1歳前からOKの「美ヶ原高原美術館」に行ってみた 子連れで美術館リアルレポート
STEAM教育で注目のアート思考 遊戯彫刻やスタンプラリーで楽しみながら学ぶ
2023.10.13
10歳の男の子&7歳の女の子を育てているエニママのライター・北林日菜です。先日コクリコラボの調査で「図書館や美術館のような場所は子連れで行くハードルが高い」というママの声がありました。我が家の子どもたちは小さいときから屋外展示のある美術館に行っているので、ぜひご紹介したいと思い記事を書きました。
※AnyMaMa(エニママ):ママのはたらき方や選択肢を広げるための支援サービス
美術館と聞いてイメージするのは、シーンとした大人の雰囲気。とても子連れでは行けない!という方も多いのでは?
しかし最近話題のSTEAM教育にはArtも含まれ、小さいうちから芸術に親しむことの重要性にも注目が集まっています。2023年8月に屋外展示が豊富な「美ヶ原高原美術館」に子連れで行き、アートに触れ合ってきた様子をレポートします。
目次
標高2000m 屋外展示場に350点の彫刻!
美ヶ原高原美術館は長野県上田市にある標高2000mの屋外展示と室内展示を兼ね備えた美術館です。広大な敷地の屋外展示場には、およそ350点もの現代彫刻が展示されています。我が家では上の子が1歳になる前から、子どもたちの祖母を含めた三世代で、ほぼ毎年夏に訪れるお気に入りの場所です。
屋外展示が豊富:子連れに嬉しいポイント1
なんといっても嬉しいのは、屋外展示が豊富な点。一般的な美術館のように、順路に沿ってぞろぞろと押し黙って鑑賞する必要はありません。
見る順番も自由ですし、走り回っても声を出しても大丈夫(もちろん周りの人に迷惑はかけない前提ですが)。屋外という開放的な空間や自分のペースで歩ける環境だと、子どもの機嫌も不思議と安定しますよね。
子ども向け施設が充実:子連れに嬉しいポイント2
「こども美術館」という建物には、小学生以下の子どもが自由に中で遊べる彫刻『しゃぼん玉のお城』があります。遊具のように見えますが、実は遊びのなかで自然の造形の面白さを体験できる「プレイ・スカルプチャー(遊戯彫刻)」だそう。
幼児が喜ぶトンネル遊具も。
新しくできた「ふわふわちょうこく広場」というエリアもありました。この日は貸し切り状態だったので、小学生もちょこっと遊んでみました。
ゴムのような弾力のあるやわらかい素材のクッションを、重ねたり組みあわせたり。同じ組み合わせでも、見る角度を変えるといろいろな造形になることに気づきます。小さな芸術家の誕生です。
飛び石のように並べたクッションを渡ったり、アーチや穴の中をくぐり抜けたりして遊ぶこともできます。
トイレもきれいになり、子連れに嬉しい仕様になっていました。
子どもの反応が楽しい! 斬新な視点に感心
今まで、屋外展示場では私がいろいろと誘導しながら見て回っていたのですが、今回は「スタンプラリー」にチャレンジ。すると、子どもたち主導で、広い敷地内を楽しみながら進んで、作品を探してくれました。
たくさんの作品を見ましたが、子どもたちの反応をいくつかピックアップしてご紹介します。
美術館に行ったときは、子どもたちが興味を持った作品について、感想を言語化してもらっています。子どもたちが思ったままの感想を受け止め、共感してあげると嬉しそうです。
『雄大なる循環』
10歳の理数系男子の感想はこちら。「面をたどって見ていくと、いつの間にか反対側にいる。ずっと回っていられそうで見ていたい。まさに雄大なる循環。気に入った」
『生態学的存在─セザール頌』
7歳女子の感想はこちら。「アリエッティになった気分!」
『逆転の確率』
10歳男子がぼそっと「意味がわかると怖い話」と言ったこちらの彫刻。
最初は意味が分かりませんでしたが、「この角度から見るとよくわかる」と言われ、後ろから見ると……。
芸術のすばらしさに気づかされました。
「未来郵便局」
美ヶ原高原美術館のなかにある「未来郵便局」。ここに出したお手紙が届くのは1年後。
