの食育講座「子どもの味覚の育て方」は、予約が取れないほどの人気を博している。