読書感想文を最後に残さない! 本好きになる「読書ゲーム」を家族でやってみたら…

作家・書評家 印南敦史さん「読書ゲームメソッド」#4 ~小学生レポート編~

作家・書評家:印南 敦史

図書館ゲームは夏休みの定期イベントにぴったり!

とある週末、小4・小2の兄弟と一緒に、ゲーム③「図書館イベント」をするべく、地域の図書館へ出かけることに。

これまで図書館に行くと、子どもたちが持ってきた本にアレコレ文句(もっと長いお話の本にしたら?とか、その本前も読んだことあるよね、とか)を言っていた私。

印南さんの「子どもの選書を否定しない」というアドバイスを胸に、「なんでもいいから好きな本を何冊か選んで、30分後にココに集合ね。家に帰ってから、何を選んだかじっくり教えてもらうからね!」と約束しました。

「本当に何借りてもいいの!?」と、困惑する兄弟。これまで自主性を持って本選びをさせていなかったと反省……。  写真:遠藤るりこ

しかし、3分後……。「本、決まったよ~、帰ろ~!」と、明るくこちらへ駆け寄ってくる兄弟。しかも「コレとコレとコレにしてみた!」とその場で選書を発表。

ゲームの主旨をまったく理解していない我が子たちにトホホ……。このゲーム、小学生なら制限時間は15分くらいがいいかもしれません。

そんなこんなで、家に帰ってから、改めて本を発表し合いました。

次男は、大好きな水泳の本と、夏らしいおばけや妖怪の本をセレクト。長男は、日本の偉人を調べていたときに知った夏目漱石の作品から、「一番読みやすそうだったから」と、『坊っちゃん』をチョイス。あとは、大好きな『キャベたまたんてい』シリーズを2冊。

ただ図書館に行くだけのことを特別なイベントとできるかどうかは、大人のプレゼン次第だと痛感。  写真:遠藤るりこ

あらためて「図書館っていろいろ本があって楽しいね~!」なんて当たり前な感想を今さら言いあう2人。その日の夕食後、さっそく借りた本を広げて読んでいました。

今までもよく通っていた図書館ですが、少し工夫を加えただけで子どもたちにはスペシャル感が増して楽しかった様子。自主的に本を読み始めたのには感動しました。

借りてきた本の返却タイミングでまた図書館へは行くので、夏休みは2週間に1度くらいの定期的な催しにしてもいいかもしれません。

飾っている本で家族の気分がわかるように

④「ギャラリー作り」は、お気に入り本を“面出し”してギャラリーのように飾るというメソッド。モノを飾って愛でるのが好きな我が家の男子たち、この面出しシステムはすぐに定着しました。

そもそも子どもたちが本を選ぶときって、表紙を見て“ジャケ買い”している。最近は、夏を目前に「おばけ」「妖怪」ブームのよう。  写真:遠藤るりこ

我が家の場合、それぞれの年齢で読める本が異なるので、面出し本を見ながらの親子間交流はまだないのですが、「長男は今こんなことに興味があるんだな」とか「この本を飾るなんて、授業で何か習ったのかしら?」などと、本を通して子どもの状況が見えてくるようになりました。

また、我が家の長男は《定位置で読書をし、読んだ本をその都度片付ける》タイプで、次男は《気が向いたら部屋中で読む》タイプ。そこら中に本が散らばっているのが悩みでした。

でも、本を「片付けるもの」から「飾るもの」という頭にシフトすることで、家の至るところが読書スペースになりました。

ソファー横のサイドテーブルや、トイレの棚、ちょっとした場所を数冊の本置きギャラリースペースにすることで、部屋の中に読書への入り口が散らばっている状態に。これは子どもたちが本を身近に感じる一歩につながったように感じます。

本当はトイレで読書は嫌なのですが、もしかしたらひとりで集中して読めるスペースなのかも。家のなかに「本を飾るように置く」ことを意識しています。  写真:遠藤るりこ
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