なっとうのなっちゃんとうっちゃんが絵本のプロに「今読みたい本」を聞いた!

読書の秋! 子どもたちと一緒に、心に残る絵本を楽しみましょう

高木 香織

なっとうのなっちゃん うっちゃん™  ⒸKiki Yumimura / Elbow Hijiyama

おいしくて栄養たっぷりの日本のスーパーソウルフード、納豆。みなさんもおうちで食べていますか? そんな納豆から生まれた「なっとう王国のなかまたち™」のなっちゃんとうっちゃんが、『これだけは読んでおきたいすてきな絵本100』(風鳴舎)を開いて、「どの本を読もうかな」と相談していますよ。そこで、著者の木村美幸(きむら みゆき)さんに親子で楽しめる絵本を紹介していただきました。

仲よしきょうだいのなっちゃんとうっちゃん

──お姉さんのなっちゃんは、なんにでも興味しんしんで意欲的な女の子。なっとう王国を明るく引っ張っています。弟のうっちゃんは、内気だけど実はいろんな才能を秘めている男の子。2人をやさしく見守るじいちゃんは、困ったときにはいろんな知恵で助けてくれる、頼りになる長老です。

おやおや、みんなが木村さんにおすすめの本を聞いていますよ。どんな本を教えてくれるのか、ちょっとのぞいてみましょう。

今読みたいすてきな絵本はなあに?

なっちゃん:わたしといつも一緒に遊んでくれる、大好きなおじいちゃんがいるの。おじいちゃんも登場する家族のお話がありますか?

木村さん:ぴったりの本がありますよ! おじいちゃんと孫のお話です。

『だいじょうぶ だいじょうぶ』(いとうひろし/作・絵 講談社 対象年齢6~7歳)は、あたたかい希望が感じられる魔法の「おまじない」が出てくる本です。

男の子がまだ小さかったころ、困っていると「だいじょうぶ だいじょうぶ」と励ましてくれたおじいちゃん。その魔法の「おまじない」で、男の子はたいていのことを乗り越えてきました。やがて男の子が大きくなっておじいちゃんが年をとったとき、今度は男の子がおじいちゃんに「魔法の言葉」を言ってあげる番になったの。「だいじょうぶ だいじょうぶ」って──。誰かとゆっくり、のーんびりお散歩したくなる本よ。

『だいじょうぶ だいじょうぶ』 いとうひろし/作・絵 講談社

うっちゃん:ぼくはお絵描きが大好きなんだ。どんな絵を描いたらいいか、教えてくれる本はありますか?

木村さん:とってもすてきな本がありますよ! 『ぼくのくれよん』(長新太/作・絵 講談社 対象年齢2~3歳)です。ダイナミックでつい笑ってしまう、心を解放させる絵本なのよ。

大きなぞうのくれよんは、やっぱりとっても大きいの。ぞうが青や赤や黄色のくれよんで「びゅー びゅー」描くと、まわりの動物たちはびっくりぎょうてんおおさわぎ。まだまだ描き足りないぞうは、くれよんを鼻で持って駆け出しちゃいます。ぞうはなにを描きたいのかな? おもわず続きを「びゅーびゅー」描いてあげたくなるような、楽しい本ですよ。

『ぼくのくれよん』 長新太/作 講談社

──そこに、じいちゃんがやってきましたよ。じいちゃんも、なっちゃんとうっちゃんの仲間に入れてもらいたいみたいです。

じいちゃん:わしにもよい本を紹介してもらおうかの。子どもたちの成長は一人ひとりさまざまじゃ。悩みを感じているお母さんに寄り添うような本があるとありがたいのじゃが。

木村さん:そうですね、こんな本はいかがでしょう。『まっくろ』(高崎卓馬/作、黒井健/絵 講談社 対象年齢4歳~)です。ハラハラしながら子どもを見守っているお母さんが、やがてほっとして心があたたかくなる本です。

「みんなの心に浮かんだことを描いてみましょう」という先生のもとで、一人の男の子が来る日も来る日も画用紙を真っ黒に塗りつぶします。やがて塗るのをやめたとき、そこに現れたものは……。子どもの想像力の豊かさに圧倒される本ですよ。

『まっくろ』(高崎卓馬/作・黒井健/絵 講談社)

