【小学生の卒業袴が人気】レンタルはいつ予約? プロの着付けは必要?

いまから準備しておく「小学生の卒業袴」<前編>

春から準備しておきたい「小学生の卒業袴」。​
写真:晴れ着の丸昌 横浜店

最近、小学校の卒業式で、女の子の袴姿を見かけることが増えてきました。

上級生の卒業袴姿を見て「私も袴を着てみたい」と楽しみにしている子どもや、「来年卒業するうちの子も……」と思っている保護者の方もいらっしゃることでしょう。

しかし、親の世代で、自分が小学生の時に卒業袴を経験したことのある方は少ないもの。いつ頃から準備したらいいか、どんな袴スタイルがあるのかなど、わからないことも多いのではないでしょうか。

そこで、卒業袴など2万点以上の晴れ着を取り扱う、「晴れ着の丸昌 横浜店」衣装コーディネーター・磯辺由紀子さんと、同店の広報・WEB制作担当・近藤陽子さんに、小学生の卒業袴の準備について、詳しく解説していただきました。

「新しい学年が始まったばかりなのに、もう卒業式の話?」と思った、そこのあなた。いえいえ、決して今から学んで、準備しておいても早すぎることはないのです。

※記事は磯辺さん、近藤さんのお話しを編集部で再構成したものです。
※記事で紹介している内容は「晴れ着の丸昌 横浜店 」の場合です。予約の時期やサービス、価格などは地域や店舗により異なるので、ご利用店舗に余裕をもって確認してください。

小学生の「袴で卒業式」が増えている

大正時代の女子学生のスタイルとして流行した袴姿は、大学生の卒業式に着るスタイルとして定着しています。

ところがここ数年、小学校の卒業式に袴を着る子どもが増えています。おそらく、大学生の華やかな卒業式の袴スタイルを見て、「自分も卒業式に袴で出席したい!」と思う子どもが増えたのでしょう。

また、中学校や高校の卒業式は、学生生活で着ていた制服で出席するのが一般的ですが、小学生は、普段から自由な服装である場合が多く、「制服がない」というのも大きな要因として考えられます。

しかも小学6年生の頃は、体が大きくなりかけている成長途中の段階。いざ「卒業式は袴姿で出席したい」という場合も、購入を考えるより、多くの方がレンタルを利用しています。

準備はいつから始めたらいい?

ネット予約は4月から開始されています。  写真:晴れ着の丸昌 横浜店

卒業式の袴の準備は、ほとんどの方は、ママ友や上級生から話を聞いたりしてから動き出しています。

お子さんに「お友達が袴にするから、私も袴がいい」と言われてから調べ始めるという方も多いので、周囲から情報を得た時点や、子どもの意思表示があってから計画を立てれば良いでしょう。

予約は、夏頃から増え始め、年末から2月頃がピークとなります。申し込みとキャンセルは、卒業式の10日前まで可能です。それ以降にレンタルしたい場合は、別途でご相談を承っています。

時々、上級生の卒業式を見てすぐにお問い合わせをいただくこともありますが、価格改定や衣装の入れ替えがあることもあり、3月は予約できないこともあります。

お店によって予約開始時期が異なるので確認が必要です。

「晴れ着の丸昌 横浜店」では通常、ネットは4月から、店舗は6月から予約を開始しています。 店舗で予約した袴と着物は、その場で持ち帰ってもらうのではなく、使用する日の3日前にお届けします。

予算はいくらぐらい? ~2~5万円が相場~

袴をセットでレンタルする場合、2~5万円が相場です。お店によっても異なりますが、安い価格の場合、セット内容に違いがあるので、何がセットに含まれているのかを確認しましょう。小物の色柄は、店舗にお任せの場合が多いでしょう。

晴れ着の丸昌 横浜店の袴セットの一例。レンタルする時はセット内容をよく確認することが大切です。  写真:晴れ着の丸昌 横浜店

袴を着るには、上に着る着物と着物の下に身に着ける長襦袢とワンピース肌着、足袋、衿の下に重ねる重ね衿、着物の上から締める袴帯、バッグとして持つきん着、着物の着付けに必要な着付け用小物が必要です。また、履物としてブーツや草履がいります。

