「中学受験」本番! 親の伴走の完走方法【完走済み・教育ライターの解説】
中学受験伴走に関する反響記事“まとめ”4選
2025.01.10
中学受験のクライマックスシーズン到来。受験日程のスケジュール管理や子どもの体調管理など、伴走するママパパは、受験を終えるまで常に頭いっぱい。精神的にも休まる日はありません。
コクリコでは、2024年の中学受験伴走を完走した教育ジャーナリスト・佐野倫子さんに中学受験直前期までと、当日本番の様子をレポート。そこで、コクリコがこれまでに公開した中学受験の記事の中から、この時期におすすめの4本をまとめました。
目次
【1】伴走ママのリアルロードマップを把握しよう!
子どものケアや勉強のサポートなど、中学受験には親の伴走が欠かせません。しかし、近くで子どもの様子を見ているママパパの中には、気が急いてしまう人もいるでしょう。「どのタイミングで何をしたらいいのか」など具体的な行動計画をまとめた本番までのロードマップがわかると、全体像を把握しやすくなります。
そこで、2024年にお子さんの中学受験を終えた教育ジャーナリストの佐野倫子さんが、「中学受験のリアルロードマップ」を伝授してくれました。
例えば、「受験日前夜は試験会場の近くに前泊したほうがいいの?」という疑問については、子どものタイプを見極めると前置きした上で、前泊することで「交通機関の遅延や天気を気にせず準備や体調管理にだけ集中できる」というメリットを挙げています。
ほかにも、出願や本番など、緊張感のある日々を送る中で、佐野さんが伴走者のように保護者のタスクやマインドセットを示してくれます。
記事では「中学受験の天王山」と言われるくらい重要な時期である6年生の夏休みの過ごし方も紹介しているので、現在4・5年生のママパパもこの先をイメージしやすくなることでしょう。
➡注目記事➡中学受験の「親ミッション」 中受伴走を終えたママ教育ジャーナリストが小6年後半=本番直前期を明かす
【2】中受クライマックス期をどう過ごす? パパの伴走編
中学受験はママがサポートするものというイメージがありましたが、共働き家庭が主流になった今、パパの伴走も増えています。
息子さんの伴走者として中学受験を駆け抜けたパパ「灘中までの道(以下、灘中)」さんは、「この直前期である“クライマックス期”こそ、ついに父の出番だ!」と言います。
その一つが、「過去問のスケジュールを立てること」。前日までの息子さんの調子や気分によって取り組みたい科目が変わるため、塾の先生のアドバイスを取り入れながら、あらかじめコピーしておいた過去問を本人が一番やる気になる順番にセットしておいたと言います。
これに対し、聞き手兼解説を務めた教育ジャーナリストの佐野倫子さんも「もちろん基本的には塾のカリキュラムに乗っていくという感覚ですが、やはり個人差はあり、得意不得意を把握している親が調整できれば鬼に金棒」と太鼓判を押しています。必要な問題の取捨選択やスケジュール管理が得意な方は、挑戦してもいいでしょう。
ほかにも、「本番数日間の詳細なタイムスケジュール」や「1月・2月の仕事の調整」「きょうだいがいる場合は本番数日間に祖父母に来てもらうなど家庭内シフトを相談」など、夫婦で協働したいポイントを紹介。クライマックス期に向けたスケジュール調整や心づもりに役立ててみてください。
➡注目記事➡ 中学受験「親の伴走」直前期から合格発表まで 「保護者の主なタスクリスト」と「過酷な受験日程」大公開!
【1】・【2】では、ママパパに分けて伴走方法を紹介しましたが、役割分担は家庭によって異なります。「スケジュール管理が得意なママが過去問のスケジュール担当」「受験日の前泊はパパが付き添う」など、それぞれに合う方法やお子さんとの関係性で伴走スタイルを決めてもいいかもしれません。
【3】入試当日の服装・持ち物リアルグッズ公開
教育ジャーナリスト・佐野倫子さんは、2024年息子さんの中学受験伴走を無事に完走しました。その経験を踏まえて、これから本番を迎える伴走中のママパパへ、服装や持ち物も大切なポイントだと言います。
まず服装は、当日に新品を着るのは避け、事前に着心地チェックをすること。また靴下は会場が寒いことも考え、くるぶしまでのロングタイプがおすすめです。
さらに当日の天気もなにが起こるかわかりません。6年生でも子どもの着替えは必須! 佐野さんはある受験日の朝が大雨となり、親子ともにずぶ濡れに。息子くんは会場のトイレで着替えたといいます。当日の荷物は増えますが、持っていくと安心ですね。
ほかにも、当日子どものリュックに入れたものリストや、親の持ち物リストも公開。このリストをカスタマイズして、当日の参考にしてみてください。
➡注目記事➡ 【中学受験】本番 「入試当日の服装・持ち物」リアルグッズを完全公開 〔受験伴走完走・教育ママライター〕➡
【4】本番当日の「失敗談」と「リアルタイムスケジュール」
中学受験本番当日は親も緊張するもの。実際、伴走を終えたママたちからは、「受験前夜、母のほうがまったく眠れなかった」「持ち物のチェックをしたのに、上履きを忘れた」など、まさかと思うハプニングが起こることも……!
親子ともに当日はなにが起こるかわかりません。「家族とすぐに連絡が取れるようにしておく」「現金を余計に持っておく」「ICカードのチャージを多めに入れる」など、当たり前かと思うことを家族で何度も確認しておきましょう。
関西・関東と多くの受験をこなした佐野さん親子ですが、中受特有の“はしご受験”が特に過酷だったといいます。ちなみにはしご受験とは、午前と午後で別の学校を受けることです。午前・午後ともに4科受ける場合は、1日の総受験時間は4時間半ほどに。
佐野さんが語るはしご受験のポイントは、「移動手段と昼食」「待ち合わせ場所と当日の付き添い場所の事前確認」。さらに、はしご受験は親子ともにとにかくハードなため、母が休める待機場所の確保と、子どもの栄養補給、そして前泊が要になるともいいます。
また、塾の先生から言われたのは「2日間のはしご受験予定ならよくあるが、3日間、午前・午後受験を繰り返すのは、子どもの負担が大きい」ということ。
体調勝負でもある中学受験。どのような結果になっても、やるべきことを間違えないように、佐野さんのタイムスケジュールを参考に、当日の行動を書き出してみるといいかもしれません。
➡注目記事➡【中学受験】24年終了組の親が本番当日にやらかした「失敗談」&「リアルタイムスケジュール」大公開〔受験伴走完走・教育ママライター〕
【3】・【4】では、受験本番当日の様子を紹介しました。服装・持ち物・移動手段や時間配分はママパパどちらかだけでなく、両者ともにしっかり把握し、共有して本番を迎えられるといいですね。
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「2025年組もいよいよ本番です! ついに本番を迎えると思うと緊張するのは親でも無理からぬものです。ですが、もちろん準備は抜かりなく、しかし一番大切なことは名セコンドとして子どもを温かくサポートして、ほっとする時間を作れることだと感じました。
難しいですけれども、子どもが力を出し切れるようにいいアシストを目指してください」と佐野さん。
全ての受験生が、全力を出し切ることができますように。心から祈り、応援しています。
文/畑 菜穂子