私たちは毎年、その年の夏休みにあったことを書いたり、未来の自分への質問を書いたりして送っています。ペンやスタンプも豊富にあるので、字が書けないころは絵を描かせていました。
翌年届くと「変な絵~!」と1年成長した子ども自身が大笑いした思い出も。
防寒具・道路状況・おむつ替えスペースなど注意事項
このように子連れフレンドリーな美ヶ原高原美術館ですが、いくつか注意すべき点もあります。
・防寒着や雨具を持参しよう
標高2000mなので、猛暑日でも下界より10~15度涼しい桃源郷……である一方、曇ると真夏でも肌寒ささえ感じることも。春や秋は冬仕様を想定したほうがよさそう。また山の天気は変わりやすいため、雨具があると安心でしょう。
・オープン時期や道路状況に注意
毎年冬季はクローズしています(※参考:2023年度の開館期間は4月29日~11月5日)。また開館期間中も山道の運転や霧、路面凍結などに注意してください。
・おむつ替えスペース、子どものごはんは余裕をもって
おむつ替えシートのあるトイレはありますが数は少なめです。併設の道の駅に食事処はありますが、現在縮小営業中なので事前にメニューの確認を。
http://m-utsukushigahara.jp/restaurant/
美術館周辺に飲食店はありません。山道を登る手前の「武石観光センター」にそば処が1軒あります。
まとめ
大自然のなかでアートに触れる美ヶ原高原美術館に子連れでいったレポートをご紹介しました。
こちら以外でも、屋外展示中心の美術館は全国にいくつかあります。お近くで探してお子さんと美術館デビューをしてみてはいかがでしょうか。
美ヶ原高原美術館
住所:〒386‐0507 長野県上田市武石上本入美ヶ原高原
電話:0268‐86‐2331(代表)/0268-85-2111(冬季:12月~3月)
開館時間:9:00~17:00(入場は16:30まで)
開館期間:2023年度は4月29日(土)~11月5日(日)
一般料金(屋外展示場を含む):大人1000円/大学生・高校生800円/中学生・小学生700円/小学生未満は無料
詳細はHP:https://www.utsukushi-oam.jp/
※この記事は2023年9月の情報です。実際にお出かけの際は、公式サイト等で最新の情報をご確認ください。
コクリコサポートエディターズ
コクリコサポートエディターズ(CSE)は、コクリコの第2編集部。コクリコと、ママの社会復帰を支援するサービス「AnyMaMa(エニママ)」が協力して立ち上げました。子育てをしながら、ほかのお仕事をしながら……など、さまざまな立場で、子どもとの毎日が楽しくなる記事を発信していきます。 AnyMaMa公式HP:https://anymama.jp/ X:https://twitter.com/AnyMaMaJP Instagram:https://www.instagram.com/anymama_official/
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北林 日菜
AnyMaMa(エニママ)ライター兼コクリコ・サポート・エディター 2012年生まれのサイエンス好き男子、2015年生まれアート好き女子の母。都内で広告営業や出版業を経て、結婚を機に茨城県に移住。以後リモートワークを中心に、エニママや県内のご縁ある企業でフリーランスライターとして活動中。 AnyMaMa:https://anymama.jp/ Twitter:https://twitter.com/AnyMaMaJP
AnyMaMa(エニママ)ライター兼コクリコ・サポート・エディター 2012年生まれのサイエンス好き男子、2015年生まれアート好き女子の母。都内で広告営業や出版業を経て、結婚を機に茨城県に移住。以後リモートワークを中心に、エニママや県内のご縁ある企業でフリーランスライターとして活動中。 AnyMaMa:https://anymama.jp/ Twitter:https://twitter.com/AnyMaMaJP