長男を東大合格に導いた やる気スイッチを入れた料理研究家・みきママの「アイデア」と「弁当作り」

おうち料理研究家・現役大学生みきママにならうポジティブ・マインド #3 ~ごはん作り編~

おうち料理研究家:みきママ

食事を作ることで一番の味方でいる

──子どもたちをサポートするために、心がけていたことはありますか?

みきママ:習い事でも塾でもそうですが、子どもが万全の態勢で物事に取り組みやすいよう、食事で体調を管理してあげることを意識していました。

次男の中学受験のときは、塾の授業に合うようにお腹を満たしてあげて、帰宅してからまたお腹を満たす。

受験生にとってごはんの時間は唯一の息抜きの時間だと思ったから、その子の好きなものをたくさん食べてもらって、しっかり休んで明日も頑張ってほしいと思っていました。

──塾のお弁当作りも、母親ができるサポートのひとつですよね。

みきママ:長男の受験期も、私はお弁当でしっかりサポートしようという気持ちで作っていました。外せない栄養素を「カルシウム・レシチン・ビタミンC」の3つに絞って、これだけ入っていたら大丈夫って。毎日のことだから、作る側にも無理なく、楽しく続けられるように考えながら作っていました。

──仕事で疲れていたり、子どもが言うことを聞かないと、ご飯作りのモチベーションが低くなる日もありそうですが……。

みきママ:子どもに反抗されたりすると、「もうあなたのためにごはんは作らないからね!」ってなりがちですよね。私も、何度もそう思ったことはあります。

でも、どんなに気まずくても、ごはんの時間は必ず来る。食事をしながら話せば、お互いの誤解も解けたりする。「座ってちゃんと話そうよ」なんて言うのは難しくても、ごはんのときは自然と座って面と向かい合えますからね。

──ブログやYouTubeなどでお子さんとの日々のやりとりを見て、本当に仲の良い親子だなと思いました。

みきママ:男子は自分から話さないから、話題を振ってうまく誘導することも大事だと思うんです。私はいつも、「今日あった一番面白いことを息子たちに伝えて笑ってもらおう」って常に考えています。

この間も、スーパーで会った意地悪なおじさんの話をしたら、食事が始まる前はムスっとしていた息子も、最後はクスリと笑ってくれて。そうなると息子たちも口を開いて、いろいろ話し出してくれる。

普段の会話がくだらなくって楽しいものだから、そのノリで「これ、ママに言っても無駄だと思うんだけどさぁ」ってさらりと大事な相談をしてくれたりするんですよね。

「子どもがイライラしているなと思ったら、気持ちを落ち着かせるカルシウム豊富なシラスやサバ缶の料理を。ご飯の時間でしっかり話をすること」(みきママ)。

──ご飯を前にして、たくさん話すこと。とってもシンプルですが、それがみきママさんの子育ての基礎になっているんだなと感じました。

みきママ:そう思うようになったのには、私自身の育ってきた環境があります。私の実家はラーメン屋をやっていて、シングルマザーの母親が夜遅くまで働いていたのですが、それがやっぱり寂しくって。

私と弟を大学まで行かせてくれたからすごく感謝しているし、当時は本当に大変だったと思うからもちろん文句ひとつありません。でも、親が家にいなくて寂しかった分、反抗してしまった時期がありました。だからこそ、親と一緒にいる時間って、それだけで尊くて励みになるものなんだって感じていて。

子育てに何が正解かはわかりませんが、でも私は、子どもたちとごはんを前にして、たくさん食べて話していきたいと思っています。

いつかは伝わる 今は信じて待つこと

──大きくなったお子さんたちを前にして、今はどういう思いで子育てに向き合っていますか。

みきママ:子どもたちもそれぞれ頑張っているので、もうあまり偉そうなことは言えないかな。お金のことは口を出しますけどね(笑)。

いつだって、お腹が空いてきたら「ママあと5分でごはんにして!」とか、「なんでもいい、あるものでいいからさ」とかって無茶なことを言ってきます。

長男は今ちょうど海外旅行へ行っているんですけど(2024年3月上旬現在)、「自分でごはんを作ってみて、ママってほんとすごいってわかったよ」って連絡がきて。

料理の大変さを分かってもらいたくて、我が家は小さなころから料理やお手伝いをさせてきました。それでもやっぱり、家にごはんが当たり前にあることのありがたさは、家を離れてみて初めてわかるものなのかなと思いましたね。

今、一生懸命ごはん作りをしているママさんたちと、いつか子どもはわかってくれるって信じて、毎日楽しく作り続けようね、って励まし合いたいですね。

そして私もまだまだ、おうちごはん作りをがんばりたいと思います!

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みきママさんの作るおうちごはんは、見るだけで力が漲ってくるようなものばかり。子どもたちへの愛情と前向きな思いが詰まっている料理だからだなと、改めて感じました。

子どもが巣立つまでの終わらないごはん作りや、目まぐるしい仕事と育児の両立の日々に、勇気が湧いてくるようなインタビューでした。みきママさん、ごちそうさまでした!

撮影:日下部真紀
取材・文/遠藤るりこ

みきママさんの連載は全3回。
1回目を読む。

2回目を読む。

「みきママの東大合格弁当」著:みきママ(扶桑社)
20 件

みきママ

Mikimama
おうち料理研究家

おうち料理研究家。公式アメーバブログ「みきママの毎日家ごはん。」、オフィシャルInstagram、YouTube「みきママChannel」が人気。 節約しながら豪華に見えるレシピの数々は、子育て世代を中心にファンが多い。実弟はNEWSの小山慶一郎氏であることを公表し、話題に。 2023年春には、長男のはる兄が東京大学に合格。2024年3月、受験期を支えたお弁当レシピ本「みきママの東大合格弁当」(扶桑社)が発売。 公式アメーバブログ「みきママの毎日家ごはん。」 Instagram @mikimama_official YouTube @mikimama

おうち料理研究家。公式アメーバブログ「みきママの毎日家ごはん。」、オフィシャルInstagram、YouTube「みきママChannel」が人気。 節約しながら豪華に見えるレシピの数々は、子育て世代を中心にファンが多い。実弟はNEWSの小山慶一郎氏であることを公表し、話題に。 2023年春には、長男のはる兄が東京大学に合格。2024年3月、受験期を支えたお弁当レシピ本「みきママの東大合格弁当」(扶桑社)が発売。 公式アメーバブログ「みきママの毎日家ごはん。」 Instagram @mikimama_official YouTube @mikimama

えんどう るりこ

遠藤 るりこ

ライター

ライター/編集者。東京都世田谷区在住、三兄弟の母。子育てメディアにて、妊娠・出産・子育て・子どもを取り巻く社会問題についての取材・執筆を行っている。歌人・河野裕子さんの「しつかりと 飯を食はせて 陽にあてし ふとんにくるみて寝かす仕合せ」という一首が、子育てのモットー。 https://lit.link/ruricoe

ライター/編集者。東京都世田谷区在住、三兄弟の母。子育てメディアにて、妊娠・出産・子育て・子どもを取り巻く社会問題についての取材・執筆を行っている。歌人・河野裕子さんの「しつかりと 飯を食はせて 陽にあてし ふとんにくるみて寝かす仕合せ」という一首が、子育てのモットー。 https://lit.link/ruricoe