
犬猫大好き&飼いたい子へ! 「ペットが好きな子」におすすめの絵本3選[絵本の専門家が選出]
#8 子どもの本のプロが選ぶギフト絵本~ペットが好きな子へ~ (2/4) 1ページ目に戻る
2025.12.07
絵本コーディネーター:東條 知美
猫を迎える女の子の空想をコミカルに描く
よく「子どもに読みたい絵本とはどんな絵本ですか?」と聞かれることがあるのですが、そのたびに私は「おもしろくてドラマティックで、幸せに包まれるエンディングが用意されているもの」と答えます。
子どもは絵本の世界にググっと入り込み、そのドラマや世界を丸ごと体験するものです。せっかくならばワクワクする体験を、心が広々するような世界、あるいは優しい世界を体験してほしいと思っています。
今回は「ペットが好きな子」に、イメージの冒険を思い切り楽しんでもらえるような3冊を選んでみました。
最初にご紹介するのは『あしたうちにねこがくるの』(講談社)です。
「うちで ねこを かうことに なったの。」
猫を飼いたい子、ペットがいる生活に憧れている子にとって、冒頭の一文はなんて魅惑的なのでしょうか。子どもたちから「いいな~」という羨望の声が聞こえてくるようです。
明日うちに猫が来たら、とびきりかわいい猫が来たら、いっぱい抱っこして、やわらかい背中をナデナデして一緒に遊ぶんだ。猫はきっと、のどをゴロゴロいわせて喜ぶだろうな。
だけど、万が一……。
その猫が、ライオンみたいに大きかったら? わたしのおやつを盗んでばかりだったら? わたしよりもピアノが上手だったら?
どうしよう……!
猫のいる日々、幸せを期待する気持ちが大きければ大きいほど、頭の中に浮かぶのは“悪いねこ”のイメージ。そんな心配性な「わたし」の想像が、コミカルに大真面目に映し出されます。
そうでした。子どもの心は、いつだって真剣そのもの。大人にとってはあり得ないイメージも、子どもたちにとっては無視できない“リアル”だったりするのですね。
2000年の発売以来、四半世紀にわたり子どもたちから愛されているロングセラー。すでにペットを飼っているお子さんも、これからペットを飼うお子さんも、想定外のイメージにドキドキハラハラしつつ、最後にはちゃんと安心と満足が得られる絵本です。親子で一緒に“ペットと暮らす喜び”を感じてもらえるのではないでしょうか。

















































































