【働くママの労働問題】2026年4月スタート「独身税」って何? 既婚・子ども有・ひとり親も関係なく負担する不思議[社労士が回答]

働くママのお悩み解決 職場問題モヤモヤ相談室【連載】第15回 (2/2) 1ページ目に戻る

社会保険労務士、行政書士:小西 道代

正式名は「子ども・子育て支援金制度」

「独身税」の正式名は「子ども・子育て支援金制度」といい、2026年4月から始まる子どもや子育て世帯を社会全体で支える仕組みです。徴収された支援金は主に次の6つの施策に充てられます。

「子ども・子育て支援金制度」の施策

(1)児童手当の抜本的拡充
(2)妊婦のための支援給付
(3)こども誰でも通園制度の創設
(4)出生後休業支援給付
(5)育児時短就業給付
(6)国民年金第1号被保険者の保険料免除措置

ところで、「子ども・子育て支援金制度」は、社会全体で子どもや子育て世帯をサポートする制度なのに、なぜ「独身税」と呼ばれているのでしょうか……。

これは、支援金の用途が子どもと育児まわりに限ったことであり、子育て世帯以外には恩恵が薄く感じられるから、というのがその理由です。

しかし、子どもや子育て世帯を支えることは、近い未来の労働力や社会保障制度の維持につながります

私たちは誰もが年を重ねて、いずれは次世代に支えられる側になりますから、この制度は決して特定の層だけが得をするものではなく、「社会全体の持続可能性を守るための投資」といえます。

将来を踏まえると、「独身税」という俗称が誤解であり、立場に関係なく「子ども・子育て支援金制度」を負担する意義が見えてくるでしょう。

─働くママの声への回答─

「独身税」の正式名は「子ども・子育て支援金制度」で、子どもや子育て世帯を社会全体で支える仕組み。
近い未来の労働力や社会保障制度の維持を踏まえると、「独身税」という呼び名が誤解であり、立場に関係なく全世帯が「子ども・子育て支援金制度」を負担する意義が見えてくる。

支援金はどこから・どんなタイミングで・いくら徴収される?

「子ども・子育て支援金制度」は、日本国内の公的医療保険(健康保険)に加入しているすべての人が原則として負担対象者で、医療保険料に上乗せするかたちで毎月、徴収されます

子ども・子育て支援金の目安額

■協会けんぽ・健康保険組合・共済組合:被保険者一人あたり約550円
■国民健康保険:一世帯あたり約300円
■後期高齢者医療制度:被保険者一人あたり約200円

※金額は令和8年度の支援金額の推計(目安金額)。実際は、加入する医療保険制度や所得、世帯の状況により異なる。

支援金の徴収は4月から始まりますが、国民健康保険者と高齢者は、毎年6月以降に届く「保険料の納入通知書」で金額と徴収開始時期が通知されます。それ以外の方はほとんど、徴収がスタートすると給与から天引きされます

給与明細中、「健康保険料」の金額が以前より増えていたり、会社によっては「子ども・子育て支援金制度」などの項目で金額が記載されることもあるので、給料をもらったら確認してみましょう。

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小西 道代
こにし みちよ

小西 道代

Mishiyo Konishi
社会保険労務士、行政書士

社会保険労務士法人トップアンドコア代表。行政書士法人グローアップ代表。All About労務管理ガイド。大学卒業後に日本マクドナルドに入社。多数の店舗運営を行い、幅広い年齢層の人々と一緒に働くことで労務管理・組織運営に興味を持つ。その後、法律事務所や社会保険労務士事務所に勤務。カフェ経営も経験し、労働者と経営者の両視点を養い、働く場には風通しのよい労働環境や組織づくり、ルールが重要だと痛感する。現在は正社員から派遣社員、アルバイト、経営者の広い視点を活かした労務相談を行っており、事案のアドバイスだけでなく解決へも導いている。 著書に『正社員で働く人のための労務問題のトリセツ』(つちや書店)がある。

社会保険労務士法人トップアンドコア代表。行政書士法人グローアップ代表。All About労務管理ガイド。大学卒業後に日本マクドナルドに入社。多数の店舗運営を行い、幅広い年齢層の人々と一緒に働くことで労務管理・組織運営に興味を持つ。その後、法律事務所や社会保険労務士事務所に勤務。カフェ経営も経験し、労働者と経営者の両視点を養い、働く場には風通しのよい労働環境や組織づくり、ルールが重要だと痛感する。現在は正社員から派遣社員、アルバイト、経営者の広い視点を活かした労務相談を行っており、事案のアドバイスだけでなく解決へも導いている。 著書に『正社員で働く人のための労務問題のトリセツ』(つちや書店)がある。