「誰よりも漫画を読んできた」ことが子どもの強みになった! 漫画研究家の父親の漫画の与え方とは?

「漫画研究家の本棚」 #3 京都精華大学マンガ学部教授・吉村和真先生

吉村先生のご自宅の本棚の一部。  写真提供:吉村和真
すべての画像を見る(全5枚)

「漫画を読むプロ」である漫画研究家に、「子育て×漫画」について語ってもらう連載3回目。

今回は、マンガ研究の中心的人物の一人として多岐にわたり活躍されている京都精華大学マンガ学部教授・吉村和真先生の本棚をご紹介します。

(全3回の3回目。1回目を読む 2回目を読む)

漫画は絵本と同じように幼児のころから読ませていた

──吉村先生は、お子さんが18歳の息子さんと16歳の娘さんのお二人で、特に息子さんが非常に漫画好きに育たれたとお聞きしました。まず、息子さんが初めて漫画に触れたのは、いつごろでしたか?

吉村和真先生(以下、吉村先生):年齢は覚えていないのですが、絵本と変わらない感覚で、幼児のころから漫画も読ませていました。「お父さんはこういう仕事をしているんだよ」と伝える意味でも漫画を見せていましたね。

絵柄もかわいい『鉄腕アトム』からはじまり、3歳のころの写真を見たら、手に『ブラック・ジャック』(共に著:手塚治虫)を持っていたものがありました。

また、息子は保育園のころには、もう一人で漫画を手に取っていて。ただ、当時は描かれているものを理解するというより、パラパラめくって絵を見て、気に入ったものを模写するということをよくやっていましたね。

文字が読めるようになってからは、家の本棚から作品を選び取っては漫画を楽しみ、小学生に入ったころは、『DRAGON BALL(ドラゴンボール)』(著:鳥山明/集英社)のキャラクターをたくさん描いていました。

溢れんばかりの漫画の本棚。正面だけでなく奥にも2列で並ぶ。「増えすぎて妻から怒られています」(吉村先生)。  写真提供:吉村和真

コミュニケーションにつながったジャンルを超えた漫画

前へ

1/4

次へ

30 件