セット料金に含まれず、有料オプションになる小物がありますので、セット内容をよく確認し、追加料金を含めて予算を考えましょう。また、レンタル代以外にも、着付けやヘアアレンジ代、髪飾りの購入費用が別途必要になります。

袴を着ると決めたら始めること ~着付けと美容院の予約~

着付けの予約をしてから袴の予約を。  写真:晴れ着の丸昌 横浜店

「卒業式に袴で出たい!」と子どもに言われ、「早く予約しなくては……」と慌てて来店される方がいますが、袴の予約の前に、着付けをしてもらえるところを探しておくと安心です。

卒業式に袴を着る小学生の割合は、学校によっても異なりますが、多いところで約8割を占めます。その中で、同じ日に、同じ時間帯に着付けができる近くの美容室を利用しようと思うと、大変混雑していて、「すでに予約が埋まっていた」ということも。近隣で予約できずに、遠方まで着付けのために出向くことになったという話も珍しくありません。

特に、小学校の卒業式は午前中に行われることが多いため、 例えば午前9時に式がスタートする場合、支度を始めるのが午前6時ごろからとなるため、朝から対応してくれる美容室であることも条件になります。

「せっかく袴を予約したのに着付けができない」ということにならないよう、「朝早い時間帯の着付けとヘアセットの予約」も準備しておきましょう。

また、ヘアアレンジについては、事前にどのようなイメージにしたいかをあらかじめ決めておくと、小物選びの際にもスムーズです。着物姿の定番と言えば、アップスタイル。衿がきれいに見えて、和装らしさが出ます。また、髪飾りをたくさん使った編み込みも華やかさがあり人気です。

着物姿の定番のアップスタイル。  写真:晴れ着の丸昌 横浜店
編み込みも新鮮です。  写真:晴れ着の丸昌 横浜店

アップスタイルや編み込みなど、どのようなヘアスタイルにするかによって飾りの種類も異なります。髪型を決めてから飾りを決める、または気に入った髪飾りがあれば、その髪飾りを使ってどんな髪型ができるのかを考えておくなど、事前にお子さんと相談しておくようにしましょう。

着付けは自分でできる? ~プロに任せるのが安心~

「袴なら自分で着付けができるかもしれない」と思う方が時々います。皆さん共通して「子どもに着せるくらいは、できると思います」と言いますが、実際は大変難しいものです。

着付けた直後はきれいに整っていても、その後に座ったり階段を上ったりなどの動きを繰り返しているうちに、着崩れてしまうことも。特に、袴帯を締める位置や締め加減、袴の紐をしっかり締めるところなどは、着付けの経験と技術が必要です。

ちなみに、着崩れてしまった場合、学校の先生はお直しできないと思った方がいいでしょう。また、感染症対策で親御さんは卒業式の会場内に入れないという状況も考えられるため、着崩れてもすぐに親が直してあげられないこともあります。

卒業式では記念撮影をする場面も多く、写真として残ります。せっかくの晴れの舞台に、きれいな袴姿で長時間いられて、写真にも美しくおさまるためにも、着付けはプロに任せた方が安心です。

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記念すべき日が笑顔あふれる1日になるように、万全の準備をしておきたいものですね。

第2回では「袴の選び方のコツと、卒業式当日に役立つ着崩れ防止方法」について紹介します。

(プロフィール)
磯辺由紀子(いそべゆきこ)/「晴れ着の丸昌 横浜店」衣装コーディネーター。フォーマルスぺシャリスト検定2級(シルバーライセンス)保持。入社20年の豊富な知識と経験を活かし、お客様一人ひとりに最もふさわしい晴れ着をお選びいただけるよう心を込めてサポートしている。

(プロフィール)
近藤陽子(こんどうようこ)/「晴れ着の丸昌 横浜店」広報・WEB制作担当。横浜に創業して55年の晴れ着の丸昌では、卒業袴、留袖、紳士礼服、訪問着、振袖、七五三やお宮参りの祝い着など2万点以上の晴れ着を取り扱う。神奈川県最大級の品揃えを誇るショールームのほか、ネットレンタルでも気軽に晴れ着を借りることができるよう努めている。

取材・文/池田 さくら