
「机の下の足型」は氷山の一角! 全国の小学校にひっぱりだこの教師が飛び込み授業で目を疑った教室とは?
#1 不登校から学習意欲の低下まで 原因と解決策を探る (2/4) 1ページ目に戻る
2026.04.10
約10年3000時間超の飛び込み授業で見たもの
かくいう私は、それ以前33年間勤めた北九州市の公立小学校の教員時代、学級崩壊した多くの教室をコミュニケーション教育によって立て直してきました。その様子を2012年にNHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」で取り上げていただいたこともあり、「菊池道場」という教育関係者のネットワークが広がっています。現在、全国30都道府県約500人が私とともに学んでいます。
なぜ、数々の小学校を見ることができるのかと言いますと、私は2015年に、54歳で福岡県北九州市の公立小学校教員を早期退職し、その後は、教育実践研究家として全国の公立小学校を中心に「飛び込み授業」を続けてきたからです。
飛び込み授業とは、先生たちが見学するなか児童の前で行う実践的な授業(示範授業)のことです。私は各地からお声がけをいただき一日1~3コマの時間でコミュニケーションの要素を取り入れた授業を行っています。ありがたいことにこれまでに8つの自治体から教育アドバイザーなどの委任状をいただき活動しているところです。
北は北海道、南は沖縄まで、年間250日以上、各地の教室に足を運んでいます。この10年間での授業時間の累計は約3000時間でした。いま最も、日本の子どもの98%が通う公立小学校の教室の現状を、時間をかけ、幅広く見続けてきている存在だと思っています。
小学校2年生の机の下に置かれた足型
私が伝えたいところは、日本の公立小学校の厳しい現状と、実行可能なソリューションです。実際、教室がここまで来ているのかといういくつかの事例を紹介します。
2016年、四国のある小学校の2年生の教室を訪れたとき、私は目を疑いました。子どもたち全員の机の下に、足型が置かれていたのです(イラスト参照)。 「何ですかこれ?」と尋ねると、学校を案内してくれた先生はこう答えました。 「この位置に足をちゃんと置いて座れ、という指示なんです」
椅子の座面を見ると、クッションではなく滑り止めのマットのようなものが敷かれています。「おしりをこの位置に置きなさい」「動かしてはいけません」ということです。思わず、“教育虐待”という言葉が頭をよぎりました。「そこにじっとして座って、学力を上げなさい」と、学校側から強制されているとしか見えません。
型にはめる教育の一方、暴力を受ける教師も
同年、九州地方では、本来子どもたちがわいわいと楽しめるはずの給食の準備時間に、「ランチビフォー」という時間を設定して、子どもに次々とプリントの問題を解かせる学校がありました。
また2023年、四国の別の小学校では、最初から黒板に授業内容がすべて書き込まれていて、それを子どもが教師に代わってクラスメイトに向かい読み上げるのを、「セルフ授業」と称した授業も目にしました。
荒れた教室も少なくありません。2024年、関西のある小学校。私は2年生の教室での飛び込み授業を任されていました。自分の授業の前に、算数の授業の様子を参観しに行きました。
27人の学級に、10ほどの空席があります。その教室には女性の校長先生が補助で来ていて、運動場で遊んでいた男の子ふたりを連れ戻してきました。すると、彼らは、先生の机の上のパソコンでプロ野球の動画を見始めたのです。校長先生が、騒ぐ子どもたちを注意したら、男の子が髪を引っ張ろうとする場面も目にしました。
同様に、私が直接経験したことではありませんが、全国を回るなかで知り合った先生方から、「子どもに日常的に噛みつかれて、流血している」といった暴力行為についてもつねづね耳にしています。































