子どもの【読書感想文嫌い】3つの原因を大解剖! 「親子インタビュー式読書感想文」で対処する7つのステップ〔文章力養成講座の専門家が解説〕

「親子インタビュー式読書感想文」松嶋有香さんが解説③ 教材:課題図書『ぼくの色、見つけた!』

中村 美奈子

親は子どもの意見を絶対に否定しない!

ゆか先生:最初に、親のみなさんに心して欲しいことがあります。それは「子どもの意見を、絶対に否定しないこと」。

「もっとこうすればよいのに」「こっちのほうがいいのに」という親目線の口出しは厳禁。子どもの選択を尊重してください。「親子インタビュー式読書感想文の書き方」の中で、これがもっとも重要なポイントです。準備段階から、すべてのステップで意識して子どもと接しましょう。

【準備:計画を立てる】目安は1日1〜2時間で完成まで約2週間

ゆか先生:最初に「本を選ぶ日」と「感想文の完成日」を決めます。「感想文の完成日」から逆算すると、計画が立てやすいでしょう。

「読書感想文」が苦手な子は、1日1〜2時間、本選びから読書感想文を書き終わるまで2週間くらいが目安です。これは、私が過去の指導経験から判断したもので、「読書感想文週間」と呼んでいます。2週間毎日やるのではなく、あくまでメインの宿題という考え方で、その他の時間は自由に過ごしてください。また、途中で「読書感想文」に触れない日があってもだいじょうぶです。

──ここで、ゆか先生が2024年の講座で実際に使った計画表を公開します。講座では、ゆか先生が添削するので2回の提出日がありますが、自分で取り組む場合は、ピンク色で囲んだ部分は必要ありません。ダウンロードして活用してください。

夏休みの宿題用の計画表。 提供:「カキマクル」
「カキマクル」の「読書感想文講座」で使っている夏休みの宿題用の計画表。 提供:「カキマクル」

「カキマクル」読書感想文計画表

読書感想文2024計画表.pdf (143 KB)

ゆか先生:「1日の取り組み時間を増やせば、もっと短期間で終わらせられるのでは?」と感じるかもしれません。しかし、一日中読書をしたり一日中文章を書いたりするのは、本を読むのも文章を書くのも苦手な子にとってはツライこと。ここでがんばらせすぎた結果、自分の子がもっと本嫌い、作文嫌いになってしまうかも。

そこで、子どもの普段の生活の様子をよく知っている大人が、次の2つのことを考えて、自分の子が1日にどのくらいできそうか軽く計算しつつ、子どもいっしょに無理のない計画を立ててみてください。

・ひとつのことを、一日何時間くらい集中してできるか。
・一日何ページくらい、本を読み進めることができるか。

『ぼくの色、見つけた!』は、222ページあります。1週間に分けて読むなら、1日30ページくらいになります。挿絵もあるので、実際に読むページはもっと少ないかもしれません。

もちろん、子ども自身が読めるのであれば、一気読みもOKですよ。肝心なのは「子どものペースに合わせること」です。

次は【ステップ1:本選び】。ここでも親が言ってはいけないNGワードが! あわせて親の声かけOKワードも伝授します!

書影『ぼくの色、見つけた!』(作・志津栄子 絵・末山りん 講談社)
『ぼくの色、見つけた!』(作・志津栄子 絵・末山りん 講談社)

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まつしま ゆか

松嶋 有香

Yuka Matushima
文章力養成コーチ、教育コンサルタント

静岡大学教育学部卒。海外にも教室がある大手塾の講師を経た後、教育支援業と執筆業を開業。文章指導歴は35年というベテラン講師。またライターとして、自身の教室の他、いろいろなプロジェクトで「書くこと」を担当。言葉、子育て系、国語系の記事やコラム、クラファンの広報文などを手がける。地域未来塾、不登校支援のほか、バンド活動も行っている。 オフィシャルサイト 文章力養成コーチ ゆか先生の「書きまくるトレーニング」

静岡大学教育学部卒。海外にも教室がある大手塾の講師を経た後、教育支援業と執筆業を開業。文章指導歴は35年というベテラン講師。またライターとして、自身の教室の他、いろいろなプロジェクトで「書くこと」を担当。言葉、子育て系、国語系の記事やコラム、クラファンの広報文などを手がける。地域未来塾、不登校支援のほか、バンド活動も行っている。 オフィシャルサイト 文章力養成コーチ ゆか先生の「書きまくるトレーニング」