(PR)スカウト活動で育む子どもの環境意識 「プラごみバスターズ大作戦」に大注目!

「年齢別”指令書”」「アプリで見える化」…進化版ごみ拾いプロジェクトの全貌

どうしていま「プラごみ」に注目したのか

公益財団法人ボーイスカウト日本連盟理事で、プラごみバスターズ大作戦推進小委員会の委員長を務めた松平賴昌さんに、「プラごみバスターズ大作戦」についてお話をうかがいました。

──「プラごみバスターズ大作戦」にはどのような狙いがあったのでしょうか?

松平さん:ボーイスカウト日本連盟では地域の清掃活動を重要なプロジェクトだと位置付け、9月の敬老の日を「スカウトの日」として一斉清掃のプロジェクトを実施してきました。

ボーイスカウト日本連盟の創立100周年にあたる2022年に、パートナーシップ協定を結んでいるセブン-イレブン記念財団様から大きなバックアップがいただけることになり、期間を7月11日から11月7日に設定し、規模も拡大して展開できるようになりました。

プロジェクト発足の経緯と意義を語ってくれた松平委員長(Zoom取材より)
すべての画像を見る(全17枚)

松平さん:そこで、40年継続してきた「スカウトの日」の中身を大幅に見直して実施したのが「プラごみバスターズ大作戦」です。

じつは、かつての清掃プロジェクトは「スカウト・カントリー大作戦」と呼ばれていたのですが、どうしてかお分かりでしょうか?

“缶トリー”、つまり空き缶拾いを念頭に置いた清掃活動だったのです。ポイ捨てが横行していた昔は、確かに道端やビーチなどに空き缶がたくさん落ちていたものです。

それが、時代と共にごみの内容もずいぶんと変わってきました。現在、より問題となっているのは、ペットボトルなどの容器やレジ袋といったプラスチックごみです。

時代の移り変わりにより、缶に加えて、飲料のペットボトルやレジ袋などのプラスチックのポイ捨てごみが増えてきました。  写真:公益財団法人ボーイスカウト日本連盟

松平さん:基本的には自然分解されることのないプラスチックが細かな粒子となって海に広がってしまう、マイクロプラスチックの海洋汚染問題も深刻化しています。

そこでスカウトでは、子どもたちにごみ問題をより自分ごととして、そして同時に世界的なテーマとして考えてもらうために、思い切ってプラスチックごみにフォーカスすることにしたのです。

──具体的にはどのような活動を展開されましたか?

松平さん:集中実施として、東京都・荒川、山口県・周防大島、滋賀県琵琶湖の3ヵ所で一斉清掃を行い、多くの方に参加していただきました。

■東京会場 2022年9月25日(日)開催
参加人数:127名
場所:荒川(知水資料館付近、赤水門ー青水門周辺)
回収したごみ:可燃ごみ11袋、不燃ごみ3袋

■山口会場 2022年10月16日(日)開催
参加人数:164名
場所:周防大島(真宮島)
回収したごみ:可燃ごみ25袋、不燃ごみ21袋

■滋賀会場 2022年10月23日(日)開催
参加人数:185名
場所:草津市(矢橋帰帆島内、湖岸緑地帰帆島、一部大橋脇の広場)
回収したごみ:可燃ごみ67袋、不燃ごみ6袋

松平さん:どの会場でも、子どもたちが熱心に、そして楽しそうにごみを集めている姿が印象的でした。仲間と一緒にゲーム感覚で取り組めるプロジェクトになっていることの良さだと思います。

東京会場・荒川でのごみ拾いの様子。毎年同じ時期に地元のボーイスカウトの声かけで地域住民や他団体の方とともに清掃活動を実施しています。ごみの数は思った以上に少なく、一生懸命スカウトは探していました。  写真:公益財団法人ボーイスカウト日本連盟

松平さん:また、今回、プラごみに焦点を当てたことで、プラごみがいかに水と大きく関わっているかが見えてきました。街なかでは、打ち捨てられた大量のプラごみを見る機会は少ないかもしれません。

ところが、海や湖、川などの水辺には、風や流れの影響で驚くほど大量のプラごみが溜まっている場所がたくさんあります。

山口会場・周防大島でのごみ拾いの様子。水辺には多くのプラごみが流れ着いていました。プラごみが漂着することなく、海の中で細かな粒子(マイクロプラスチック)になってしまうことが、世界的な環境問題になっています。  写真:公益財団法人ボーイスカウト日本連盟

松平さん:ごみの内容にも地域の特徴があり、例えば、山口・周防大島には、牡蠣の養殖に使われるパイプが大量に流れ着いていました。

自分の手で回収したごみを見つめることで、その地域ならではの暮らしや、それぞれに抱えている問題について考える機会が得られた点にも、とても大きな意義がありました。

子どもたちのごみ問題への意識が芽生えた

── 子どもたちからはどんな感想を聞いていますか?

松平さん:「楽しかった」という声だけでなく、ごみ問題に対して自分なりの意見を持った子が多いのが印象的でした。子どもたちの声の一部をご紹介します。

「捨てる場所がないから、ごみを道とかに捨ててしまうわけで、例えばごみ箱を所々に設置するとか、工夫が必要だと思いました」(東京会場)

「ごみを捨てたり、エアコンを使いすぎたりと、自分たちでやったことが、地球温暖化とかになって、まわりまわって自分たちに課題として帰ってくるのかなと思いました」(山口会場)

「これだけ多くのごみが川や湖に流れ着いているのを目の当たりにして、自分たち一人ひとりが、ごみをどこにきちんと捨てているのかというところに責任を持っていかないといけないと思いました」(滋賀会場)

松平さん:子どもたちにとって非常に大きな実践的な学びが得られた一日になったと思います。

次のページへ 子どもたちの「いつかごみ拾いがなくなる世界を」という言葉
47 件