【2025年版】失敗しない「通信制高校」の選び方 専門家がおすすめする「狭域通信制高校」5校

~通信制高校はどんなところ?~ 注目の「狭域通信制高校」(#4)

認定NPO法人カタリバ代表理事:今村 久美

1.太平洋学園高等学校(高知県/私立)

太平洋学園校舎。 画像提供:太平洋学園高等学校
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高知県にある太平洋学園高等学校(狭域通信制高校)は、県内の私立学校では唯一の定時制課程と、通信制課程を持つ単位制総合学科の高等学校です。

私学ならではの柔軟な支援体制を活かし、不登校・中途退学の経験者に学び直しの機会を提供しています。さらに、さまざまな困難を抱える生徒の自立支援にも力を入れており、一人ひとりのニーズに応じたサポートを行っています。

教室の様子。 画像提供:太平洋学園高等学校

生徒は自分のライフスタイルに合わせて、水曜昼コース(13:15~)、水曜夜コース(18:00~)、土曜コース(9:00~)から週1回の通学スタイルを選択。また、スクールカウンセラー(SC)やスクールソーシャルワーカー(SSW)の常駐や、年齢の近い大学生によるピア・サポート活動「ボランタリーブラザー&シスター」を通じて、県内外の大学と連携しながら学習支援や教育相談体制を整えています。

「太平洋学園の最大の特徴は、通信制課程と定時制課程の校内転籍が可能なことです。

例えば、不登校だった生徒が通信制から始め、徐々に学校に慣れていく中で定時制に移行することができるシステムとなっています。

また学校の生活面では、通信制の生徒も部活に参加でき、友だち作りの機会を得られます。一度不登校になり、学校に毎日通うことに自信が持てない生徒も、まずは通信制で入学することでスモールステップを歩み、仲間ができたり教師との人間関係をつくりながら、希望があれば定時制に転籍できます。

このように、自分のペースで新しいチャレンジを重ねていける仕組みが用意されているのは心強いですよね」
(今村さん)

軽音祭にて。写真はバンド活動の様子。  画像提供:太平洋学園高等学校
アート部の活動。  画像提供:太平洋学園高等学校

「さらに、運営面では三者協議会(生徒・保護者・教職員)を設け、校則づくりに生徒が関わるなど、生徒の声を大切にしているんですね。

こうした柔軟な運営方針と、困難な環境にある生徒の積極的な受け入れが評価され、入学希望者が増えているようです。生徒一人ひとりの状況に寄り添うこの姿勢はとても素晴らしいと思います」
(今村さん)

太平洋学園高等学校
・住所:高知県高知市栄田町1‐3‐8
・学習スタイル:週1日・4時間登校+レポート学習。普通、情報、家庭福祉の3つから自分に合った系列を選択可能
・入学可能エリア:高知県在住
・入学時期:毎年4月・10月
・年間の学費:3年間で約80万円
・制服:あり(着服自由)
・部活動:あり
https://www.taiheiyo.ed.jp/

2.長野西高等学校(長野県/公立)

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