常識を超えた新たな視点を取り入れる
日本を代表するスポーツ用品メーカー・ミズノからも、セカンドランドセルが発売されています。開発を担当したのは、ミズノ株式会社グローバルイクイップメントプロダクト部、バッグ・手袋企画生産課の土屋雅道さん。
「プロダクト(製品)としてほぼ完成しているランドセルの素材やデザイン、その常識を変えていくのは大きな挑戦でした」と、土屋さんは語ります。
「多くのランドセルが硬く、身体にフィットしにくい。さらに成長するにつれサイズやデザイン嗜好の変化があることに注目しました。
また、タブレット時代の到来を予測してタブレット入れを採用したり、下から開けるのではなく上側から開くほうが使いやすいのではないかといった新たな視点を加え、セカンドランドセルを開発しました」(ミズノ・土屋さん)
「背負いやすく&タフで動きやすい」アイテムとして、2021年から、セカンドランドセル「エレメンタリーバッグ」(全4色、各33,000円)を販売しています。
「エレメンタリーバッグ」の特徴はなんといってもミズノ独自のテクノロジーです。
「可動域の大きい肩ベルトや、特許取得をした腰にフィットする3Dポケットなど、動的フィッティング性がすぐれ、姿勢を正しく保ちやすい機能『ダイナモーションフィット』を独自開発しました。
肩ベルトは可動域の大きいフレックスコネクションベルトに、肩にかかる力を分散するスプリットストラップを採用しています」(ミズノ・土屋さん)
「最初のランドセルとして選ぶ方もいらっしゃいますが、買い替えや、使い分け“セカンドランドセル”として選ばれている方が多い印象です」と語るのは、同じくミズノ・ライフ&ヘルス事業部の福井百合子さん。
「特に、他ではあまり見られないスポーティーなデザインや、使いやすさ、フィット感、背負いやすさ、汚れの目立ちにくさなどの点で評価をいただいています」(ミズノ・福井さん)
実際にエレメンタリーバッグを試した親子からは、「高学年になり変わってきた好みにエレメンタリーバッグのデザインがハマった」「塾などの習い事に学校から直接向かう際のバッグとして利用したい」などの声が届いたといいます。
「カラー展開は全4色。今までのランドセル市場ではあまりにないホワイト、エンジが完売しました。買い替えだからこそ、新鮮なカラーを選ばれるのかもしれませんね」(ミズノ・福井さん)
小学校入学という大切な節目で購入するランドセル。子どもの成長を嬉しく思う親の気持ちや、子ども自身のワクワクは尊重しながらも、その年齢に合わせた新たな選択肢があっても良いのではないでしょうか。
「6年間ずっと大切に使っていただけるのはもちろん素敵なこと。しかし、小学生の心や身体は大きく成長するものだと思います。
もし窮屈(きゅうくつ)になったり、毎日の生活にあわなくなってしまったりしたら、そのときは2つ目のランドセルも検討していただけたら嬉しく思います。
お一人お一人の身体や好みにあったものを選んでいただけるよう、今後もスポーツメーカーらしい切り口で商品を開発して参ります」(ミズノ・福井さん)
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次回・最終回は、価格が上がるランドセルの経済的負担を軽くする、自治体の無償配布について。そして、2023年からスタートしたランドセルのサブスクサービスについて取材します。
取材・文/遠藤るりこ
※1=「ランドセルの重さに関する意識調査」フットマーク
【取材協力】
●フットマーク株式会社
RAKUSACK JUNIOR PLUS((ラクサックジュニアプラス))
低学年向け サイズ小/全7色、各16,500円
高学年向け サイズ大/全7色、各17,600円
●ミズノ株式会社
エレメンタリーバッグ 全4色、各33,000円
【関連サイト】
●フットマーク株式会社
●ミズノ株式会社
遠藤 るりこ
ライター/編集者。東京都世田谷区在住、三兄弟の母。子育てメディアにて、妊娠・出産・子育て・子どもを取り巻く社会問題についての取材・執筆を行っている。歌人・河野裕子さんの「しつかりと 飯を食はせて 陽にあてし ふとんにくるみて寝かす仕合せ」という一首が、子育てのモットー。 https://lit.link/ruricoe
ライター/編集者。東京都世田谷区在住、三兄弟の母。子育てメディアにて、妊娠・出産・子育て・子どもを取り巻く社会問題についての取材・執筆を行っている。歌人・河野裕子さんの「しつかりと 飯を食はせて 陽にあてし ふとんにくるみて寝かす仕合せ」という一首が、子育てのモットー。 https://lit.link/ruricoe