「整形したい」に賛成できない2つの理由
【一つめの理由】
一つは、外側――顔や身体がまだ成長段階であること。
私たちの容姿は、どんどん変わっていく。十代は丸顔だったけれど年齢を重ねて骨格が変わっていったとか、脂肪がなくなっていって二重になった、という話も聞く。
「〝今〟かわいくなりたい!」という気持ちもわかるけれど、整形は基本的に不可逆だ。一度切ったら、削ったら、縫ったら、完全にはもとにもどせない可能性もある。
社会の流行に影響を受けて整形してしまったあと、もしも「かわいい」の基準がちがうものになってしまったら?
【二つめの理由】
二つめが内側――精神的な成熟の問題。
「自分がこの顔になれば生きやすくなる」という感覚は、本当に自分のためなのか、そう「思わされているだけ」なのかを自分だけで判断するのは難しい。
整形依存症に年齢は関係ないし、大人でも社会の決めた美の基準に惑わされることはある。
私たちだっていまだに「これをかわいいと思うのは社会にそう思わされている? それとも自分基準だっけ?」とわからなくなることもある。
スポンジのような吸収力で自分の価値観を形成していく十代は特に、広告やSNSに〝思わされていないか〟考えたい。
だから、麗香のお母さんは聞いたのだ、「どうして?」と。
「整形したい」の向こう側にあるもの
「整形したい」という言葉の裏側には、いったいどんな気持ちが隠れているのか。そこに社会からの圧力や影響はあるのか。そういうものを、お母さんはいっしょに考えようとしている。
「整形したい」の向こう側には、広告の影響や「仲間はずれにされたくない」という友人関係の悩み、「胸が小さいと女性らしくない」というジェンダーの呪いなどが隠れていることもある。
それらをいっしょに紐解いた先に整形があるなら、それもいいと思う。その答えは一人で見つける必要はないんだ。
「きれいになりたい」という気持ちは悪いことじゃない。良くも悪くも情報過多な世の中で、自分の気持ちを大事にしながら、自分らしい決断への道を探してみよう。
「親子の対話」のヒントに
以上、前川裕奈さんとウィルソン麻菜さんによる解説を、書籍『つまり、それがルッキズム ~23の事例と解説~』より一部抜粋してお届けしました。
我が子から「整形したい」と切り出されたら、驚きや戸惑いから、つい「まだ早い!」「そのままのあなたが一番だよ」と一方的に返してしまいそうになりますよね。
でも、大切なのは賛否を決めることではなく、子どもがなぜそう思ったのか、その「向こう側」にある気持ちに耳を傾けること。
情報があふれる現代だからこそ、家庭が何でも話せる「安全地帯」であるために、まずは親子で「見た目のモヤモヤ」について対話してみませんか?

『つまり、それがルッキズム ~23の事例と解説~』
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
Amazonランキング1位!
売れ筋ランキング「本 フェミニズム」部門(2026-07-01調べ)
売れ筋ランキング「本 セクシュアルハラスメント」部門(2026-07-01調べ)
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
ーーそれすべて「ルッキズム」のせいだったんだ!
日常に潜むモヤモヤ、イマサラ聞けないルッキズムのギモンに答える入門書!
〇内容紹介
最近よく聞く「ルッキズム」ってなに?
自分のために綺麗になるのはいいことじゃないの?
見た目のことは見て見ぬふりするのが正解?
実際問題ルッキズムに実害はあるの?
職場ではどんな言動が「ハラスメント」になるの?
どうしたら、みんながより快適に過ごせる環境をつくれるの?
本書は、いまさら聞けない「ルッキズム」の基本から、最新の情報、お互いにできることまで、23のマンガを読みながら楽しく学べる作品です。各章にはモヤモヤをクリアにするコラムや、よくある質問FAQもついているので、なんとなく興味がある人にも、詳しく知りたい人にもぴったり!
〇こんな人にオススメ!
・自分につけられたあだなでモヤモヤしたことがある人
・「ルッキズム」について知りたい人、もっと学びたい人
・美に関する悩みがある人、モヤモヤしている人
・「推し活」はルッキズムじゃないの?と気になる人
・SNSに振り回されている子どもが心配な親
・教室でTikTok、自撮り……SNSに振り回されている子どもたちに警鐘を鳴らしたい学校関係者
・生徒の教室での居心地をよりよくしたい学校関係者
・「”かわいいね”もハラスメントになるの!?」と怯えたり、うんざりしている上司
・職場で無意識にハラスメントしていないか気になる上司 など……

ウィルソン 麻菜
1990年生まれ。ライター。属性や肩書などの枠を超えた人々の物語を伝えることで、平和な世界を目指す。インタビューや対談記事の企画・執筆、サイトテキストなどのライティングを行う傍ら、言葉の伴走サービス「ことバディ」、個人向けインタビューサービス「このひより」を運営。人々が自分らしく、ともに生きるために「言葉にすること」の可能性に向き合い続けている。アメリカ人の夫とともに二児の英語の子育てに日々奮闘中。 https://manawilson.com/
1990年生まれ。ライター。属性や肩書などの枠を超えた人々の物語を伝えることで、平和な世界を目指す。インタビューや対談記事の企画・執筆、サイトテキストなどのライティングを行う傍ら、言葉の伴走サービス「ことバディ」、個人向けインタビューサービス「このひより」を運営。人々が自分らしく、ともに生きるために「言葉にすること」の可能性に向き合い続けている。アメリカ人の夫とともに二児の英語の子育てに日々奮闘中。 https://manawilson.com/




































前川 裕奈
1989年生まれ。慶應義塾大学法学部、早稲田大学大学院アジア太平洋研究科を卒業。三井不動産、JICA、在スリランカ日本大使館での勤務を経て、2019年に「kelluna.」をスリランカで起業。現在は、現地と行き来しながらkelluna.を運営したり、講演活動も行っている。好きなことは、ランニング、マンガ、推し声優のイベント参加。著書に『そのカワイイは誰のため? ルッキズムをやっつけたくてスリランカで起業した話』(イカロス出版)。 https://yunamaekawa.com/
1989年生まれ。慶應義塾大学法学部、早稲田大学大学院アジア太平洋研究科を卒業。三井不動産、JICA、在スリランカ日本大使館での勤務を経て、2019年に「kelluna.」をスリランカで起業。現在は、現地と行き来しながらkelluna.を運営したり、講演活動も行っている。好きなことは、ランニング、マンガ、推し声優のイベント参加。著書に『そのカワイイは誰のため? ルッキズムをやっつけたくてスリランカで起業した話』(イカロス出版)。 https://yunamaekawa.com/