0歳児の食物アレルギー予防は「生後6ヵ月から少しずつ摂取」を専門医が推奨
アレルギー専門医・岡本光宏先生「子どもの食物アレルギー最新事情」#2〜0歳からの食物アレルギー〜
2022.07.02
兵庫県立丹波医療センター小児科医長・アレルギー専門医:岡本 光宏
なぜ離乳食初期から少量の食材を摂取させることで、アレルギー発症率の低下につながるのでしょうか。
「人の体内には、アレルギー反応を起こすIgE(アイジーイー)抗体と呼ばれる抗体があります。このIgE抗体が成熟し始めるのが生後6ヵ月ごろ。
つまり抗体が成熟しきっていないこの頃は食物アレルギーを起こしにくい時期でもあります。だから、離乳食の生後6ヵ月ごろから色々な食品を食べさせることは予防につながっていくのだと思います」(岡本先生)
4種のアレルギーが連続発症する「アレルギーマーチ」とは?
乳幼児期の食物アレルギー対策でもう一つ気をつけたいことがあります。それは皮膚トラブルへの対応です。
「じつはアトピー性皮膚炎など皮膚トラブルのある子は、食物アレルギーを発症しやすい傾向にあります。
子どものアレルギーには、①アトピー性皮膚炎、②食物アレルギー、③気管支喘息、④アレルギー性鼻炎の大きく4つがあり、①から④の順番に発症していくことが多いのです。この現象を『アレルギーマーチ』と呼びます。
『アレルギーマーチ』の行進を止めるためには、最初のアトピー性皮膚炎をしっかり治しておくことが大切なのです」(岡本先生)
生後6ヵ月ごろからさまざまな食材を少しずつ食べさせたり、アトピーの治療を行なったりすることが、子どもの食物アレルギーの予防につながるとわかりました。
第3回は、アレルギーのある食材との向き合い方を伺います。
岡本光宏(おかもと・みつひろ)
兵庫県立丹波医療センター 小児科医長。日本小児科学会小児科専門医、認定小児科指導医、日本アレルギー学会アレルギー専門医、臨床研修指導医、日本周産期・新生児医学会新生児蘇生法インストラクター、アメリカ心臓協会小児二次救命処置法インストラクター。
※アレルギー専門医岡本光宏医師「子どもの食物アレルギー最新事情」は全3回。第3回は2022年7月3日公開予定です(公開日までリンク無効)。
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畑 菜穂子
1979年生まれ。編集プロダクション勤務を経てフリーに。主にWEBメディアで活動中。子育て、性教育、グルメ、企業の採用案件などの取材・執筆を行う。多摩地域で、小学生の娘(2012年生まれ)、夫と暮らす。 Twitter @haricona
1979年生まれ。編集プロダクション勤務を経てフリーに。主にWEBメディアで活動中。子育て、性教育、グルメ、企業の採用案件などの取材・執筆を行う。多摩地域で、小学生の娘(2012年生まれ)、夫と暮らす。 Twitter @haricona
岡本 光宏
おかもと小児科・アレルギー科院長。日本小児科学会小児科専門医、認定小児科指導医、日本アレルギー学会アレルギー専門医、臨床研修指導医、日本周産期・新生児医学会新生児蘇生法インストラクター、アメリカ心臓協会小児二次救命処置法インストラクター。 2009年奈良県立医科大学部卒業。同年神戸大学大学院医学研究科小児科学分野に入局。姫路赤十字病院、明石医療センターを経て、2019年より兵庫県立丹波医療センター 小児科医長。 2023年7月、兵庫県三田市で「おかもと小児科・アレルギー科」を開院。新生児から思春期の心の疾患まで幅広く診察している。3児の父として、子育てにも積極的に関わる。 著書に『研修医24人が選ぶ小児科ベストクエスチョン』(中外医学社)、『小児科ファーストタッチ』(じほう)など。 サイト「笑顔が好き」 https://pediatrics.bz/
おかもと小児科・アレルギー科院長。日本小児科学会小児科専門医、認定小児科指導医、日本アレルギー学会アレルギー専門医、臨床研修指導医、日本周産期・新生児医学会新生児蘇生法インストラクター、アメリカ心臓協会小児二次救命処置法インストラクター。 2009年奈良県立医科大学部卒業。同年神戸大学大学院医学研究科小児科学分野に入局。姫路赤十字病院、明石医療センターを経て、2019年より兵庫県立丹波医療センター 小児科医長。 2023年7月、兵庫県三田市で「おかもと小児科・アレルギー科」を開院。新生児から思春期の心の疾患まで幅広く診察している。3児の父として、子育てにも積極的に関わる。 著書に『研修医24人が選ぶ小児科ベストクエスチョン』(中外医学社)、『小児科ファーストタッチ』(じほう)など。 サイト「笑顔が好き」 https://pediatrics.bz/