ランドセルにもSDGs!! あの工房系ブランドも挑むサステナブルな新素材とは

最旬! ラン活2024 #2~新素材編~

ライター:遠藤 るりこ

常識を変える?  マッシュルームレザー

人気の工房系ランドセルブランド・土屋鞄が着目しているのは、なんとキノコ! 上質な風合いと質感を持つ新素材だ。  写真提供:土屋鞄製造所

職人がていねいに作る本物志向の工房系ランドセルブランドとして名高い・土屋鞄(つちやかばん)も、新素材への挑戦をスタート。

2021年から1年で20以上の試作を重ねるなど、、キノコの菌糸体部分から生まれた新素材「Mylo(マイロ)」から加工した「マッシュルームレザー」を使った製品作りを研究しています。

「かねてからお客様の価値観が多様化しつつあることを感じており、社内でも『新しい選択肢の提案も必要になるのではないか』という議論が出てきたことが、マッシュルームレザーやMyloに目を向けた理由です」(株式会社土屋鞄製造所経営戦略室マネージャー・井手高歩さん)

2022年12月には、「土屋鞄製造所(大人向け鞄)」「objcts.io」の2ブランドから、Mylo製のミニ財布、ウォレットバッグそしてiPhoneケースの計3型を製品化し発売。他のプロダクトも現在、開発中です(※Myloランドセルの発売は未定)。

さまざまなレザー代替素材が登場している中でも、「菌糸体由来の素材は特に革らしい上質な質感を持ち、かつ将来的に生産をスケールさせることができる。質と量の両面を評価しています」と、井手さん。

「まずはMyloの量産体制が整い、より多くの方にお届けできるようになることがこれからの課題。馴染み深い革とはまた違った特性があるので、Myloにあったベストな生産方法をランドセルでも見つけていきたいと考えております」(土屋鞄・井手さん)

新時代の代替素材を使ったランドセルは、これからもどんどん増えていきそうな予感。クラリーノ・牛革・コードバンに続いて、環境問題を考慮した新素材が「第4の選択肢」になる日も近いかもしれません。
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次回は、軽量ランドセルの新機能。デビューしたての2ブランドが、子どもの毎日をカジュアルに変化させる新しいランドセルを届けます。

取材・文/遠藤るりこ

※1=一般社団法人日本鞄協会ランドセル工業会「ランドセル購入に関する調査2022年」

【取材協力】
●株式会社アートフィアー、株式会社由利
豊岡鞄スクールリュックUMI  2024年モデル/全6色、各49,500円(税込)

●池田地球株式会社
地球NASAランドセル  WWFモデルアニマルズ  2024年度モデル/全2デザイン、各81,400円(税込)

●株式会社土屋鞄製造所

【関連サイト】
株式会社アートフィアー、株式会社由利

池田地球株式会社

株式会社土屋鞄製造所
マッシュルームレザー「Mylo」(マイロ)

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えんどう るりこ

遠藤 るりこ

ライター

ライター/編集者。東京都世田谷区在住、三兄弟の母。子育てメディアにて、妊娠・出産・子育て・子どもを取り巻く社会問題についての取材・執筆を行っている。歌人・河野裕子さんの「しつかりと 飯を食はせて 陽にあてし ふとんにくるみて寝かす仕合せ」という一首が、子育てのモットー。 https://lit.link/ruricoe

ライター/編集者。東京都世田谷区在住、三兄弟の母。子育てメディアにて、妊娠・出産・子育て・子どもを取り巻く社会問題についての取材・執筆を行っている。歌人・河野裕子さんの「しつかりと 飯を食はせて 陽にあてし ふとんにくるみて寝かす仕合せ」という一首が、子育てのモットー。 https://lit.link/ruricoe