
小学校入学前の「お昼寝なし」生活はいつから? 1月から始める睡眠リズムの整え方[医師監修]
#2 医師・小児スリープコンサルタント もりたま先生に聞く「園児の睡眠」~小学校入学前の整え方~ (3/3) 1ページ目に戻る
2025.12.24
医師・小児スリープコンサルタント:森田 麻里子
──小学校入学に向けて、おさえておきたい睡眠のポイントはありますか?
理想は「夜の10時間睡眠」です。毎日完璧に守る必要はありませんが、目安として大切にしてほしいです。たとえば、朝7時に起きる必要がある場合は、夜9時には就寝できるように生活リズムを整えてみてください。
──具体的にどう調整していくのがよいのでしょうか。
森田先生:入学前の早寝早起きへの移行にはポイントがあります。
①生活リズムのイメージを持つ
入学する年の1月ごろには、小学校入学に向けて生活リズムのタイムスケジュールをつかんでおきましょう。
自宅近くに住んでいる小学生が、何時ごろに家を出発しているかを確認して、「わが家は何時に起きれば間に合うか」と春からの起床時間や、登校時間の目安をイメージします。
子どもが新しいリズムに慣れるには時間がかかります。入学する2~3ヵ月前などから余裕を持って準備し、徐々に慣れていくことが大切です。
②朝、早く起こす
早寝早起きに移行するときの最初のポイントは「早く寝かせる」ことよりも、まず「朝早く起こす」ことです。
子どもは眠くなければ寝つけません。そのため、まず朝にきちんと起こすことで夜には体力を使いきるようになり、自然と眠りやすくなります。朝のリズムを最初に変えることが、夜の早寝への近道です。
③寝つきやすい環境を整える
寝る前の自宅での環境も、眠りやすさに大きく影響します。人は体温が下がるタイミングで眠気が出るため、お風呂に入った直後など、体温が高すぎる状態だと寝つきにくくなります。
できれば、夜ごはんの前にお風呂に入ったり、寝る直前であれば入浴時間を短めにしたりする工夫が有効です。
また、就寝1~2時間前からはリビングの照明を少し落とすと、視覚から入る刺激を減らせます。日中より少し暗めの環境をつくったり、暖色系の照明を使ったりするのもおすすめです。
④家庭の事情に合わせて工夫する
仕事で帰宅が遅くなりがちな家庭では、生活にちょっとした工夫を取り入れてみましょう。たとえば、「家事サポートなどの便利なサービスを活用する」「夕食をレトルトや簡単なもので済ませる」「お風呂の時間を少し短めにする」などの工夫でも、就寝までの家事負担はぐっと軽くなります。
入学前が最後の山場! 親ができる睡眠リズムのサポート
──子どもたちが小学校生活を元気にスタートするためには早寝が重要なことがよくわかりました。最後に、新1年生の保護者にメッセージをお願いします。
森田先生:睡眠面では、小学校入学前のこの時期が、親として生活リズムを整えられる大切な山場です。ここでリズムをしっかり整えておくと、入学後もスムーズに新しい生活に移行できます。
ご家庭ごとに無理のない範囲で、少しずつ早寝・早起きの習慣を整えてみてください。そうすることで、子どもたちが元気に登校できるだけでなく、家族全体も穏やかで笑顔の多い毎日を過ごせるようになります。春からの入学に向けて、親子で楽しい毎日を迎えられることを願っています。
───◆─────◆───
小学校入学に向けて目指したい「夜の10時間睡眠」と、年明けから無理なく生活リズムを整えるコツがわかりました。
春からの入学に向けて、家庭でできる工夫を少しずつ取り入れながら、子どもたちが元気に登校できる生活リズムを整えていきましょう。
取材・文/牧野未衣菜
全2回の2回目
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牧野 未衣菜
1992年生まれ、千葉県出身。子育てや教育関係を中心に、フリーランスライターとして活動中。 また、教育NPOでユーススタッフとして子どもの支援活動にも携わる。現在は二児(姉妹)の母として、育児にも奮闘中。
1992年生まれ、千葉県出身。子育てや教育関係を中心に、フリーランスライターとして活動中。 また、教育NPOでユーススタッフとして子どもの支援活動にも携わる。現在は二児(姉妹)の母として、育児にも奮闘中。




































森田 麻里子
Child Health Laboratory代表。1987年、東京都生まれ。東京大学医学部医学科卒業。2017年に長男、2020年に次男を出産。長男の夜泣きに悩んだことから、睡眠についての医学研究を徹底的に調査。赤ちゃんの睡眠と健康をサポートする「Child Health Laboratory」を設立。最新著書『子育てで眠れないあなたに 夜泣きドクターと睡眠専門ドクターが教える細切れ睡眠対策』(共著:伊田瞳/KADOKAWA)のほか、『医者が教える赤ちゃん快眠メソッド』(ダイヤモンド社)、『東大医学部卒ママ医師が伝える科学的に正しい子育て』(光文社新書)が発売中。 「Child Health Laboratory」 https://child.healthlabs.jp/
Child Health Laboratory代表。1987年、東京都生まれ。東京大学医学部医学科卒業。2017年に長男、2020年に次男を出産。長男の夜泣きに悩んだことから、睡眠についての医学研究を徹底的に調査。赤ちゃんの睡眠と健康をサポートする「Child Health Laboratory」を設立。最新著書『子育てで眠れないあなたに 夜泣きドクターと睡眠専門ドクターが教える細切れ睡眠対策』(共著:伊田瞳/KADOKAWA)のほか、『医者が教える赤ちゃん快眠メソッド』(ダイヤモンド社)、『東大医学部卒ママ医師が伝える科学的に正しい子育て』(光文社新書)が発売中。 「Child Health Laboratory」 https://child.healthlabs.jp/