タコは貝の親戚です。貝といえば貝殻というかたい殻が特徴です。その中にやわらかい身が入っていますね。ハマグリやホタテガイやサザエなど、私たちは殻の中の貝の身をおいしくいただいています。
タコはそんな貝の親戚なのに殻がありません。その昔はタコの祖先も殻を持っていたと考えられていますが、どこかの時代で殻をなくしたのです。
でもタコのなかには殻を持つものがいます。アオイガイというタコです。アオイガイは細いすじが入った白く美しい殻を持っています。殻の中にタコが入っています。
実は、この殻はアオイガイが2本の腕の間から物質を出して作ったものです。その2本の腕だけ傘膜(さんまく)がとても大きくなっています。そこから殻を作る物質が出されるのです。
オスは殻を作らず、メスに比べると、とても体が小さい。このように、メスに比べて極端に体が小さいオスのことを、矮雄(わいゆう)と言います。
メスは殻の中で卵を育てます。殻は卵を育てる保育器のようなものと言えるかもしれません。このタコは水中を泳ぐタコなので、卵を岩などに産みつけることはしないで、メスが卵を抱えたまま泳ぐのです。
水槽でアオイガイを観察すると、殻がぷかぷかと動いてタコが水の中を移動していきます。