絵本作家・北見葉胡の半世紀 登園拒否ぎみの幼稚園時代を母は見守ってくれた

講談社絵本新人賞選考委員・ボローニャ国際児童図書賞受賞作家が絵心を育てた60年を語る

児童図書編集チーム

親は小さな子どもにとっては神です。

いじめっことは、クラス替えで離れたので、いじめは自然消滅しました。親を必要以上に心配させなくてよかったと思っています。

いじめられてもそんなに深刻な気分におちいらなかったのは「いざとなれば親がなんとかしてくれる」と勝手に思い込んでいたからかもしれません。親に言ってもいないのに、必ず自分を守ってくれると信じていました。親は小さな子どもにとって神なのですね。

『花ぬりえ絵本 不思議な国への旅』北見葉胡(講談社)扉ページより引用。

絵心を目覚めさせてくれた大きな壁

そのころ、自分の部屋の壁に絵を描いてみたくなりました。家と庭と門と植物と道がひたすら増殖していく絵です。少しずつ描きながら想像の世界で遊んでいました。壁一面、絵ですっかり埋まったころ、これはあまり美しくないと気づきます。

『花ぬりえ絵本 不思議な国への旅』北見葉胡(講談社)カバー絵より引用。

当時の給食は牛乳瓶で上にブルーやピンクのビニールが被せてあり、きらきらして魅力的でした。それを絵の上にのりで貼れば、絵を隠せるし、綺麗な壁になって良いかもと思いつきました。給食の牛乳瓶からビニールを集めては、毎日壁にはっていきました。

壁一面にヒラヒラのビニールでびっしり埋まったところで、今度は、想像していたのと違うと気づき、はがしました。

家の漆喰の壁はビニールごとはがれ、穴だらけの悲惨な状況になりました。それでも親に怒られた記憶がないのです。もしかしたら母も父も、幼いころからマイペースだった私の行動を、あきらめていたのかもしれません。

文章をのせるにあたって、小さいころの絵はありませんか? と聞かれましたが、自宅が火事になって半焼してしまったので、小さいころの絵は燃えてないんですと答えるしかありませんでした。今回、はじめてのぬりえ絵本『花ぬりえ絵本 不思議な国への旅』の絵が小さいころから少しも変わっていない自分の世界であることに気づき、それをのせていただくことにいたしました。

幼稚園で一度だけ先生にほめられて以降、絵をほめられた記憶はありませんが、勉強しろと、言われたことのない私は、のんびり絵を描きつづけて画家になり、絵本作家になりました。

はじめてのぬりえ絵本『花ぬりえ絵本 不思議な国への旅』には小さいころからの私の夢が詰めこまれています。

『花ぬりえ絵本 不思議な国への旅』北見葉胡/講談社

『花ぬりえ絵本 不思議な国への旅』北見葉胡/講談社

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──北見さんの小学生時代、いかがでしたでしょうか。次回は、庭に穴をほって空想部屋を作ったお話、家を半焼させたお話、夢をかなえるまでのお話をお聞きします。

次回は8月16日(水)掲載予定です。

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きたみ ようこ

北見 葉胡

Yoko Kitami
画家

神奈川県生まれ。武蔵野美術短期大学卒業。児童書に、「はりねずみのルーチカ」シリーズ、「りりかさんのぬいぐるみ診療所」シリーズ(ともに作・かんのゆうこ/講談社)、絵本に『マーシカちゃん』(アリス館)、『マッチ箱のカーニャ』(白泉社)、『小学生になる日』(新日本出版社)など。書籍挿画に「安房直子コレクション」(全7巻/偕成社)、ぬりえブックに『花ぬりえ絵本 不思議な国への旅』(講談社)がある。2005年、2015年に、ボローニャ国際絵本原画展入選、2009年『ルウとリンデン 旅とおるすばん』(作・小手鞠るい/講談社)が、ボローニャ国際児童図書賞受賞。

神奈川県生まれ。武蔵野美術短期大学卒業。児童書に、「はりねずみのルーチカ」シリーズ、「りりかさんのぬいぐるみ診療所」シリーズ(ともに作・かんのゆうこ/講談社)、絵本に『マーシカちゃん』(アリス館)、『マッチ箱のカーニャ』(白泉社)、『小学生になる日』(新日本出版社)など。書籍挿画に「安房直子コレクション」(全7巻/偕成社)、ぬりえブックに『花ぬりえ絵本 不思議な国への旅』(講談社)がある。2005年、2015年に、ボローニャ国際絵本原画展入選、2009年『ルウとリンデン 旅とおるすばん』(作・小手鞠るい/講談社)が、ボローニャ国際児童図書賞受賞。