ぬか漬け大好き! 食への興味を大切に育てる
離乳食から幼児食への移行はどのようにされましたか?
「自分ではなかなか離乳食から離れられず、幼児食へのタイミングが分からなかったんです。でも保育園で先生から『給食ではこんなものをあげていますよ』と聞いて、『え? もう?』とびっくりしたことがありました。それから離乳食ではないものを様子をみながらあげていきましたね」
息子さんはもうすぐ3歳だそうですが、現在はどんな食べ物がお好きですか?
「唐揚げです(笑)。あとは焼肉ですね。カレーライスも好き。ごくごく一般的な子どもの好きなもの、という感じですよ(笑)。いろいろ食べてくれていた2歳前後のときと比べてこだわりが強くなってきたのか、昨日は食べてくれたブロッコリーを今日は食べてくれなかったり、フルーツも昨日までは嫌いと言っていたみかんを食べたいと言い出したりと最近はかなり翻弄されています」
野菜は食べますか?
「青菜は料理法によってもりもり食べてくれるという感じです。クッパや雑炊などのスープごはんやスープに入れたり、小さめに刻んでチャーハンや混ぜごはんにしたりするのがよいみたいです。
ブロッコリーは気分によるみたいで、気分がのるとよく食べます。あとは枝豆とキュウリのぬか漬けが好きですね。キュウリをそのまま出しても食べないときがあるのですが、ぬか漬けだと察知して食べるんですよね」
ぬか漬け好きとは、さすがですね! 植松さんはご自分で野菜も栽培されていると聞きましたが、自家栽培の野菜を料理に使われているのでしょうか。
「現在は家の近くに畑があるので、収穫したときはそれを使いますね。息子は食に興味があるようで、私が料理をしているとキッチンによく来るんです。ちょっとお邪魔なときもあるんですけどね(笑)。でもそこは大事にしてあげたいと思っていて。それは私から子供へ伝えられることがあるとすれば、やっぱり料理なので。”ママが作ったんだよ”とか、”ママが考えたんだよ”という料理なら、美味しく食べてくれるんじゃないかな、という気持ちでいます」
お手伝いを通して食に関わる手仕事を知ってもらいたい
息子さんにはいつ頃からお手伝いをしてもらっていますか?
「2歳くらいからです。最初は簡単なことからやらせてみて、2歳半ぐらいで自分から興味を持ち始めました。グリンピースをさやから出してもらったり、茹でた枝豆をあおいでもらったり。コーヒーを入れてもらうこともありますよ。食べるためには作業があることを、子供にはもっと知ってもらいたいと思っています。シュウマイをせいろに並べてもらって、『蒸したよ、できたね』って見せたりもしていますね」
植松さんは、ご自宅のインテリアやテーブルコーディネートも素敵ですね。お子さんと一緒に食器を選ぶ、ということもあるのでしょうか?
「まだそこまでは……。イタズラしちゃうので、できるだけ食器の収納には近づかせないようにしています(笑)」
じゃあ、お子さんには割れないような食器で?
「特に割れないのにこだわっているわけではないです。私はインテリアも食器も、できるだけ色を入れたくないのですが、子どものものは色彩があった方がかわいいのでカラフルな食器を使わせてあげたいなと思っていて。色もデザインも素晴らしい北欧の食器を選んでいます。あとは口当たりがいい木の器ですかね。軽いし熱く感じないという実用面のほかに、温かみがあるのもポイント。器によって美味しさまでもが変わるということを知ると感性が豊かになるんじゃないかなぁと。特にごはんはわっぱに入れたり、木の茶碗によそったりしています」
子どもなりのこだわりと上手に付き合って
お子さんが好きでこだわっているものってありますか?
「スプーンとフォークにはこだわりがあるようで、飛行機の機内食用のカトラリーがすごく気に入っています。家ではこれじゃないと落ち着かないみたいです。ちなみにスプーンは直接口に触れるものなので、漆のスプーンや金工作家さんの作るスプーンも準備しているのですが、出番待ちの状態です。
お箸はまだ使えませんが、持ちたがります。そのうち使えるようになるだろうし、今はゆっくりトレーニング中ですね。本当は手で食べるのが一番美味しいですけどね(笑)」
これからお子さんとやってみたいことはありますか?
「小さいころから車の形のクッキー型をおもちゃにして遊んでいたのですが、2歳半くらいからは、実際にクッキーを作り始めました。一緒に作ったクッキーは美味しいし、体にも安心・安全。なによりすごく楽しそうに作ってくれるんですよね。今後は、手を使ってこねたりする粉ものに挑戦していきたいと思っています。まずは白玉だんごから始めようかな」
料理家さんのお子さんだけあって、食に対するこだわりをすでに発揮しているようですね。芽生え始めた食への興味を大切に育てていくことは、お子さんの将来に大きな実りをもたらしてくれることでしょう。
食を通して子どもの成長を見守る”食育”について、未来編でお聞きします。
取材・文 山田祥子
植松 良枝
料理研究家。四季に寄り添った、季節感あふれる食と暮らしの提案をしている。野菜づくりを長年ライフワークとし、旬の野菜をたっぷりと使った料理や、これまでに旅をしてきた世界各国のエッセンスを取り入れた料理に定評がある。旬の食材を使った料理教室の主宰のほか、雑誌、テレビなどでレシピや暮らしの提案も。その他2017年に代々木のベトナム料理店「ヨヨナム」のメニューをプロデュース。2021年3月に野菜料理の本を出版予定。 【主な著書】 「育てて楽しいはじめてのハーブ」「ルクルーゼでおいしいムダなしレシピ」家の光協会/「おもてなしと持ちよりレシピ」主婦の友社/「ホットサラダ」文化出版局/「バスクバルレシピブック」誠文堂新光社/「とれたて野菜レシピ」NHK出版/「温かい野菜料理」オレンジページ/「らくうま 鍋レシピ」エイ出版社/「春夏秋冬土用で暮らす」主婦と生活社「デリおかずの人気レシピ」成美堂出版 /「春夏秋冬ふだんのもてなし」KADOKAWA instagram @uematsuyoshie YouTube 料理研究家 植松良枝
料理研究家。四季に寄り添った、季節感あふれる食と暮らしの提案をしている。野菜づくりを長年ライフワークとし、旬の野菜をたっぷりと使った料理や、これまでに旅をしてきた世界各国のエッセンスを取り入れた料理に定評がある。旬の食材を使った料理教室の主宰のほか、雑誌、テレビなどでレシピや暮らしの提案も。その他2017年に代々木のベトナム料理店「ヨヨナム」のメニューをプロデュース。2021年3月に野菜料理の本を出版予定。 【主な著書】 「育てて楽しいはじめてのハーブ」「ルクルーゼでおいしいムダなしレシピ」家の光協会/「おもてなしと持ちよりレシピ」主婦の友社/「ホットサラダ」文化出版局/「バスクバルレシピブック」誠文堂新光社/「とれたて野菜レシピ」NHK出版/「温かい野菜料理」オレンジページ/「らくうま 鍋レシピ」エイ出版社/「春夏秋冬土用で暮らす」主婦と生活社「デリおかずの人気レシピ」成美堂出版 /「春夏秋冬ふだんのもてなし」KADOKAWA instagram @uematsuyoshie YouTube 料理研究家 植松良枝