──どの絵本もとってもすてきな物語でしたね。絵本づくりのプロであり、数々の名作絵本を生み出してきた絵本カタリスト®の木村さんが手がける「なっとうのなっちゃん うっちゃん」のおはなしミニマンガの連載が、webげんきで始まっています。そこでは、なっちゃんとうっちゃんが物知りのじいちゃんから昔遊びを教えてもらっていますよ。ぜひみなさんも遊びに来てくださいね。

木村美幸(きむら・みゆき)
作家・絵本カタリスト®・絵本コーディネーター

1959年三重県生まれ。(一社)チャイルドロアクリエイト® 代表理事。老舗の市販児童図書・保育関連図書の出版版元の元・取締役。在任中は、児童図書や保育図書・雑誌の出版事業本部長、企画開発本部長を歴任。また、園の先生方のための保育雑誌を創刊。クリーンブックス・グループの元会長、東京家政大学特任講師を歴任。著書に、エッセイ『これだけは読んでおきたい すてきな絵本100』(風鳴舎)、絵本『バスが来ましたよ』『にじいろのペンダント』、共著に評論『絵本の魅力 その編集・実践・研究』ほかがある。JPIC読者アドバイザー。絵本学会会員。

木村 美幸(由美村 嬉々)

Miyuki Kimura Kiki Yumimura
作家・絵本カタリスト®・絵本コーディネーター

1959年三重県生まれ。(一社)チャイルドロアクリエイト®代表理事。老舗の市販児童図書・保育関連図書の出版版元の元・取締役。在任中は、児童図書や保育図書・雑誌の出版事業本部長、企画開発本部長を歴任。また、園の先生方のための保育雑誌を創刊。クリーンブックス・グループの元会長、東京家政大学特任講師を歴任。著書に、エッセイ『これだけは読んでおきたい すてきな絵本100』(風鳴舎)、由美村嬉々(ゆみむら きき)の名前で、絵本『バスが来ましたよ』(アリス館)『にじいろのペンダント』(大月書店)、共著に評論『絵本の魅力 その編集・実践・研究』(フレーベル館)ほかがある。JPIC読者アドバイザー。絵本学会会員。絵本カタリスト®。

1959年三重県生まれ。(一社)チャイルドロアクリエイト®代表理事。老舗の市販児童図書・保育関連図書の出版版元の元・取締役。在任中は、児童図書や保育図書・雑誌の出版事業本部長、企画開発本部長を歴任。また、園の先生方のための保育雑誌を創刊。クリーンブックス・グループの元会長、東京家政大学特任講師を歴任。著書に、エッセイ『これだけは読んでおきたい すてきな絵本100』(風鳴舎)、由美村嬉々(ゆみむら きき)の名前で、絵本『バスが来ましたよ』(アリス館)『にじいろのペンダント』(大月書店)、共著に評論『絵本の魅力 その編集・実践・研究』(フレーベル館)ほかがある。JPIC読者アドバイザー。絵本学会会員。絵本カタリスト®。

たかぎ かおり

高木 香織

Kaori Takagi
編集者・文筆業

出版社勤務を経て編集・文筆業。2人の娘を持つ。子育て・児童書・健康・医療の本を多く手掛ける。編集・編集協力に『美智子さま マナーとお言葉の流儀』『子どもの「学習脳」を育てる法則』(ともにこう書房)、『部活やめてもいいですか。』『頭のよい子の家にある「もの」』『モンテッソーリで解決! 子育ての悩みに今すぐ役立つQ&A68』『かみさまのおはなし』『エトワール! バレエ事典』(すべて講談社)など多数。著書に『後期高齢者医療がよくわかる』(リヨン社)、『ママが守る! 家庭の新型インフルエンザ対策』(講談社)がある。

出版社勤務を経て編集・文筆業。2人の娘を持つ。子育て・児童書・健康・医療の本を多く手掛ける。編集・編集協力に『美智子さま マナーとお言葉の流儀』『子どもの「学習脳」を育てる法則』(ともにこう書房)、『部活やめてもいいですか。』『頭のよい子の家にある「もの」』『モンテッソーリで解決! 子育ての悩みに今すぐ役立つQ&A68』『かみさまのおはなし』『エトワール! バレエ事典』(すべて講談社)など多数。著書に『後期高齢者医療がよくわかる』(リヨン社)、『ママが守る! 家庭の新型インフルエンザ対策』(講談社)がある。