子どもが「コンプレックス」を克服し「居場所」を見つける! 【親子で読みたい漫画】女子高生×アカペラストーリー『ヴォカライズ』 

「月刊少年シリウス」編集長が選ぶ漫画5選〔第2回〕

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“漫画のプロフェッショナル”であり、自身も思春期の子を持つパパでもある『月刊少年シリウス』の山口崇編集長に、「親子で読んでもらいたい漫画」5作品を選んでもらいました。

2回目は「コンプレックス」を克服するアカペラ×青春ストーリー『ヴォカライズ』(著:小菊路よう)です。

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『ヴォカライズ』

『ヴォカライズ』著:小菊路よう(講談社)
2025年5月9日第1巻発売。

あらすじ
自分の声が低いことにコンプレックスを抱く女子高校生・瀬尾セラは、中学生のときに声をイジられた経験から、思っていることも口に出さず人と話さず、クラスになじめないでいた。ある日、クラスメートで同じように浮いた存在、鳴上尊(なるかみ・たつと)が校舎裏で、楽しそうに歌う姿を見て驚く。

親子でなじみやすい「アカペラ」がテーマの物語

山口崇編集長:自分の声にコンプレックスをもつ女子高生がアカペラと出会い、その世界に魅了され、自分の居場所を見つけていく物語です。この作品はまだ連載がはじまったばかりで、2025年5月に単行本1巻が発売予定です。

新しい世界に勇気を出して飛び込んでいくクラシカルなスタイルはやっぱり読んでいて大変気持ちがいいですし、作家さんも素直に題材と向き合って取材を重ね、描いていくことができるタイプの方ですから、これから先を楽しみにしています。

1回目でご紹介しました『ブレス』と基本的な構造は同じで、主人公が打ち込める“好き”を見つけることを主軸にしていますが、『ブレス』は描く世界がだいぶディープで専門的。『ヴォカライズ』はアカペラという比較的体験しやすい世界を描いている分、誰にでもなじみやすい物語です。

アカペラをやったことがなくても、学生時代には多くの人が「合唱」を経験していますし、歌のうまさというのは誰にでもハッキリと分かりやすい。自分の声という身体ひとつでできるものなので、お金もかかりません(笑)! そういった点で『ヴォカライズ』は、親御さんもお子さんも接しやすく、理解しやすい世界なのではないでしょうか。

親御さんにとっては『ブレス』と同様、思いもよらない子どもの夢にどこまで寄り添えるか、向き合えるか。そういったことを考える機会になると思います。今は情報源も選択肢も段違いに多くなっていますから、意外な角度で意識させられる自らの呪縛とどう向き合うか、親の側も問われているように感じます。

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次回3回目は、勉強漫画としても大人気! ベストセラー「細胞擬人化」漫画をご紹介します。お楽しみに!

取材・文/木下千寿


【ヴォカライズ】1話目を読む

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月刊少年漫画雑誌。毎月26日発売。 『月刊少年シリウス』 https://shonen-sirius.com/ 『水曜日のシリウス』 毎日更新! 本誌では読めないオリジナル新作が連載中。 https://manga.nicovideo.jp/manga/official/w_sirius/ 漫画発進用アカウント ツイシリ https://x.com/twi_sirius

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