
【専門家解説】「女の子らしさ」「男の子らしさ」と子育て 育児の“正しすぎるプレッシャー”をゆるめるコツ
天野諭さんに聞くジェンダーと子育て【前編】
2026.04.01
子どもには自由に育ってほしい。そう思っていても、いざわが子が「女の子/男の子」という枠に強く縛られるように振る舞ったり、逆にその枠から大きく外れようとしたりすると、どちらに向かっても親の心はざわつきます。
「理想どおりにいかない戸惑い」の正体は何なのか? ジェンダーバイアスに縛られない子育てを目指す中で直面する「理想と現実」の受け止め方を、専門家とともに探ります。
この記事では、長年、保育現場で子どもたちと関わり、現在はジェンダーをテーマに研究や講演などを通して子どもと社会の関係を見つめ続けている、天野諭(あまの・さとる)さんにお話を伺いました。
ジェンダー育児の「正解」を探す親に「もっとゆるくていい」と語る、天野さんのアドバイスを前後編でお届けします。
(※ジェンダー:社会的・文化的な男女の性区別のこと)
(※ジェンダーバイアス:女らしさ/男らしさなど、ジェンダーに対する、固定的な観念・偏見のこと)
理想と現実のあいだで親が戸惑うとき
近年、子育ての場でも「ジェンダーフリー(※)」や「男女平等」という言葉が広く使われるようになり、わが子には性別に縛られず自由に育ってほしいと願う親も増えているようです。
(※ジェンダーフリー:女らしさ/男らしさなど、ジェンダーに基づく固定的な役割分担や観念・偏見をなくすこと)
ところが、気がつけば、娘はフリルのドレスやプリンセスに憧れ、息子はヒーローや戦いごっこに夢中になっている──。そんな姿に戸惑う親も少なくありません。
「ジェンダーにとらわれないよう育ててきたつもりなのに、いかにも“女の子らしい”“男の子らしい”選択をするようになるのは、珍しいことではありません」(天野さん)
そう話すのは、保育士として長年現場に携わり、現在は子どものジェンダーをテーマに研究を行っている天野諭さんです。
「一般的には、女の子は“女の子らしく”、男の子は“男の子らしく”育ってほしいと期待されることが自然でした。その“らしさ”から外れる言動や振る舞いに対して、戸惑いや不安が語られることも少なくありません」(天野さん)
男の子がピンク色を好んだり、すぐに泣いたりする。女の子がヒーローものに夢中になったり、活発な言葉遣いや行動をしたりする──。
「男の子なのに?」「女の子なのに?」
子どもにとっては自然な好みでも、親の心にはふとこんな思いがよぎることがあります。
「どちらのパターンでも、子育てではジェンダーをめぐって、親の理想や期待と子どもの姿とのあいだに戸惑いが生じることがあるようです」(天野さん)
では、この戸惑いをどう受け止めれば、親も子もラクになれるのでしょうか。































