
子育てしながら「国家試験に合格」のシングルマザー 得たもの&失ったもの
第4回アラフォーADHD&シングルマザーの「リスキリング」~試験本番と合格発表~
2025.07.09
【合格発表日】
ついにこの日が来た。オンラインの合格発表は3月4日14時。14時前後に回線が混み合うと噂されていたので、事前にページを開き、リロードできる準備をしておいた。
ネット上で「合格発表ライブ」なる無料YouTube動画も見つけ、受験仲間とドキドキしながら待機。すると、14時オンタイムに、「合格基準点が例年より下がった!」との速報が舞い込んだ。よかった。それなら受かっている可能性もあるかもしれない!
そのあと、社会福祉振興・試験センターのHPをチェック。意外とすんなりページにアクセスできた。拍子抜けしつつ、自分の番号を探す。
あった! これだ!! 確かに自分の受験番号は記されていた。あ、でも、見間違いだったらどうしよう。10回くらい見返し、「たぶん受かっている」ことを何度も確認した。
数時間後、帰ってきた息子に感謝の言葉を述べ、ぎゅっとハグした。
「ありがとう。インフルエンザに感染しないように気をつけてくれて、受験勉強に協力してくれて、本当にありがとう」
息子は自分のことのように飛び上がって喜んでくれた。

国家試験で得たもの・失ったもの
社会福祉士を目指す受験生と化したこの約2年間を振り返ると、合格した代わりに失ったものもあった。
ひとつは、収入。実習や勉強のため仕事をセーブせざるを得なかったこの2年ほど、収入はそれまでより約半分近くに落ち込んだ。にもかかわらず、支出は多かった。
養成校に支払う学費やテキスト代など約74万円のほか、自分で買った参考書やオンラインスクールの受講料などが数万円かかった。
ひとり親向けの「高等職業訓練促進給付金」で170万円ほどの給付金を得られたけど、それでも、この2年間で数回に分けて総額300万円近くを貯金から引き出し、生活費や各種支払いにあてた。
ただし、これは予想していたこと。予定していた引っ越しをあきらめ、今の家賃をキープすることで、帳尻を合わせればよい。
もうひとつ失ったものは、息子のサポート時間だ。息子は今(2025年7月)、5年生。2027年2月に中学受験する。中学受験に親のサポートは不可欠とも聞くが、私は自分の試験直前期の3ヵ月は、ほぼ息子にノータッチだった。
もともと“家勉”が大嫌いで私にお尻を叩かれてしぶしぶ勉強していた息子は、私のフォローが皆無になったら、家で一切勉強しなくなった。当然ながら成績は急下降。試験終了直後から、私はこの大きな課題にぶち当たることになった。

仕事と子育てと受験(勉強)は、絶対簡単には両立しない。「子育てしながら、仕事しながらリスキリングできる」という声も聞くが、それは祖父母や夫、会社などのバックアップがある、子どもが育てやすくて手がかからない、などといった好条件下で臨める人ではなかろうか──そう勘ぐってしまう。
結局のところ、何かを得るには、何かを捨てなければならない。これが2年のリスキリングを経て、私が痛感した本音だ。