【ラン活 23年モデル】黒川鞄・土屋鞄・池田屋・鞄工房山本「工房系ランドセル」4社は多様性がキーワード

最旬!ラン活2023〜#1 工房系ランドセル編〜

ライター:遠藤 るりこ

年中からラン活開始!?

工房系ランドセルの場合、大手メーカーと比べて生産数が少ないメーカーも多く、人気モデルは発売後まもなくで完売してしまうこともあります。それゆえ、近年のラン活は早期化し、年長ではなく年中から始めるという親子も増えてきました。

親子のランドセル選びを長年見続けてきた黒川鞄は、ラン活の早期化についてこう話します。

「2010年代前半までは、小学校入学前年のお盆の帰省時期に祖父母にランドセルを買ってもらうというのが一般的で、夏頃が購入のピークでした。

今では、年中の9~12月頃にメーカーのカタログを取り寄せて各社のショールームや展示会に参加し、3~5月頃に購入という流れになっています」(黒川鞄・黒川さん)

ラン活の早期化の流れがここ近年でさらに定着しつつあると語るのは、池田屋の寺本さん。

「池田屋では3年前の2019年から新モデルの販売を2/1に開始しており、当初はお客さまより『早い』という声も多かった。しかし、最近ではその声も減り、年明けから動く方が増えていると感じます」(池田屋・寺本さん)

土屋鞄の高橋さんは、近年加熱してきたラン活ブームをこう受け止めます。

「ラン活は早い者勝ちのランドセル争奪戦ではなく、ご家族の思い出になるよう、お子さまとお気に入りのランドセルをじっくり選んでいただける機会になればと思います。

人気のRECOシリーズは7月31日まで売り切れを出さずに販売期間を設けていますので、あせらずゆっくりお選びいただけます」(土屋鞄・高橋さん)

コロナ禍でのランドセル選びに寄り添うような取り組みも行われています。

「ご自宅でランドセルを見ていただけるよう、インスタライブでの商品紹介や、オンラインの工房見学なども行っています。お客さまの質問にお答えしたりと、直接のやりとりをすることで、ご自宅にいながらもラン活をしていただければ嬉しいです」(鞄工房山本・盛谷さん)

◆◆◆◆◆
まだまだ小さな子どもの背中に新品のランドセルを背負わせてみると、親としては胸がいっぱいになるもの。新たなステージへ向かうひとりの人間として、子どもの意思を尊重し、子ども主導のランドセル選びができるといいですね。

次回は、大手メーカー3社にインタビュー。ICT教育やコロナ禍、時代の流れにいち早く対応してアップデートされるランドセルの最新機能について、ご紹介します。

取材・文/遠藤るりこ


《取材協力ブランドと、新作ランドセルについて》
有限会社黒川鞄 
「シボ牛革 キューブ型 グレージュ/ピスタチオ」各78,000円(税込・送料無料)
※2022年4月現在、販売終了間近

株式会社土屋鞄製造所(ランドセル) 
「RECOプレミアム 牛革ハイブリッド プリズムカーキ/プリズムブルー/プリズムオレンジ」各83,000円(税込)
※RECOシリーズのみ、2022年7月31日までは売り切れを出さずに販売。その他のモデルは製造本数に達し次第、受付終了

株式会社池田屋(ランドセル) 
「防水牛革パステル カラーステッチ ミント×サックス/ラベンダー×ピンク/ミルク×ベージュ」各69,000円(税込)

株式会社鞄工房山本 
「ラフィーネ アッシュピンク/ミントブルー」69,900円(税込)

「最旬!ラン活2023」記事は全5回。

30 件
えんどう るりこ

遠藤 るりこ

ライター

ライター/編集者。東京都世田谷区在住、三兄弟の母。子育てメディアにて、妊娠・出産・子育て・子どもを取り巻く社会問題についての取材・執筆を行っている。歌人・河野裕子さんの「しつかりと 飯を食はせて 陽にあてし ふとんにくるみて寝かす仕合せ」という一首が、子育てのモットー。 https://lit.link/ruricoe

ライター/編集者。東京都世田谷区在住、三兄弟の母。子育てメディアにて、妊娠・出産・子育て・子どもを取り巻く社会問題についての取材・執筆を行っている。歌人・河野裕子さんの「しつかりと 飯を食はせて 陽にあてし ふとんにくるみて寝かす仕合せ」という一首が、子育てのモットー。 https://lit.link/ruricoe